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☠️DEATH☠️夏期講習、哲学とワクチン

「うわわーー!楽しェー!!」となった後に
「浮かれんなや、死ねや」と自分を自分で殴る。
すると、ああミスってたかも、、死にたいかも、、、とデスメイド大サゲなります。

どうも、デスメイド大サゲです。

美大受験に失敗して1年浪人したので夏期講習を2回受けました。地獄の夏期講習を。
ヘル⭐︎夏期講習を。
夏が嫌いな理由、たくさん考えた。本当に胸を手に当てて考えた。深く深く考えた。すると思い出した。あの夏期講習があったからだ。_________

美大受験予備校の辛さは美大受験予備校に行った人にしかわからない。美大受験予備校を知っている人と知っていない人とでは人生の意味が大きく違ってくると思う。それ程に過酷なのである。

勉強を教えて欲しい!と言うと先生は方程式や歴史、文法を教えてくれるだろう。
しかし、美大受験予備校の先生に受かる絵を教えて欲しい!と言うと美大受験予備校の先生は大きな声で笑って張り倒すのだ。ふざけんな!と怒鳴り声と同時に。
わたしはすぐに気がついた。ここが戦場だった事、そして何にも教えてくれなかったじゃあないか!とかほざいていたら死んでしまう事。

ただひたすらに描く描く描く!そっくりに描く。見たまんまに描く。感じたままに描く。描く描く描く!描くしかない。逃げれない。周りの鉛筆のサササという音に耳を塞ぎたくなる。なんでお前らはそんなに描けるん、なんでそんなに手が動くん。トイレに行く度泣きそうになって、練りゴムでネチャネチャする靴で自分の席に戻る。

夜が来ないで欲しい。夜間の生徒が扉を開け閉めする音がうるさい。夜になったら始まる、
悪魔の遊戯____「講評」
先生が角材を持った。今日も始まる、、、、。
全員が壁に自分の作品を並べる。そして壁から離れて椅子に座る。メモ帳に書いてはいけない。先生が言った言葉は考えていれば全て頭に入るはずだからという方針で。
「これ、陥没だね」優しく微笑みながら先生はわたしの絵を裏返しにする。
助手の先生もププーと口を押さえて笑う。
笑われた、屈辱。どんどん他の人の作品について先生が何か言ってる。何も頭に入ってこない。何が陥没なのかどこが陥没してるのか何も触れられず、講評は終わった。
ええええー!死にたいって死にたいって死にたい!
恥ずかしすぎるこんな思いするなら一生描きたくない!何も描きたくない!その夜わたしは鉛筆を食べた。ミシミシ鉛筆を噛んだ、泣くほど死んだ。何がダメだったのか考える暇もなく悔しくて涙が出るので明日考えようって布団に入ったけど寝れないのだ。結局クマ浮腫寝起きブスは昼の11時のバスに乗ってまたあの戦場に向かう。

授業開始の45分前には予備校に座っている。日記を書いたり画集を見たりする。鉛筆を削って先生が来るのを待つ。先生は昨日の作品の点数を発表する。名前と点数を言われなかった人はほぼ0点だと先生は言う。もちろん自分の名前は呼ばれなくてどこがダメだったのかも触れられない。でももうわたしは泣かないよないよ。今日こそ見返してやるって先生を睨みつけている。ちゃんと来る前に分析したのさ。ダメだった所、陥没の理由、笑われた理由。何度も同じこと言われて治らないから笑われたんだよ。今日こそいつもと違うことしてやる、違うとこ見してやる。今日のモチーフこそ全て!今日のモチーフを宝物にしよう。
それの繰り返し!毎日毎日描いては泣いて、時に胸ぐらを掴まれて、角材で机を叩いて目ぇ覚ませ!って怒鳴られたり、ビートルズを聴かされたり、ワクチンを打つなと言われたり。

お家に帰ると犬が尻尾を振ってくれる。足音でいつも起こしてしまって申し訳ないからそろりそろり歩いているのに犬がわたしに気づいて近づいてくれるのが嬉しくてついつい大撫でしてしまう。涙も出てくる。机の上にラップされたご飯をレンジで温めて1人のリビングでご飯を食べる。大反省会をはじめてダメだったところとか良かったところを考えて自分をある程度肯定して寝て起きたらどうせバスに乗る時間で。
また鉛筆をカッターで削って、ついでに手首も削りとっちまおうとか過るけど怖くてできなくて。
でもだんだん気付く、無意識でも超有意識でも気付いてくる。自分が何が好きでどう描きたいのかを。
それが見つかれば見つかるまでが長いんだけど、わたしの夏期講習では無理だったのだけど。それだけがわかれば、絵が好きになったような気がした。

夏、きらーーい。っていう女の子に向かって、夏期講習って知ってる?ってマウント取りたくて!
1番悔しくて暑くて不安で孤独で死にそうだったわたしの夏。

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