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ヤマモモ ~ 菌と持ちつ持たれつの美味しい実


ヤマモモボウルに採取


この記事は2020年6月の記事です。


こんにちは。今日は夏至ですね。

一年の中で地球のエネルギーの大きな切り替わりポイントであり、一度終わらせて再スタートを切るような大切な日。

古来世界中でたくさんの儀式が行われてきた今日の夏至ですが、エネルギーが強すぎるこの日は私は毎年ただひたすら眠いです(笑)


今日はヤマモモという樹木のお話です。

今の季節、お散歩していると道に落ちている真ん丸の形の赤い実。

見上げてみると、果実のたわわに生ったこんな木が生えているのを見たことがありますか?

ヤマモモ樹木

この木はヤマモモ。

モモが元々中国からやってきて、栽培される果樹であるのに対して、こちらのヤマモモは日本原産で暖かい場所に自生しています。

「モモ」と名前はついていますが、果物の桃とはだいぶ違うお味。

モモが、手をかけて育てられたおっとりと箱入りの感じを纏っているのに対して、こちらのヤマモモは自由で強い感じ。

ヤマモモはなかなか面白い生態をしていて、その根にはフランキアという菌が共生しています。

生きていくための栄養素を自分で作り出すことができないフランキアは、植物が生きていくうえで必要とする窒素をヤマモモに供給する代わりに、ヤマモモが光合成によって作り出した栄養を受け取って生きています。つまり、ヤマモモとフランキアは共生関係です。

そんな、フランキアという強い味方との共生関係があるため、ヤマモモは栄養分の乏しい荒れた土地でもよく育ち、その土地を整えるパイオニアプランツとしての役割を担っています。

特に海岸や乾燥した尾根などのやせた土地では、森を構成する大事な樹木になっています。

暖かい場所の都市の緑化や公園樹、ここ湘南では庭木などにも比較的よく使われている樹木なので目にする機会もあるかと思います。

ヤマモモの実は甘酸っぱくで美味しいですが、種が大きく、生食だと少し食べにくいです。

ヤマモモを摘んで洗って瓶にいれ、果実と同量くらいのたっぷりの甜菜糖をざらざらとふりかけて冷蔵庫に入れて、一週間くらいそのまま置いておくだけで美味しいシロップができます。

ヤマモモボウルに採取


ヤマモモシロップ

シロップをお水やソーダで割ってジュースにしたり、そのままかき氷や寒天にかけて食べると、冷たくておいしいおやつになります。

ヤマモモの実は、生薬名を楊梅(ようばい)と言って、胃腸の調子を整えたり、消化を助ける作用があります。

また、ヤマモモの実をホワイトリカーに浸け、3ヶ月くらい冷暗所に置いておくと、滋養強壮、冷え性、胃の調子を整えてくれるヤマモモ酒ができます。

梅酒を仕込むついでに作ってみてもよいですね。

ヤマモモを見かけたらぜひ試してみてくださいね。

ヤマモモジュース

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