最近よかったコンテンツ
ここ数日で見たり聴いたりしてよかったコンテンツを3つ発表します。
・出版区 ゲスト : 安野夫妻
出版区は、様々なゲストに本屋で1万円を渡し、どう歩き・選び・買うのか、その様子をついていくYouTubeチャンネル。
本屋自体が好きだし、他人のまわり方を見れるのが面白くてちょくちょく見ている。
今回は、2024年の都知事選に出馬したAIエンジニアの安野貴博さんと、その応援演説で話題となった妻の黒岩里奈さん夫婦の登場回。
安野さんのプロフィールぜひ見てみてほしい。
すげ〜人すぎて面白い。
この人が統べる東京、まじで住みたかった。
安野さんはAIエンジニアかつ起業家かつSF作家。
黒岩さんは文藝春秋の編集者。
この2人の本屋の歩き方が面白くないわけない。
まず驚くのは2人の共通認識にある本の多さ。
普通は他人と本屋を歩いたら、相手が手に取る本を知らなかったり読んでないことが大半ではないか。
けれどこのご夫婦は、どちらかが選ぶ本を相手もほとんど知っているし、なんなら既に持っている。
夫婦だから趣味嗜好が似てるというレベルを超えて幅広く大量に本を読んでいるのが伺えて気持ちがいい。
作家と編集者ならではの視点もあって面白かった。
知的探究心をくすぐられ、今すぐ本屋に行きたくなる。
紹介されていた本もどれも面白そうなので読んでみたい。
・ありっちゃありスパーク梵 086
いつも通りフリートークや「あの事件」のコーナーもめっちゃいいのだが、特によかったのがエンディング。(42:11〜)
Webゲンロンで東浩紀さんが「子どもが産まれてから本を読む気になれない」というお悩み相談に回答している記事について語っているのだが、すごくよかった。
(そもそもこのWeb記事がすごくよい)
子育てや仕事に追われていると本が読めない。
それに対して「そういうものだ」と言い切ってくれることによって救われる部分もあるよね、というトーク内容だった。
読書など、熱中していたことができなくなると苛立ちや焦りを感じてしまうが、それは絶望や喪失ではなく「変化」なんだ。
「変化」したらそれ以前の自分の興味とは違って当然だし、その過程でどうでもよくなることもあるだろう。
そして、もしそれが本当にしたいことだったら、育児や仕事がひと段落したあとにまた手元に戻ってくる。
「変化」のフィルタリングを乗り越えて戻ってきたものとは新しい向き合い方ができる。
だから何も無駄じゃないし取りこぼしてなんかいない、必要以上に恐れることはないんだと勇気づけられた。
今まさに育児中、妊娠中の私にとってじんわりと染み入る内容だった。
育児って実は時間がある。
がっつり手が離せないという作業は以外と限られており、そばにいて見守ることが重大任務の大半だ。
だから常に半身は空いてるし、半身は空いてないという状態。
適切な例えじゃないかもしれないが、個人的には客が来ない時のレジのバイトみたいな、暇だけど任務から降りられないという感覚のタイミングがかなりある。
次の瞬間忙しくなる可能性もあるし、ちょっと落ち着いたタイミングで休んだり準備をしたりしておきたい。
暇だからといって自分のことに軸足を置いて熱中するのは無理だ。
そしてそれが連綿と続く毎日だからこそ、このサイクルが永遠に感じる。
自分のことに軸足を戻せる日なんて来ないんじゃないかと心配になる。
けれどそれは必ず戻ってくる。しかもきっと人生のうちのほんの数年で。
自己研鑽や豊かな娯楽に手をつけられずにいると焦るけれど、本当にしたくてできないのか、しなきゃいけないとどこか思い込んでいるせいなのか、精査してみると大体後者だったりする。
変化してる今の自分を大事にしたいね。
・Netflix ウェンズデー
今更ながら、そして唐突にウェンズデーを見た。
アダムスファミリーも見たことがないのだが、ウェンズデー演じるジェナ・オルテガの目力に惹かれ、なんとなく見始めた。
ハロウィンが近い頃だったので、ティムバートン監督の作り出す妖しい世界観に気分がマッチしたのかも。
簡潔でわかりやすく、キャラデザインもよくて楽しかった。
地面師たちとか極悪女王とか、Netflixオリジナルはこういうわかりやすさに長けた作品が多い。
このちょうど良さと、前述した本を読めない時期の相性はかなりいいと感じる。
複雑な構成だったり、感じ入る必要のあるタイプの本や映画に回帰したい気持ちはあるが、今はこれでいいのだと純粋に楽しんだ。
天邪鬼なので流行りものとか大衆向けなものに対してちょっと敬遠してしまう癖があるが、流行りのタイミングを気にせずに興味があるものはみるようにしてみよう。
自分軸でコンテンツと向き合っていきたい。