白くない私も語ってみよう。
昨日から今日の朝にかけて、アルビノとメイクについてTwitterでリプライが飛び交った。アルビノの人にあうコスメはなかなか見つけられないからだ。アルビノ女子会とかしてコスメを披露しあってみたいと前から思っていたりする。
途中で寝落ちして起きた私は飛び交ったリプライを見て、「わかる~~」と共感しながら、「私のアルビノ以外の部分って何なんだろうな」ということを考えてみた。
私は白いことから逃れられない。白いし目が悪いし髪はミルクティーブラウンとかそんな感じの色だ。
白くない私。
当たり前だけど忘れそうなことで、私はアルビノだけで構成されてはいない。抑うつ状態やASDも構成要素に入ってくるし、病気や障害ではない部分も、私だ。
それで、白くない私を語ってみようとタイトルにつけてみた。ところが案外難しい。
何故って私が普段考えていることは「運転免許欲しいなあ」とか「視力欲しいなあ」とかで、つまりアルビノの症状に起因することばかりだ。
アルビノの色彩は好きだけど、本当に視力ばかりはなあ……と視力が治療可能でさえあればアルビノでよかった、きれいだし! と胸を張って言えたかもしれない。でも現実はそうではない。
うーん、またアルビノの話してるぞ。それ以外に話すことないのか?
ないわけじゃない、と思う。今わけあって自身のコンプレックスとかそういうものを棚卸ししているけど、アルビノ由来じゃないことも、結構ある。
アルビノ当事者だって、アルビノ以外のことを悩むし考えるのだ。
そうだ、好きなものの話をしよう。
感染列島という映画の話だ。
私はそのとき中学生だった。担任の先生が教室に置く遺伝学の一般向けの書籍を読みこんで、ウイルスとか遺伝とかそういうものに興味を持ち始めた頃。
感染列島のCMを観たとき、これは観に行かなくては! と電流が走った。正体不明の感染症、それに翻弄される人間達がそのなかで対抗策を見つけたり調査したりしていく……。
映画監督も俳優も女優も知らない、芸能事情にとてつもなく疎い中学生だったけれど、この映画はよさそうだということはよくわかった。
友達を一人誘って、結局何やかんやで母の車に乗せてもらって、映画館に行った。
結論から言うと、感染列島はとてもよかった。感染症が広まっていく病院などの医療サイドの焦りや社会の荒廃も描かれていて、決して病院や医療現場に留まらない、いい映画だった。
「国立感染症研究所の研究者になる」
というのが、その後しばらくの私の口癖だった。主題歌であったレミオロメンのCDも買った。
もう少しお金があったら円盤も買っていたと思う。そんな熱量だった。
感染症よりもiPS細胞などで眼球を作ることに魅せられたので、今現在目指している道は少し違うが、生物学を志す一つのきっかけであったことに間違いはない。
あっ、意外と白くない私を語るのもできるみたいだ。白くない私、映画とアニメと本の話ばかりしそうだけど、定期的に書いてみようかな。