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実家の周りの店、ぜんぶないなった

私の実家の周りには、なにもかもそろっていました。
飲食店が2つ、薬局、床屋、八百屋、魚屋、布団屋、銭湯、たばこ屋、自転車屋。これだけのお店が徒歩2分圏内。
ぜーーーーーんぶなくなりました。

隕石が落ちて一気に消滅したわけではなく、少しずつお店を閉められていきました。
まず銭湯がマンションに、たばこ屋は一軒家に。
魚屋は人の出入りがなくなり、廃墟のような状態。
布団屋は看板がなくなり、たまに開くシャッターからおばあさまがお花のお手入れをしに出てきます。
八百屋は週2、週1と営業を減らし、やがて完全閉店。
薬局は別の施設が居抜きで入り、自転車屋と床屋はご夫婦の高齢化でご勇退。
飲食店はふたつともご主人の逝去でそのまま閉店。

実家が建ってから20年以上になります。50歳の方は70歳、70歳の方は90歳ですから(あたりまえ)、それはもう体の限界を迎えてもおかしくないわけです。
なにぶん子供の頃の記憶ですから、細かいところまで覚えていません。それでも心の中には、ご近所さんのお店が残っています。

先日、私の祖母も家業をたたみました。曾祖母のそのまた上の母から継いでいたようです。
祖父の看病をしながら、営業時間を減らすことになってもカウンターに立っていました。
祖父が亡くなっても、周りの方々のためと店を開け続けました。
いよいよ膝を悪くして、ずっと赤字が続いているということで、たたんだそう。お疲れ様でした。

私は一介のサラリーマンなので、個人経営のお店の苦労には想像が及びません。
けれども、そんなお店を大事にしたいなあと思います。
いま、そこに通うこどもの思い出になっているかもしれませんから。


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