一瞬血迷って米農家に嫁ぎそうになるくらい新米がおいしかった話
はじめまして、刈りたての新米。
「新潟といえば?」と県外の友人に聞いたら、9割がた「お米!」「田んぼ!」「スキー!」といった答えが返ってくる。
にもかかわらず、はじめて降り立った新潟の地が海沿いであったわたしにとっては、「海!」「山!」「魚!」であった。
そんなわたしにも、やってきました稲刈りの季節。
田植えの時期の新潟はまだ知らないけれど、こっちに来たばかりのころ青々としていた稲たちはすっかり黄金色に色づいた。夕暮れ時に田んぼを見ると、これがみんなのイメージする新潟かあ。としみじみ思う。
余談であるが、前職の関係でとあるメーカーの田植え機やコンバインの仕組みについて詳しかったりするので、その機械を見かけるとちょっとテンションが上がったりもする。
そんなことを思っていたら、職場で刈りたての新米をいただいた。
この時期になると親が「今年も新米買っちゃった!」とスーパーで買ってくることはあったものの、つくりたてのお米を食べたことなんてなかった。
さっそく家に帰り、わくわくしながら袋を開けてみる。
これが新米かあ。
冷凍庫に数日前に炊いて冷凍した筍ごはんがまだ残っているけれど、せっかくだから今日は新米が食べたい。
親から、「新米はやさしく洗って、あまり水に長く浸けず、水の量を大さじ1くらい減らして炊く」と聞いたので、その通りにやってみる。
炊飯器のスイッチを押したら、おかずの準備。
今日はお米が主役だから、おかずはシンプルにしよう。
作り置きのオクラのお浸しに、だし巻き卵を作って、梅干しと、あとは豆腐とわかめと車麩のシンプルなお味噌汁。あとは枝豆も茹でよう。
わくわくしながら準備する。わくわくしすぎて、早く作りすぎて、ごはんの炊けるタイミングに合わせるべく、いったん火を止めて待機。
炊飯器の表示が「10分前」となったところで、卵を割り、準備をすすめる。
ピーピーピー
結局バタバタしていたら、その時はすぐにやってきた。
逸る気持ちを抑え、そっと蓋を開けると・・・
ふわっと、湯気とともに炊き立てのごはんの匂いが広がった。
いつものようにかき混ぜて、少しだけ蒸らして、準備ができたおかずの横にごはんを盛ったお茶碗を置く。
いざ、実食!!!
ぱくっとひとくち。
「・・・・!!!!!」
つやつや、つぶつぶした触感、ほんのりあまくて、とってもおいしい。
おかずなんていらない。
新米って、新潟のお米って、こんなにおいしいんや・・・!
走るようになってから、夜はあまり炭水化物を食べなくなっていたわたしであったが、この日ばかりはいつもより多めによそったごはんをさらにおかわりした。
こんなにおいしいお米をいただけるなんて、ほんとうに有難い。もう都会のスーパーでお米、買えない・・・。
ちなみに、こっちに来てはじめてスーパーで買ったお米「こしいぶき」も、新米には敵わないがとてもおいしかった。住み始めて2か月半でようやく実感したが、やっぱり新潟はお米の県だ!
しばらくは、いただいた新米を有難く美味しくいただこうと思う。