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ローゼンメイデンを読んだ最高だった。

快活クラブ行って漫画読んできました。感想語ります。


ローゼンメイデンとは?

アンティークドールの女の子たちが動いて喋って戦う話。

2010年代に物凄く流行って、アニメ化もされたし、オタクにとても人気だった。
私は漫画を途中まで読んでいたが、結末を知らなかったので今回思い切って最後まで見届けることにした。


感想いろいろ

ネタバレする前に読解力がない。

ローゼンメイデン、かわいい人形の姉妹たちが戦っては仲良くするオタク向け漫画、かわいいことをするのが目的というレッテルをちょっと貼っていた。

だが、違う。そんなんじゃない。至極まじめ。そしてやってることが分かりづらい!!

現実世界と異世界(夢や並行世界)を行き来して戦うスタイルなものだから、そこにルールもへったくれもない。あらゆることが起きるし、敵も味方も会話の内容が哲学的で難しいし、解釈にかなり頭使う話が展開されている。ただ「不登校の主人公がかわいい人形と暮らしてる」だけじゃないのだ。
最終巻まで読んだが、結局何を描きたくて、どうやって収束できたのか真の意味を理解できていない。ネタバレしようにもできない。
完走できたのは、イラストのおかげ。描かれるキャラがほんとうに美麗なのよ。

姉妹たちの距離感と絆が美しすぎた

ローゼンメイデンは7人姉妹。しかし闘う宿命を背負っており、姉妹同士で命がけのケンカをしなければならない。誰もが父親(人形作った人)の一番の娘で愛情を独占したいと切望している。
つまり、ヨコの繋がりが薄いのである。これが私の性癖にフィットした。

私は過度な兄弟愛の描写が苦手である。BL嫌いなのも関係してるけど。距離感の近さについていけない自分が発生するから。仲良しは結構だがベタベタ愛情MAXだとげんなりする。残念ながら良さが理解できないのである。兄弟姉妹だからといって最大限の信頼関係にいきなりなるのは価値観に合わない。過程が欲しい。

ローゼンメイデンの姉妹たちの距離感は適切である。「姉妹だから」といってベタベタしない。無理に姉や妹という役割を担い、胸を張ったり甘えたりもしない。いたって自然に、地味に、彼女たちは絆を見せてくれる。そうそう、こういう感じが好きなんだよ。双子ですら意見が対立する描写もあるし、関係性の作り方が立体的。

特に、水銀燈と真紅の関係性がイイよね。価値観が合わなくてお互い大っ嫌いで殴り合いも掴み合いもするが、姉妹だから仕方なくお喋りも共闘もする。愛憎入り混じったギスギス姉妹愛。私こっちの方が好きだな。大好きだな。
理由なく愛し合う兄弟より、自我をぶつけ合う愛憎入り混じった兄弟姉妹の関係の方が私は観たいし、価値観に合ってる。趣味悪いかもしれないけど、これが私です。ローゼンメイデンではこういうのが観れる。

水銀燈にめちゃ共感する

水銀燈とは、第一ドールで長女。イメージは黒薔薇。愛とか絆とか仲良しが大嫌いで、世界の闇を容赦なく見せつける美しい子である。サンタさんなんかいないのよ、って子供に言えるタイプ。真紅のライバル。

今回、完結まで彼女の活躍を見守り更に好きになった。
彼女が持つ厭世的な世界観と苦しみに共感した。誰よりも愛されたい性格として生まれたのに、長女であるせいで、父親の愛情が妹たちに与えられていくのを見せつけられる苦しみを感じていたのだ。自分が失敗作だから父親は妹を作り続けているのだと解釈している。父親をとても愛しているが、同時に憎たらしくもある。だからアリスゲームで勝ってみせて、長女たる自分がアリスになって父親を絶望させたい。愛されたいから、復讐したいから戦う。その一方で、こんな悲しい世界、飛び立ってしまいたいと願っている。
なんか気持ちわかるな。私も愛されたいし、希死念慮あるしで、共感できそうな要素あるから。

彼女は世界の闇と毒を披露することに遠慮がない。ズバズバ嫌味とキライを振りまく。「仲良しごっこくだらないよね」、「人間なんか死ぬために生きてる」とかいう。かわいい顔で。エケチャンフェイスで。普通の人に言われたらイライラくるけど、彼女のような美少女に言われたらなんか許せちゃう。そしてこれがけっこう痛快。私も、無意味なじゃれあいとか、仲良しごっことか好きじゃないので、彼女に共感する。彼女は私が思ってることを美しく言ってくれる。こういう人材って必要。

水銀燈だってデレる時はある。お姉さんプレイも散見された。彼女も、人間や姉妹と関わるうちに少しずつ成長してきているのだ。黙って優しさを見せたり、共闘したりと大変頼もしい活躍を見せてくれた。最後はすっかりチームの仲間入りである。協調性ゲットしていた。

水銀燈、たまらないな。でも、お友達にはなりたくないし、なれないと思う。私はドジっ子傾向でオタクだから、彼女から言わせれば「世界一大嫌いな人種」だと思う。そういう子です。

結局全ドールが大好きになる

私の推しは翠星石のはずだった。しかし。全員好きだーっ!!

漫画の絵柄が好きだし、話を追うにつれて各キャラの想いが明らかになったし、結果的に全員好きになった。
水銀燈の愛と闇は理解しまくりだし、金糸雀ってアホの子に見えて、誰よりもアリスゲームと孤独を理解しているし、翠星石のジュンへの愛情は切なくて激しいし、蒼星石はイケメンかわいいし、真紅の理想と行動は誰よりも美しい。雛苺かわいいよ~よちよち。雪華綺晶は、私自身がイメージカラー白が好きなのと、仲間外れ愛されたがりな気持ちもよくわかるからお気に入り。はい、全員好きです。

薔薇乙女、全員エケチャンフェイスでかわいい。美しい。それなのに、彼女たちの中には成熟した魂が入っている。ここがポイントなんだよね。みんな少女だけどコドモじゃないんだよ。レディなの。

人間が人形に成長させてもらってるのか、人形が人間に育てられているのか

ジュンは不登校だったけど、ローゼンメイデンとの出会いを通して登校できるようになる。
真紅たちは、人間と出会って生活することによって、人や姉妹との関わり方を学び感情を知り、少しずつ魂の在り方を変えていく。

成長しないはずの人形が人間を育てている風にも見れたし、人形が人との出会いを通して少しずつ変化していくようにも見えた。
遊んで育ててもらってるのはどっちだろう。

この漫画、「成長」がテーマかもしれない。

魅力的なキャラがいっぱいだし、哲学的だし考察のしがいがある!

いろいろ語ってきたけど、快活クラブで有料空間の中で流し読みしたため、理解できていない部分が多い。
私はまだジュンやドールズたちの葛藤を完全に理解するに至っていない。
ちゃんと解釈したいけどできていない。よくわからんセリフも多々あった。もっとみんなの気持ち理解したいよ。

よし、愛蔵版を買おう。買って家でじっくり読んで解釈して、自分のものにするんだ。で、整理出来たらnoteにする。

ローゼンメイデンは素晴らしい漫画です。みんなの心に薔薇乙女。

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