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以下の展示会に筆者も説明員として参加します。ぜひお越しください!
はじめに
特許情報分析、特に技術動向分析は、
市場全体が技術的にどのような方向に進んでいるか
他社競合がどのような技術を持っているか
その技術はどのような課題や効果があるか
などいわゆる特定技術範囲における技術の動向をを知る必要がある。
特に上記目的において工数がかかるプロセスは、
である。
確かに、IPC、CPC、FI、Fタームを活用する方法もあるが、自社の目的・技術状況に合わせた分析を行う上では、技術分類がマッチしないことがある。
さて、このコストの高い自社分類をサマリアで簡単にできるということだったので、使用感を知るべく、検討を行った。
サマリアとは、特許文書読解アシストツールであり、それ以外にも、技術分類を構築アシストや分類付与までしてくれる。
また、知財実務における生成AI利活用の特許3件取得しているようである。加えて、2024知財情報フェア&コンファレンス出展も予定しているとのことで、皆様にもぜひブースに遊びにきていただきたい。
特許情報分析の目的
特許情報分析の目的を設定しておく。
検索式
特許分析をする上で自社分類付与をするのと同様にコストが高いのは、検索式作成である。これもGPTで解決でき始めている。技術動向調査を行う上でとても十分な作成能力がある下記GPTをぜひ使っていただきたい。今回はこちらを活用していく。
検索式の対象を以下のようにGPTに伝えた。
特許データベースでは、J-Platpatを使用するため、検索式は以下の通りとなった。
サマリアの一括処理ツールと分類支援
サマリアは、特許読解の支援の機能の中に、4000件の特許を一括で処理する機能と、分類構築を支援する機能がある。
今回は、この一括処理ツールを利用する。
分類展開
一括処理機能を選択し、分類支援のタブを押す。(下図の通り)
今回は、AR,VR技術の技術体系、機能、そして効果がわからない素人という設定なので、まずは「発明の用途,技術課題,解決手段,発明の機能,発明の効果」を読み取ってもらい、自社分類の軸となるものを捉えていく。
その後、特許リストを読み込ませる。
処理を開始、処理ステータスがわかるのもとても良い。
処理結果は、Excelに出力ができ、すぐに分析に使える。
上図のように一つの特許に対して、読み取った「発明の用途,技術課題,解決手段,発明の機能,発明の効果」から技術を定義、分類してもらうことができた。
分類付与(分類定義の作成)
この内容を使って、技術概念を把握し、自分で技術分類を定義してもよい。
今回は、多く出てきた分類を概念的にもう少しまとめてもらい、そのキーワードを用いて、分類定義の作成をサマリアにしてもらう。
※分類展開の結果をそのまま、分類定義の用語に用いると、文字数超過となるため、上記の処理をしている。
※しかしながら、用途や効果などで切り分けて入力すればトークン数は問題ないのでこの作業は必要ないが、技術領域を全く知らないという前提のためすべてをコピペした。
GPTにクラスタリングをしてもらい、キーワードを減らしてもらった。
入力した結果、下記の分類定義を出力してくれた。(サマリアすごい。。。)
アウトプット詳細は下記。
階層表記もしてくれる。
分類付与(分類付与)
分類定義で作った定義をテンプレート化し、
今回は、同じ母集団だが、新しい母集団などに今回の自分が作った分類を付与することができる。質問テンプレートを選べば、すぐに前回の定義が使える。
特許リストを読み込ませる。
処理が開始される。
出力結果
アウトプット結果は以下の通りである。ピポットテーブルによる処理は特許情報分析の基本であるが、サマリアの出力はピポットテーブルにすぐに変換できる。
こちらのように、1特許に対して、複数分類が付与されている場合でも、1行ごとに出力されていることがわかる。
サマリアの出力結果の日ポッドテーブル処理に適している点
ピポットテーブル処理
今回は皆が無料でGoogle のスプレッドシートでピポットテーブルを処理する。
例えば、出願数の出願推移(出願年)のマップ(下図)の通りのものを作る場合、
列に出願年、値に出願番号を入れる。
分類付与の影響で出願番号が複数あるため、「COUNTUNIQUE」を使用する。
この通り、サマリアの出力がピポットテーブルに合っているため、楽にマップが描ける。
特許情報分析(アウトプット例)
得られた出力から、エクセルを駆使して特許マップの例を作成した。
サマリア特有のマップ
一般的なマップ
まとめ
いかがだっただろうか。自分のサマリアの分類支援機能の使い方のフローは下記の通りだ。
特許情報分析において、自社分類を作成し、それを特許に付与することにかなりのコストがかかっていたが、サマリアを活用することでかなりのコスト削減を期待できた。(分類展開〜マップ作成までおおよそ1時間くらい?)
高度な分析もサマリアで1時間くらいですぐできる、そんな光景は既に来ているのでは?と思えた検討だった。
以上