半導体ってなに?知っておきたいこれからの北海道のテクノロジーの種:後編【ひとくちふぃじっくす Vol.3】
*この記事は後編です!前編はこちらからご覧ください!*
*この記事は10分ほどで読めます。
こんにちは!LIFE&C HOKKAIDOのユウです。前回に引き続き、今回は半導体のお話をしたいと思います。
前編では半導体ってそもそもなに?ということを書きました。後編となる今回は、その半導体を使って、なにを作るのか?どのように使われるのかをご紹介します。
1.これまでの日本の半導体
まずこれまでの日本で半導体はどのような立場であったかをご紹介します。
こちらは半導体市場の地域別シェアの推移(本社所在地ベース)を示したグラフです。[1] 1990年には全世界の49%を占めていた日本の半導体。しかし、2022年には6%にまで減少しています。
これにはアメリカとの協定や諸外国の半導体のアクションとの差が挙げられています。くわしい凋落の原因は[1]にありますので参照してください。
2.なぜ半導体をこれほどにも開発したいのか?
1から読み取れることとしましては、日本の半導体業界の衰退もそうですが、それほどに世界が半導体の開発に力を入れているということもではないでしょうか。
では、なぜ世界中でこれほど熾烈な半導体開発が行われているのでしょうか。
それは、”半導体を開発することは科学の発達に貢献することだから”であると考えます。
一般的に、工学的に用いられる部品や機械は、民間に出回ると研究のためのみに用いられていたときの1/10ほどの価格まで下がるそうです。(知り合いの東京大学工学部・I先生より)
したがって、民間に降りてからは大量生産のおかげで安い値段で多くの用途で用いられるというために、民間にとっての半導体を議論するのはあまりに取り留めがなくなってしまいます。
なので、ここでは、”研究のための半導体”を考えます。
研究のための半導体とは、ずばり、
”よりよい半導体を作ること”=”より性能のよいスーパーコンピュータ(スパコン)を作ること”
でしょう。
そして、自国に性能のよいスパコンを作るということは、まだほかの国ができていない計算を優先的に行えるということでもあります。
一般的に、我々に身近な複雑な運動の方程式(原子どうしの衝突や物質内で起こっているダイナミクスについてなど)は、非常に膨大な計算を必要とします。
これを計算すると、まだ世の中にない新物質を探究できたり、宇宙の始まりを知ることができたりと、人類の科学の発展に貢献できます。
・・・しかしこれは建前でもあり、これらのスパコンは軍事目的で使用されることもあるでしょう(これは正確には、スパコンで計算された科学の計算が兵器に応用されることもあるかもしれないということを示唆しているのみです)。
これらの欲望がうずまき、世界一のスパコンを得るというのは世界各国にとって重要なこととなります。
そしてスパコンはトランジスタを大量に使って作られますから、その原料となる半導体が必要になります。
現在、日本のメインスパコン”富岳”は世界4位というスコアです。それでも本当に膨大の良質な半導体を必要としています。
3.これからの半導体
さて、ではこれから半導体と私たちの関係に迫りましょう。
2027年に本格的な運用(量産ライン)を開始するとされているラピダスという半導体企業の工場が千歳にできると発表されています。
詳しい情報は[3]にありますのでそちらを参照していただきたいと思います。ここで伝えたいことは、
”半導体がどのように使われるかをチェックしておき、自分なりの意見を持っておくことが大事”
ということです。2章で、半導体は兵器にも使われるということを書きました。
ひとえに半導体といっても、使い方はそれぞれ。我々にできることは、そんな半導体産業の動向を細かく追っていくことではないでしょうか。
参考文献
[1]https://diamond.jp/articles/-/318817
[2]
[3]https://moneyworld.jp/news/05_00129563_news