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28歳にして、せっかく新潟にいるのだからと、人生で初めて居酒屋さんで日本酒を飲んだ話

はじめまして、居酒屋さんで飲む日本酒。

わたしは、お酒が苦手だ。お酒が、というより、お酒の味が苦手だ。
気心知れた友だちとお酒を飲みに行ったり、宅飲みをしたりするのは昔から好きだが、飲めるお酒は甘いものに限られる。
大学生の頃から今に至るまで、飲み会でのわたしのキャッチコピーは、「ほろ酔い(商品名)でガチ酔い」である。

そんなわたしなので、米どころ新潟に移住して早一年が経過するのに、日本酒というものをまったく飲んでいなかった。
そもそも、新潟うんぬんの前に、居酒屋さんで自分の意志で、誰かのものを一口味見する以外で日本酒を飲んだことが一度もなかったのだが。

ところが少し前に、「古本と日本酒」という気になるワードの入った日本酒のお店を発見。ちらちらと様子を伺っていたら、世の定めというべきか、先に店主さんとお知り合いになってしまったので、これは行くしかない、と。

先日、意を決して、泊りがけで、日本酒バーなるものに足を運んだのである。(その前後で起きた珍事はまた後日談として・・・)

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店内はカフェのようで、もちろんカウンターもあって、わたしのように女一人でも入りやすい雰囲気だった。わたしの知っている日本酒のイメージがここでまず、覆る。

そして、かわいい店主さんにすべてを委ね、日本酒が苦手でも飲めそうなお酒を、二種類ほど、わたしが飲めるようなほんの少しの量出していただいた。

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「・・・お、いしい。飲める・・・!」

さすがにちょっときつくはあるが、日本酒に合うつまみやごはんたちと一緒にちびちび飲めば、こんなわたしでも美味しく味わうことができた。
人生で、はじめて。
新潟で日本酒が飲めたこと、美味しいと思えたこと、お店で自分のために出された日本酒をちゃんと飲めたこと、無理なく残さず飲めたこと。
そんな当たり前のようなことが、とっても嬉しかった。

日本酒はおじさんが飲むもの、わたしには飲めない、美味しくない、
そんなわたしの持っていた大変失礼なイメージはどんどん覆っていった。

さらに、ごはんもほんとうに日本酒によく合って、ごはんはお茶で!お酒は食後に!というわたしの概念はまたまた覆されたのでした。

ほろ酔いで本のページをぺらぺらとめくるのも、店主さんとお話しするのも、たまたま隣の席になったかわいい女の子と話すのも(気持ちわるいおじさんみたいな発言)、とても新鮮でよかった。
ザ・車社会、徒歩圏内に飲めるお店も駅もないわたしにとっては、ひと時の夢のような時間でした。

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誰かの、苦手意識や思い込みを変えるのって、すごく難しくてなかなかできないことやと思う。でも、素敵なお店と店主さんのおかげで世界が広がりました。
そして何より、わたしも誰かのそんなキッカケになれたらいいなと改めて強く思った素敵な時間でした。

またぜったい、行く。

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