カギを握る人
父母の介護にかかわる中で、私はいつでも「キーパーソン」。
兄弟はいるのだけれど、「絶対に面倒見ない!!」と断言されてしまったので、選択の余地なく私がキーパーソンになっています。
一般的なキーパーソンの役割はこんな感じでしょうか。
契約など事務的な手続き
利用料の支払い
介護サービスや医療的ケアの決定
緊急時の連絡
けれど実際には「これもお願いします!」と、諸々のお願い事が降りかかってきます。
私の場合、ちょっと納得いかなかったのがこの2つ。
ショートステイから帰りたがる母を電話で諭す
リハビリ転院を嫌がる父を説得する
言われた時は、「分かりました!」と即対応しましたが、冷静になってみると、これはキーパーソンの仕事なんだろうか?とモヤモヤ。
そもそも、キーパーソンというネーミングが重い。
カギを握る人なんて、まるで推理小説の登場人物みたい。
「主に連絡を取る人」くらいでよいのではないかな?
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今週、父の退院前カンファレンスがあり、そこで「キーパーソン」に対して色々なお願いが言い渡されました。
ソーシャルワーカーさん、病棟の看護士さん、理学療法士さん、地域包括センター職員さん、福祉用具会社の方、それぞれから2~3個ずつのお願いが読み上げられるうちに、何だか自分がサンドバックになったみたいで悲しくなっていきました。
この人たちは、これらのお願いを受け止めて、全てをこなしていくのは私一人って分かっているのかな?
私が皆さんのお願いをこなす間に、私が普段やっていることを代わりにしてくれますか?
早起きして子どものお弁当を作る、1週間分の買い出しに行く、家の掃除、1日3回洗濯機を回す、アイロンがけ、ベランダの手入れ、ゴミ出し、PTA役員の仕事、子どもの試合の応援、自分の仕事の準備と勉強、その他いろんな家のこと、そして母の世話…
カギなんて握りたくない…
手放してしまいたい…
誰なのよ、キーパーソンなんて言葉を使うことに決めたのは!
と、こんなことを表立っては言えないし、結局はやるしかないのだし。
カギを握っているのは私なんだぞ、くらいの気持ちでいかないとね。
モヤモヤしないために。