本格的な冬が来る前に、夏場の虫との壮絶な戦いをここに記しておく
はじめまして、虫との同居生活。
人生初めての田舎に引っ越して来た季節は夏。
完全に、虫たちが元気な時期だ。
どちらかといえば勇敢なほうであると思うが、決して虫が好きなわけでも触れるわけでもない。Gを見れば身の毛がよだつし、蝉は死骸であっても触れない。
そんなわたしが広い家で一緒に暮らしているのは、虫たちである・・・。
ある日、ランニングから汗だくで帰ってきてお風呂に入ろうと廊下を歩いていたとき。
ふと、隣の和室を見ると
「ぎゃあああああああああああ」
黒光りする大きめな物体。そう、ヤツだ。人類の天敵、Gである。
あわててスプレーを手に身構えるが、ヤツはすばしっこく、また、飛びやがる。こっちに飛んで来たらたまったもんじゃあない。
運動とはちがった変な汗をかきながら、闘うこと15分。だんだん弱ってきたヤツが運よく裏口の扉の前までたどり着いてくれたので、そのままスプレーの風圧で外に追いやった。
ちなみに、そのヤツの化石はきっとまだ裏口にある。触れないから。
またある時は大きな蜂が家に入り、
またある時はお風呂場に足の長いムカデが出、
またある時は湯舟の中にヤモリの子どもが落ち(無事に救出して窓の外へ帰した)、
家の中で一日3匹ダンゴムシに出会ったり、
気付けば自室にまでクモの巣が張っている。
なんなら、見たことのないエビみたいな謎の虫まで出る。
君たちはいったいどこから入ってくるのか・・・古い家は隙間だらけなのだ。
そう、なかなかに過酷である。しかも一人暮らしゆえ、すべて一人で立ち向かわなくてはならない。
大学生の頃、ベランダの蝉の死骸を片付けてくれた有難すぎる友はもう近くにいないのだ。
だけど、この過酷な日常を近所の人などに話すと、
「うちも出るよー。最初はびっくりするよね」
「おう。出たか出たか。一人だし、そりゃ大変だったなあ。退治できたか?」
「ヤモリは家守と書くし、虫を食べて家を守ってくれるから大丈夫だよ」
とみんな共感して、励ましてくださる。
都会育ちのわたしにも、「早く慣れろ、こっちではこれが当たり前だ」というスタンスではなく、寄り添ってくださる町の人たちはとてもあたたかい。
この有難い環境や周りの人たちに感謝しつつ、まだまだ慣れない暮らしを少しずつ少しずつ、自分のペースで歩んでいければと思う。
※今回は写真は自粛。