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付き合ってないのに尽くす片想いの女性の映画「愛がなんだ」を見た30代HSP

直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を、「パンとバスと2度目のハツコイ」「知らない、ふたり」の今泉力哉監督で映画化。「おじいちゃん、死んじゃったって。」の岸井ゆきの、「キセキ あの日のソビト」「ニワトリ★スター」の成田凌の共演でアラサー女性の片思い恋愛ドラマが展開する。28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。(映画.com抜粋)

マモル役に成田凌さんは可愛げもありシブさもある独特な雰囲気がありますよね。
ニワトリ★スター」で見た時はファンキーな役柄でしたが、今回はダメ男というよりクズ男な役で登場です。

テルコ役の岸井ゆきのさんは「神は見返りを求める」で初めて知り、これまた「普通の女の子」っぽさがある女優さんです。
とにかく20代前半くらいの女子を演じるのがウマすぎます。
しかしながらテルコという古臭い名前がジワります(笑)

世の中にはなぜかモテてしまう男性が存在しますよね。
でも蓋を開けてみるとクズ男だったのか、はたまたモテて甘やかされてしまったが故にクズ男になってしまったのか。
マモルとテルコが初めて会った時に声をかけたのはマモルの方でしたが、
自己紹介の後に「テルコだからテルちゃんだ!」と初対面で違和感なく距離を縮められるのがモテ男っぽいんですよね。

マモルが体調を崩した時にテルコに電話して家に来てもらい、ご飯を作ってもらった後に「山田さん、もう帰って」って言うところが側から見るとマジでヤベぇクズ男に見えるんですよね。
「テルちゃん」という呼び方からいつの間にか「山田さん」に変わってるのも距離感を感じますよね。

でもテルコはマモルのことしか目に入ってないので、必要とされるなら飛んででも行ってしまいます。
それくらい恋愛というものは人をおかしくさせるんですね。

テルコの友人のヨウコにも関係性のあるナカハラ君という男性がいて、テルコの様な都合の良いパシり的な扱いを受けています。
ナカハラ君もまた純粋で、ヨウコとの関係は側からみると「姫と家来」的な感じなんですよね。
でもナカハラ君はその関係性を悪いものだと思っておらず、「ヨウコのそばにいれればそれでいい」みたいな感じなんですよね。

作中でナカハラ君が中国の王様の話をするんですよ。
どのような行為も認められ肯定されていくうちに、王さまは何かを残酷だと思う心が麻痺していき、どんどんエスカレートしていきます。

本当に残酷なのは王様なのではなく、それを受け入れて何でも言うことを聞く家来の方がよっぽど残酷だ

と話しています。

ナカハラ君は「自分がヨウコをダメにしているんじゃないか?」と振り返り、今でも好きなヨウコにもう2度と会わないことを誓うんですよね。
でもテルコからしてみると「好きなのになぜ会わないなんておかしい」といった感じなんですよね。

尽くしてる側は、尽くすことで「自分は必要とされている」というある種の執着心みたいなものがあります。
確かに人から必要とされることは良いことではありますが、必要以上に与えることで相手をダメにしてしまうこともありますよね。
テルコも良かれと思って、マモルに言われてもいない家事をしてしまって「そこまでしなくていいから」と言われてしまいます。

都合の良い関係とは何も考えずにラクな関係ではありますが、その関係性にはいつしか上下関係みたいなものが隠れているのがコワいですよね。
ちなみに僕はテルコみたいな女子は少々苦手です。
でも岸井ゆきのさんはめっちゃ好きですね!

やっぱりこういう「綺麗じゃない恋愛ドラマ」的な作品めっちゃ好きですねぇ。

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