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「○○前」という名前のバス停から徒歩30分。そして撮影スポットまで更に20分。車がない人には鬼

はじめまして、大地の芸術祭。

大地の芸術祭。
なんとなく響きは聞いたことがあったものの、移住するまではこれが新潟で行われている祭典だというところまでは全く知らなかった。

今年2022年が数年に一度のこの芸術祭の年に偶然当たり、とてもありがたいことに町の方に連れて行っていただいた。

芸術的で不思議な空間から、

絵本と木の実の美術館

森の中に突然現れる展示物、

注文の多い料理店。本好きは発狂した

更には旧校舎を利用した大掛かりな展示まで

暗闇すぎて目が慣れるまでは恐怖だった

到底一日ではまわりきれないおもしろい展示が至る所にあった。
そう、至る所にあるのだ。

新潟県は広い。思っているよりきっと格段に大きい。
所説によると、九州の長さと新潟県を縦にした長さはほとんど同じそうだ。
なにが言いたいかというと・・・
広すぎて、数が膨大すぎて、行っても行っても行ききれないのだ。(いい意味で)

丸一日存分に巡って、大満足でパスポートを開いてびっくり。
半分はおろか、10分の1もまわれていないではないか。
なんて広いのだ、おそるべし、新潟県。

そこでふと思い出した。
2年前、車の運転も満足にできず、知識も乏しい中、電車とバスを乗り継いで有名な観光地「清津峡」に行った時のことを。

初めての清津峡にて

この写真。一見、とても楽しそうではしゃいでいるだけのように見えるが、いや、実際とても楽しくてはしゃしでいたのだが、この前後にはそうそうたる苦労があったのだ。

遡ること数十分前。バスは、「清津峡前」というバス停に停車した。
なんと、次のバスまでは約1時間半。このバスを逃すとかなり遅くなってしまうため、なんとしてでも乗らなければならない。

バスを降りたものの、清津峡らしきトンネルは全く見当たらない。
それもそのはず、清津峡までは、バス停から30分ほど歩道なき山道を歩かなくてはならなかったのだ・・・!

まじでだれか車に乗せてくれと本気で思った。
もちろん誰も乗せてくれなかった。笑

幸いにも、同じ無謀な挑戦をしようとしている若者があと二組いたので、なんとなく同志のような気持ちを抱きながら、ゴールの見えない道をひたすら早歩きで進む。
ようやく清津峡入り口に着いた時には息も絶え絶え。誰だよ、バス停に「清津峡前」って名前をつけたのは・・・

チケットを買って速足で進むが、なんとここからも試練。
こんなトンネルが約20分ほど続くのだ。さらに途中途中にフォトスポットまである。なんてこった。

まじで果てしない

しっかり写真も撮りつつもはやダッシュで進む。そして、トンネルの先端で先ほどの映えな写真を撮ったあとは・・・

11月の十日町にも関わらず、上着を片手に猛ダッシュ!!!!

人目も気にせずトンネルを駆け抜け、先ほどの山道も走れるだけ走り、なんとかかんとか次のバスに間に合った。勝利である。

ちなみに、この話を新潟県民にすると120%の確率で「清津峡に車で行かないなんてありえない」「頭がおかしい」と言われる。

大地の芸術祭、面白くて素晴らしいのだけれど、他県、特に都会から来る車を運転できないような人にはとてつもなくレベルの高いものに感じる。もはや鬼である。

でも、そんななかなか行けないようなところにあるのも魅力の一つなのかな・・・

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