#010 金曜日の男
毎週金曜の夜に司と会うのがデフォルトになっていた
私「 金曜日の男だね 」
司「 他の曜日の男もいるみたいでイヤ 」
そんな会話をしたこともあった
平日休みの私と司は休みが合わない
司が仕事休んでしまぬよう
金曜の夜に時間をとることにした
いつも会うのは
ホテル エルの 306 号室
部屋に入るとWi-Fiなど
自動で繋がるレベルになっていた
ホテルに入る前に
コンビニで食事を買う
暑い日や新作が出た日はパピコも一緒に
部屋に入り食事をとりながら YouTube をみる
司にコムドットを教えてもらった
学生のような司も好きだった
そしてお風呂にお湯を張り
一緒に入る
この部屋はデラックスルーム
デラックスルームといっても
スタンダードルームとさほど値段が変わらないのが
このホテルの魅力だ
値段が変わらないにも関わらず
お風呂の広さは倍以上なのがすごい
しかもこの部屋
ベッド的なものが 2 つあり
さらに大きなソファーもある
1 つは普通のベッド
もう 1 つはフェイクレザーのような
水分を弾く素材
これだとできるプレイがさらに広がる
こういうエロがわかっているホテルは
リピートしてしまう
お風呂に入り
一緒に身体を洗い合う
そして準備をした泡風呂に入る
浴槽で 1 〜 2 時間は平気で過ごしてしまうから
あっという間に時間が過ぎる
お風呂で TV を観たり
懐メロを歌ったりもした
わたしにとって世代のミスチルのイノセントワールド
彼は YouTube で尾崎紀世彦バージョンで知ったらしい
なにそれめっちゃ気になる
そして
「 時間経っちゃったね 」
といいながら部屋に戻る
ノーマルベッドを使わずに
フェイクレザーのベッドで何度も
致してしまうことが多々あった
「 びしょびしょだね 」
そう笑いながらまたお風呂場へと向かう
こんなことを永遠に繰り返すので
いくらあっても時間は足りない
いつだって予定の時間を過ぎてしまう
「 帰らなきゃ 」
「 帰したくない 」
「 帰りたくない 」
こんな感じだ
なんだか盛りあがり過ぎて
鯨の潮のようにわたしの背後から
水分がドバッと出るのを感じたり
帰るためにシャワーを浴びて
部屋にも戻ったところを
また襲われまた致したこともあった
初回は致せなかったのはなんだったのだろう
2 回目からは嘘のように
身体の相性がバッチリだった
2 回目の金曜の夜
司から某マルチビジネスの
化粧水とボディクリームをもらった
わたしはこの世界のことを知らなかった
司がどハマりしていることも知らなかった
ただ家に帰り
もらった商品を調べ
「 司がやってるのはマルチビジネスか・・・ 、
もしかして商品売られるのかな? 」
しかし司は 1 度もわたしに商品の購入を
勧めなかったし
事業の勧誘もしなかった
それが嬉しくもあり悲しくもあった
このマルチビジネス
この後、わたしの最大のライバルとなるのであった