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鳥に向かう花ハイビスカス



この季節、我が家の近くでよく咲いているこのお方。


ハイビスカス。


冷涼な八ヶ岳の麓に住んでいた時には見かけたことはなかったけど、暖かい海の近くのこのあたりではよく目にする植物です。


大ぶりでひらひらとした、いかにも南国な感じの花びらも素敵ですが、ハイビスカスの何がかわいらしいって、この、先がくっきりと5つに分かれた赤いめしべと、黄色い花粉をたくさんつけたおしべのコントラストです。


陽気で明るい感じの花は、鼻を近づけてみてもほとんど香りがしません。


それもそのはず、ハイビスカスの花粉を運んでくれるのは香りに鈍感な鳥たちだからです。


ハイビスカスは鳥媒花。


椿などもそうなのですが、赤系統の色の花びらを持ち、香りがあまりせず、鳥がつかまれるような大ぶりの花のものは鳥媒花のものが多いです。


鳥が一番識別しやすい赤系統の色を纏い、香りがあまりせず、そして蜜は薄ーいです。


虫に比べて鳥は体が大きいために大食漢で、そんな鳥のために濃い蜜を作るのは大変エネルギーを使うことなので、鳥媒花の植物は薄い蜜をたくさん作るのです。


お散歩中の私の目を楽しませてくれるハイビスカスですが、ハイビスカスは私のために咲いているはずもなく、色も香りも蜜の濃度も鳥に向けて作られているのだなあと。でもそんな釣れないところがまた可愛いなと今日も思うのです。

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