モクレンたくさんの花_編集後

地上最古の花


この季節に毎年桜のお花見に行く近所の池があるのですが、池の周りはぐるっと桜が植わっていて、一周すると民家があって、その庭先に、大きな花をつけたハクモクレンの木があるのです。



私はこの花が好きで、桜そっちのけでハクモクレンや、その足元に生えている草を見ているので、家族には、「人のうちの庭先を見に来たんじゃないよ」などと言われるのですが(笑)


ハクモクレンの花の素晴らしいところはたくさんあるのですが、まずその手触り。

とてもしっとりしています。



そして花が肉厚のせいか、いつも少しひんやりしていて、何かに動じたりはしない感じ。

そして、全ての花が上向きにつくところも素敵です。



ハクモクレンはハクモクレンの世界にいる感じがするのです。


そしてハクモクレンはその香りが素晴らしいです。

ハクモクレンはモクレン科モクレン属というグループに属する植物で、モクレン科の植物は香水の原料になるものがたくさんあります。

それほど香りが良いです。





モクレン科の花は、地上最古の花と言われています。


私たち人間が誕生する遥か前からモクレン科の樹木は地球上に生きていて、その姿は一億年前から現在まで変わっていないと言われています。


モクレンは今では庭木として植えられることも多いので、恐竜のいた時代から生きていたモクレンとしては、人の庭先に植えられているのはなんだか不思議な気がするでしょうね。


庭先のモクレンが一億年前から生きていたというわけではありませんが、樹木は太古の記憶を持っていて、そして離れた場所のことも知っているような気がするのです。


樹木は私たちとは、時間も空間も違う次元にいる感じがします。その点が草から感じるものと違うところです。


さて、私がモクレン科の樹木がいかに好きかという話はこれくらいにします(笑)



「マグノリア」という花の名前を聞いたことはありますか?

マグノリアというのは、このモクレン科の植物の総称です。



モクレン科の樹木はたくさんいますが、モクレン科の薬用樹木の中の一番の有名どころはコブシ。


コブシもここ八ヶ岳では目にすることの多い樹木です。

(写真は山梨県甲州市にある甘草屋敷のコブシ)



コブシは学名をMagnolia kobus、その蕾は辛夷(しんい)という生薬名です。


コブシの蕾を乾燥させて煮出して飲めば、頭痛、めまいなどの頭部の疾患、鼻炎、鼻詰まり、蓄膿症などの鼻の疾患、耳鳴り、中耳炎などの耳の疾患、老年認知症、高血圧の予防に効くと言われています。


市販のお薬でこんなに多岐にわたった薬効があるものは中々ないですよね。


植物の効果は面白いです。


因みに民間療法では樹皮は風邪、頭痛、関節痛に、根と種子は解熱、鎮咳に使われるそうです。


でもまあ、樹木は樹皮のすぐ下の形成層というところが一番生きている部分なので、樹皮を剥がすことは植物にとってかなり辛いことなのであまりお勧めはしません。



今日はモクレン科の植物のお話でした。




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Kigi 波多野ゆふ
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