ID Cardを訪ねて三千里
11月になりました。10月27日(日)の深夜にサマータイムが終わって1時間早まったこともあり、最近では16時台には暗くなりつつあります。写真は駅前のラウンドアバウトがハロウィン仕様になっていた様子です。(本記事とは関係ありません。)
ID Cardとは?
National Identity Card(スウェーデン語:nationellt identitetskort)といい、日本のマイナンバーカードに当たるものです。スウェーデンにおける1年以上の居住許可があると申請することが可能で、身分証明書として幅広く使用することが可能です。
ただ、この手続きにはかなり長いステップを踏む必要があったため、順を追って紹介していきたいと思います。
※ 本記事ではアウトラインの紹介にとどめます。実際の申請にあたっては、ウェブサイト等の情報を十分にご確認ください。
Step 1 居住許可/Residence Permitを得る(出国前)
5月21日(火)オンライン申請
移民局(Migrationsverket)に対し、居住許可(Residence Permit)の申請をしました。申請自体はオンラインで行うことが可能で、ウェブサイトの指示に従って必要書類をアップロードしました。
居住許可が得られるまでに2~3ヶ月程度かかる可能性もあるとの話があり、大学からも早めに申請するように周知がなされていたため、書類が整い次第できるだけ早く申請するようにしました。
6月3日(月)パスポート確認
申請から4日後に移民局から「大使館にパスポートの原本を見せに行ってください」とのメールが来、その2日後に在東京スウェーデン大使館から日程の連絡が来ました。大使館は六本木一丁目駅近くのアーク森ビルの中にあり、パスポート確認自体は混んでおらず、すぐに終わりました。
6月5日(水)居住許可が下りた!
居住許可が下りた旨、メールで通知が来、追って紙媒体でも郵送されてきました。紙媒体は渡航の際に持参するよう、指示を受けました。
思ったよりもずっと早く許可が下り、驚きました。(★申請の時期や内容によって居住許可が下りる時間は変わることと思われるため、いずれにせよ早く申し込むにこしたことはありません。)
Step 2 Residence Permit Card
8月15日(木)スウェーデンに到着→電話番号の変更
結果的には、スウェーデンへの渡航中に居住許可の証明書の提示を求められることはありませんでした。
到着後には、到着した旨を移民局に出頭し、指紋採取等をする必要があったのですが、移民局のウェブサイトにログインしようとしたところ、利用停止した日本の携帯番号に認証コードが送られる設定になっていたため、変更しなければなりませんでした。変更自体は移民局のIT担当への電話でできましたが、メールアドレスの聞き間違い等、少し苦労しました。
8月19日(月)移民局を訪問
ベクシェーにある移民局の支所を、予約して訪問しました。簡単な手続きのみで終わりました。
8月26日(月)Residence Permit Card取得
移民局の訪問の結果、Residence Permit Cardが発行され、自宅に郵送されてきました。このResidence Permit CardはNational Identity Cardとは異なり、単に居住を証明するものに過ぎず、身分証明書として使用することはできません。
Step 3 住民登録
移民局への到着の報告は、住民登録を意味せず、別途の手続きが必要となります。住民登録は移民局(Migrationsverket)ではなく税務署(Skatteverket)に対して行うため、ここからは相手が変わります。
税務署が住民登録の手続きを行っているのは少し驚きです。
8月28日(水)税務署に住民登録
Residence Permit Cardが自宅に届き次第、税務署の予約をしようとしたのですが、その前にオンラインで必要な情報を入力しなければなりませんでした。
その後、訪問予約をしたのですが、実際に行ってみるとそこは税務署というよりは、様々な行政手続きに対応するサービスセンターのような形になっていました。そこではパスポートとResidence Permit Cardの提示が求められ、写真照合等をして終わりました。
住民登録の審査がなされて、Personal numberが発行され、郵送で通知されるとのことで、ID Cardの申請には、その郵便を受け取った後に訪問予約をしてほしいとのことでした。
9月17日(火)Personal number到着
ここで3週間程度かかりました。これをもってID Cardの申請が可能となるため、税務署の訪問予約をしました。ID Cardの発行には発行手数料400SEK(6,000円程度)がかかるとのことで、この場でオンラインで支払いました。
Step 4 ID Card申請
9月25日(水)税務署にID Card申請……のはずが
ついに最後の申請だと思い、自宅から自転車で走り始めようとしたところ、以下のメールが来ました。
仕方がないものの、申請をその日のうちに終わらせたいという「あきらめないの精神」で、2時間後の時間枠をその場で予約。そして再度向かうも
「Sorry, we can't today……」
と入口で言われてしまいました。「technical issues」がまだ解決していないとのことでした。その代わりに、次回の訪問の際には予約不要と言われましたが、「technical issues」が解決しているかわからない中で、パスポートをはじめとした重要書類を持って、申請できる可能性に賭けるのは合理的でないと考え、少し先の日程を予約しました。
10月9日(水)ID Card申請再チャレンジ
無事にID Cardを申請することができました。「あれ、支払いの記録が見当たらない……。」と言われたのですが、(支払ったのだいぶ前だし……)と思いながらも、頑張って見つけ出してもらいました。
ID Cardにはなぜか身長を書く欄があり、申請時に身長を測定されました。日本の健康診断でも社会人になってからは身長の測定がなく、ひさしぶりの測定でしたが、なんと2cm伸びていました。スウェーデン生活を通じて少し成長したようです。
10月22日(火)ID Cardの受け取り
ID Cardの準備ができた旨の通知が来たため、受け取りに行きました。この受け取りの際には訪問予約は不要でした。渡航から2ヶ月、ついにID Cardを受け取ることができました。
次回に続く……
ということで、今回はID Card入手までの流れをまとめてみました。繰り返しになりますが、本記事は私自身の経験をまとめたものに過ぎないため、実際の申請の際には、移民局や税務署等のウェブサイトをよくご確認いただくのが良いかと思います。
かなり長い道のりでしたが、振り返ってみれば、次の手続きをするために必要なものを順次手に入れていくという形が、RPGのようで少し楽しくもありました。
次回もこれに関連した話を書こうと思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。Hej då!