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「はじまりに還る植物たち」



お散歩していると目に留まることの多いこのかた。

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カイヅカイブキ。


生垣などにもよく使われているため、こまめに剪定され、剪定したばかりのカイヅカイブキの側を通るととても良い香りがします。

また、雨上がりなどにも強く香ってくるような気がします。



丸い形や

こんな形に刈り込まれています。

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近づいてよく見てみると、ここの葉っぱは

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こんな感じ

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だけどさらによく見てみると、同じカイヅカイブキのなかで、こんな感じの薄い色、

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近づいてみると、ほかの場所の葉と違う、こんなトゲトゲの葉っぱを見たことはありませんか?

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トゲトゲしていて、触るとちくっと痛い葉っぱです。

これは、カイヅカイブキの中で何が起きているかというと。。


カイヅカイブキは、ヒノキ科のビャクシンという樹木の園芸品種です。


人が栽培して品種を変えた、元々は存在しなかった植物というのは、「先祖返り」といって、元の姿に戻ることがあります。


それは、切りすぎとか、水や日光不足、また年老いてくると元の姿に戻ろうとするのです。


カイヅカイブキは砂地や大気汚染の場所でも育つ強い樹木です。


強いと言われている樹木がストレスにさらされると、なんというか開き直ってくるみたいなところが面白くて、先祖返りしているカイヅカイブキの葉をつい探して、指にちくっとしたりしてしまうのです (笑)


ちなみに、野菜の話になりますが、たまに辛いシシトウってありますよね?


シシトウは、人がトウガラシを辛くないようにした栽培品種で、カイヅカイブキ同様元々存在しない植物です。


辛くないはずのシシトウがたまに辛くなるのは先祖返りしているのです。


先祖返りすると尖ったり辛くなったりっていうところが、なんかパンクの人みたくて面白いですよね。


そして、生け垣などに使われているカイヅカイブキは基本的にはいつも刈り込まれているので、刈り込まれていないカイヅカイブキって見たことがない人もいるのではないでしょうか。



刈り込まれず自然樹形のままのカイヅカイブキはこちら。


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めちゃくちゃ格好良くないですか?

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全体に炎みたいな樹形。

そして、この大きな炎は、小さな炎の集合体なのです。

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我が家の近くの公園にこの自然樹形のカイヅカイブキが植えられているのですが、近くを通るたびに「今日も格好いいね!」と心の中で話しかけています。


そして、人に剪定されて丸い感じの生け垣になっているカイヅカイブキを見るたびに、「本当はパンクなの知ってるよ」と心の中で声をかけています。


みなさんもカイヅカイブキを見かけたら、ぜひ先祖返りしている葉っぱを探してみてくださいね。

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Kigi 波多野ゆふ
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