寒さと暗さ
God jul!! スウェーデン語で「Merry Christmas!!」という意味です。スウェーデンでは、25日のクリスマスよりも24日のクリスマス・イブに盛大なお祝いをするそうです。今日は多くのお店が休業しており、街はむしろ閑散としていました。
今回は、北欧の冬のあるある「暗さ」と「寒さ」の話をします。
暗さの話
日照時間
噂に聞いたとおり、北欧の冬は日が短いです。ベクシェーでは12月21日に冬至を迎えましたが、その日は日の出が8時36分で日の入りが15時21分。8時に起きてもまだ暗く、15時過ぎにはもう暗くなってしまいます。日中も太陽は高く昇らず、弱い光のまま沈み行きます。
最近の東京の日の入りは16時半ごろのようです。スウェーデンでは10月27日にサマータイムが終わり、時間が1時間早まりましたが、その直後の日の入りが16時半ごろでした。このサマータイムの終わりの日から、日の短い季節が始まったような感覚でした。
天気
「暗さ」と聞くと日の短さにばかり意識が行ってしまいがちですが、天気の要因もかなり大きいです。
上図は直近の天気を表したものですが、くもりや雨の日がかなり多いです。特にベクシェーはくもりや雨の日が多く、ただでさえ短い日照時間を更に短くしているといえます。
12月20日は珍しく快晴で、日中に予定もなかったので南東部のカールスクローナという町まで出かけました。綺麗な空と海でリフレッシュすることができました!
症状?
11月はぐんぐんと短くなる日の長さからか、生活リズムがやや崩れ、日中はずっと眠く、夜は寝つきにくい日々が続きました。11月末ごろから慣れてきて、最近はリズムを取り戻しています。
私自身は睡眠のリズムの崩れはあっても、日が短いことによるストレスや抑うつ的な症状をあまり感じませんでしたが、周りの友人等を見てみると、このような暮らしに慣れていない日本人であるかどうかにかかわらず、少し気分が落ち込んでいるように見えた人も少なからずいたように思います。
対策?
最もよく言われている対策は「ビタミンD剤の摂取」です。というのも、ビタミンDは紫外線を浴びることで体内で生成される栄養素だからです。加えて、大塚製薬のHPによれば、ビタミンDを多く含む食品として「きくらげ」「いわし」「かつお」「鮭」「アンコウの肝」「卵黄」が挙げられていますが、スウェーデンで比較的簡単に手に入るのは「鮭」と「卵黄」ぐらいです。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が不十分となり、健康な骨の維持に支障が出る等の影響が表れるため、しっかりと摂取していきたいところです。
また、心構えとして、スウェーデン人の方から「晴れた日は外に出ると良い」と言われました。貴重な日光をできるだけ浴びることで、健康を保つということだと思います。夜は暗いですが、クリスマスの季節にはそれぞれの家やお店が窓辺に星形や燭台型の電飾を飾っていて見ていて楽しく、「夜を楽しむ」という考え方も一つあるのではないかと思います。
寒さの話
先程のグラフのように、最近では最高気温5℃前後、最低気温0℃前後の日々が続いています。10日ほど前には気温が0℃を上回らない日もありました。北海道・札幌と同じくらいが、むしろ札幌の方が寒いぐらいではないかと思います。どこでも同じことですが、風が吹くと寒さを感じますし、自転車や電動スクーターに乗ると手先が凍ります。
なお、ベクシェーではあまり雪が降らないようです。特に今年は雪が少ないようで、これまでに少し雪の降る日がありましたが、翌日には融け、積もりませんでした。
セントラルヒーティング
部屋にはエアコンやストーブがありません。各部屋に写真のような装置があり、熱源を各装置に送ることで建物全体を暖めています。スウェーデンに限らず、寒冷地で広く採用されている暖房方式であり、家全体に温度差ができないことや火災等のリスクに対して安全であること等がメリットです。
ただ、それぞれの人に合わせた室温にすることは難しく、写真右下の器具で若干の調整はできるものの、あまり大きな温度変化は見込めません。
個人的には十分な室温で、室内着は半袖で過ごしています。
「Det finns inget dåligt väder, bara dåliga kläder」
スウェーデンを含む北欧諸国の言い回しで、「悪い天気というものはない、あるのは悪い服装だけだ」という意味です。たしかに北欧は寒いのですが、その対策になる服装は十分に入手可能であり、工夫次第で冬を乗り切っていけるように思えます。
なかなか面白い言い回しなので、日本でもこの考え方で……と思いましたが、個人的には、どう考えても夏の暑さは服装でどうにかできる問題ではないように思います。笑
暗さの山は越えた
今回紹介してきたように、「寒さ」よりも「暗さ」の方が付き合い方を考えさせられます。今日はクリスマス・イブですが、日本の農林水産省が「クリスマスにはシャケを食え」と言っているようなので、今夜は北欧料理・フィスクスッペを作ってみようと思います!