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ドラマ「THE DAYS」を見て -福島原発事故から考える集団利益と当事者意識-

こんにちは。休職中の若輩記者えだまめです。

note初心者で、昨日初めて投稿したのですが
「スキ」というボタンがあるんですね。            
昨日の記事にすでに6つのスキを頂いていて、
自分のアウトプットにと書いた記事が他の方にも届いたんだ…!と嬉しくなり
皆さんのページにもお邪魔しました。

↓こちらの記事です

noteって、匿名だけどその人の書く文章や扱うテーマから人柄が見えてきて、
他のSNSよりも、より『人』との繋がりを感じられる場だなと思いました。
リアクション下さった皆さん、ありがとうございます🙇


では、本題に戻って。
先日、母と2人で見たドラマ「THE DAYS」の感想を共有したいと思います。

「これは天災か、それとも人災か」

2023年配信のNetflixシリーズ「THE  DAYS」は、2011年に起きた福島第一原発事故を題材にしたドラマで、
主演の役所広司さんをはじめ、小日向文世さんら名だたる俳優陣が出演。
「政府」「電力会社」「原発所内」の3つの視点から
13年前の悲劇は一体なんだったのかを克明に描いています。

戦後最悪の自然災害

東日本大震災が起きた2011年3月11日。
当時私は小学生で、「早く下校しなさい」と先生に言われて急いで家に帰ると、信じられない光景がテレビ画面に映し出されていました。

見たこともない大きな黒波が、
街の全てを奪っていく今この瞬間を
ただただ呆然と見つめることしかできず、
「生放送」という文字に鳥肌が立ったのはこの時が初めてだと思います。

そんな震災がもたらした被害の一つとして記憶していたのが福島の原発事故
ただ当時は、なぜ事故が起きたのかという仕組みが難しくて理解できず、
それ以上に地震や津波のインパクトのある映像ばかりに目を奪われて
それ以降も、原発問題についてはきちんと学ぼうとしていませんでした。

とはいえ、本で読んだことのある「チェルノブイリ」というワードが聞こえていたので
幼いなりにその恐ろしさには気づいていたと思います。

事実に基づく物語

複数の調書を基に制作されたというこのドラマでは、監督が実際に福島第一原発を訪れるなど、
毎話冒頭に出てくるこの言葉の通り、徹底的にリアルを追求しています。

特に、現場の担当者らの演技は圧巻で、
これまで仕事を共にしてきた自分たちの原発が、愛する家族や友の住むこの街、国をも破壊する化物となった姿を見つめる
彼らの唖然とした表情は、今でも目に焼き付いています。

「全電源喪失とはどういうことだ」「なんとかしろ」

誰も経験したことのない原発の恐怖を前に、死を覚悟の上で職務を果たそうともがく原発所内とは対照的に、政府や東電本店からあがる言葉はとことん他人事でした。
「近隣住民に自宅待機の指示を出したばかりだぞ」
「計画停電は考えなおせ」と、セリフだけでもわかる現場との温度差に
ある意味では原発の恐ろしさを超えた人間の狂気を感じました。

全話見終えて

ドラマの結末として描かれていた通り
本作の主人公である吉田所長は、震災から2年後に58歳という若さでこの世を去りました。

東電福島第1原発の元所長、吉田氏が死去 58歳

2011年3月の東日本大震災の際、東京電力福島第1原子力発電所の所長として原発事故の収束作業を現場で指揮した吉田昌郎(よしだ・まさお)氏が9日午前11時32分、食道がんのため東京都内の病院で死去した。58歳だった。

日本経済新聞(2013年7月9日)

吉田所長の食道がんは、医学的に見れば、原発事故によるものではないのかも知れません。
けれど、そうとは思い切れないぐらい、今回失った若い2人の命をはじめ、
当時現場にいた全ての人が、今後一生に渡って犠牲にしたものはあまりに大きく、

なにより、そんな彼らの尊い犠牲を払って得た
原発の計り知れない脅威を経験してもなお私たちは
「今ある快適な社会」を選び続けている。

この事実に言葉が出ません。

当事者だけが苦しんで、必死に叫び続けている。
電力という利益を享受してるのは私たち『集団』であるはずなのに
その集団は、当事者になろうともしない。

実際、ドラマを見るまでの私がそうでした。

「基地問題は沖縄の問題でしょ」と
言われて育った私と同じように、
「原発問題は福島の問題でしょ」と
言われている福島の人たちがいるはず。


正直なことを言うと、今はこんなに熱く書いているこの感情でさえ、いつまで保てるか保証出来ないことがとても情けないですが

でも、そう言い訳はしたくないから
情けない大人にはなりたくないから、
同じ日本を生きる一人として、今日だけでなく今後も、必死で当事者であり続ける努力をしていきたいと思います。

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