【出産のご褒美】家族３人 真珠のように

プッシュギフトを自分に贈った。

プッシュギフトとは、出産した女性にパートナーが感謝の気持ちをこめて贈るもので、最近日本でも海外から浸透してきている文化らしい。

妊娠９か月のときにその存在を知って、ぜひ私も記念に欲しいと思った。
それもずっと大事に使えるような一生モノのジュエリー！

ブランドものもジュエリーもあまり価値が分かっていない夫に高額なおねだりをするのは気がひけたので、これは自分で買うことにした。
大きな買い物なので吟味に吟味を重ねる。

雑誌などで素敵だなと思って見ていたジュエリーを「自分のものにする」という目で改めて見ているとものすごい多幸感に包まれた。

素敵なジュエリーを身に着けている私。
そしてその手にはこれから産む子供を抱いている。

そんな妄想をしながらおなかに手を当ててジュエリーブランドのサイトをめぐっていると、出産の恐怖や不安もしばし和らいだ。

選ぶ基準は
・一生使えるような質が良くてタイムレスなデザインのもの
・クラシカルにもカジュアルにも使えるもの
・何か思い入れができるようなストーリーのあるもの

その条件にヒットしたのがこちら。

TASAKIの「バランスネオ　ペンダント」

まさに私の探していた条件にぴったりだった。
フォーマルにも使えるパールだけれど、Tシャツなどのカジュアルにもあわせてもゴールドのバーが映えてかわいい。

それになによりこの３つ並んだ真珠！
つやつやと明るく輝いて、ぎゅっと寄り添っている。
希望に満ちあふれたその様が、これから３人家族になるわたしたちを象徴しているようでぐっときた。

TASAKIは私が20歳になる記念に祖母がパールのイヤリングを贈ってくれた思い入れのあるブランドだったので、その点でもぴったりだった。

本来は出産をしてから手に入れるものなのだと思うが、居てもたってもいられなくなった私は大きいおなかを抱えて伊勢丹に向かった。
実物をみるとますます心ときめく。
同時に値札をみて緊張。ゴクリと唾をのんだ。

真珠はひとつひとつが微妙に色味が違うので選ばせてもらう。
祖母からもらったパールのイヤリングと似ている色味のものにした。

果たして、3つ並んで慎ましく発光する真珠は私の手に入った。
その嬉しさと、大きな買い物をして分泌されたドーパミンにより出産への意気込みが湧いてくる。

よし、やるぞ。
3人で絶対に幸せになろう。

産後1年が経ち、あの時おなかにいた子供も、今は肺呼吸ですくすくと育っている。
お出かけの機会も増えて、子供に引きちぎられないかヒヤヒヤしつつもこのネックレスをつける。

胸元に輝く３つ並んだ真珠を見るたび、あのときの決意と興奮を思い出す。