スミレのはなし
今年はなぜだかスミレが気になっていて、東京で開催されたスミレのワークショップにも先日参加してきました。
というわけで、今日は久しぶりに出会えたスミレについてです。
2年前のブログ記事に加筆しています。
スミレの生き方についてお話しする前に私のスミレに対する偏愛ポイント。
スミレの一番好きな部分は、この部分。
萼の下からぴょこんと出ている距(キョ)と呼ばれる器官です。
この距の中には蜜が詰まっています。
虫はスミレの花をめがけてやってきて、更にその奥にある距の中に詰まっている蜜を吸うために、花粉をたくさん体につけながら奥に進みます。
虫の体により花粉をつけて運んでもらうための工夫が、この美しい距という器官なのです。
スミレを見つけたら、必ずこの距を触ります。
(その下についている小さな葉、写真の托葉 たくよう も好きです。)
そして、スミレの花びらは5枚なのだけど、一番下の花びらに大きく模様がついているものが多いです。
これは、一番下の花びらの奥に雄しべと雌しべがあるので、虫にここを目掛けて飛んできてほしいから。
虫に対する目印です。
そして、スミレは種をつけてからも虫と仲良く生きていく植物。
スミレの種のまわりには、エライオソームという、蟻が好む味のついた成分がシュガーコーティングのような状態でついています。
アリはエサとして種を巣に持ち帰り、このエライオソームだけを食べて、種は巣の外に捨てます。
スミレは蟻に種を運んでもらって蟻の巣の周りで発芽することができます。
これはスミレに限らず植物全般に言えることなのですが、植物は、自分の子孫に自分とできるだけ遠い所で、自分が見たこともない環境で生きていってほしいのです。
これは植物の親心で、もしも種が自分の足元にこぼれた場合、一緒に生きていくことはできますが、天変地異などが起こった時に、自分が死ぬということは自分の子孫も一緒に死ぬということです。
なので、自分で動くことができない植物は、種をできるだけ遠くに運ぶように様々な工夫をしています。
風に運んでもらうために背を高くして、風になびくような姿をしているもの、
鳥に運んでもらうために木のてっぺんに実をつけ、鳥の好む味をしているもの、
動物に運んでもらうために動物の好む味をしているものや、種がその足にくっつくような形になっているもの、
スミレはアリに運んでもらうためにアリの好きな味を種の周りにつけているのです。
植物の生き方はすべてその姿に現れています。
植物の仕組みを知ることは、植物の生き方を知ること。
知れば知るほど、植物の生き方は工夫に富んでいて面白いです。
▶スミレの薬効
生葉を揉んでつけると、虫刺されや打ち身、腫物に効きます。揉むと粘りが出てくるので、痒み止めパッチみたいにくっつけたまま作業ができます。
地上部すべてを煮出して飲むことで、精神安定、便秘解消、利尿、解毒の作用があります。
これは私の感覚ですが、スミレの花を見たり触ったりお茶に浮かべて飲むだけでも心が落ち着く感じがします。
以上スミレについてでした。
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