実とタネのお話
この記事は2020年9月に書いたものです。
この季節、お散歩していると気になるのは、断然実!
(トベラの実)
(シャリンバイの実)
夏が終わりやっと涼しくなってきましたが、この時期の植物たちは着実に次の世代に命のバトンを渡すためにタネをつけています。
(モチノキの実)
(ネズミモチの実)
植物の最盛期は華麗な花の時期と感じる方は多いと思いますが、植物自身にとっての最盛期はタネの時期です。
(コノテガシワの実)
(ハマゴウの実)
なぜなら、植物はタネを結ぶ時期を計算して花を咲かせているから。
植物はタネをつけて命を繋いでいくために、自らの芽生えの時期から計算しているのです。
タネは蒔かれてすぐに発芽するわけではなく、発芽の時期を慎重に見極めています。
植物はその種(しゅ)によって、暑さが苦手なタイプと寒さが苦手なタイプがいて、その苦手な時期をタネという形で乗り切って次の命にバトンを渡すために発芽の時期から計算しています。
光や温度を感じ取り、一定期間低温の時期(冬のことですね)を過ごさないと発芽しないようにプログラムされていたり、一生を芽生えた場所から動かない植物は、光の種類を感じ取って、芽生えた後のその場所は光合成ができるかどうかまで判断して発芽の時期を決めているのです。
そして、その大切なタネを守り、ほかの生き物(動物)に運んでもらったり、親が子に敢えて旅をさせるための仕組みが実です。
この時期様々な実を見かけると、「お、着々とだね」と感じるのです。
植物は決して「動けない」わけではありません。
芽生えたその場所で自分で生きるための栄養を作り、動かずして生殖ができる仕組みを持っています。一方私たち人間を含む動物の行動のほとんどすべては、「食べるため」と「命を繋ぐため」と言えると思います。
植物からしたら私たち動物は「そんなに動かないと生きていけないなんて大変だね」っていう感じなのかもしれませんね。
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Kigiの講座
★ 9/19 「森と海と空と私たち~繋がりのお話~」
(とても大切な講座なので長文です)
この講座の内容は、全ての人達にかかわってくる、身近で大切な話であるにもかかわらず専門性が高く、森の話は森の人、海の話は海の人、植物の話は植物の人と細分化されているため、アロマやハーブの勉強をしていてもその話が語られることはあまりないと思います。
アロマ、薬草、ハーブ、野草、などなどたくさんの世界がありますが、全ての植物を学ぶ上でそれらは森と海とセットなのです。
植物に携わる者として森と海のお話はとても大切なお話で、目の前に見えている植物だけではなく、「森と海との繋がりの中に在る植物とわたし」という観点で、そして森と海が全ての命を生み出す母であることと同じく、命を生み出す女性としての自分の言葉で伝えたくて作った講座です。
ぜひぜひたくさんの方に受講していただきたいです。
「森と海と空と私たち」講座内容
日本の森
天然林と人工林
森の役割
海の食物連鎖
鉄とフルボ酸のお話
森の土の構造
森と海の繋がり
日本の森と海の今
私たちにできること
皆さんのご参加をお待ちしております。
★ 10/6、10/10「実と種」
今日のメルマガに書いた内容も含む、更に深い実と種についてのお話です。
★各講座はZOOMを使ったオンラインで開催しております。
当日ご都合がつかない方のために、講座終了後4週間限定で録画した講座を視聴していただけます。
講座の詳細、お申し込みはこちらまでお願いいたします。