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『絶対ヒューストン行くの辞めないで』


2024年8月5日。

TIF翌日。

ついに待ち望んでいた日が来る。

=LOVE LIVE IN HOUSTON

イコラブがヒューストンで行うライブに伴う海外遠征、出発日である。


何を隠そう、私は2年前、ノイミーがヒューストンで行ったライブでこの世界の門を叩いた男なのである。

この2年間「そんな奴はいない」「頭がおかしい」と何度言われたものか。

いるんです、ここに。

(詳しくは、前回のnoteで)



遡ること、半年前。

2024年3月23日。


アリーナツアー愛知公演で、それは突如発表された。





イコラブ……ヒューストン!?
え!?

ノイミーが出ていた、同じあのAnimeMatsuri!?


正直、かなりの労力・金額を必要とする遠征であることは知っていた。
生半可な覚悟じゃ行けないこともわかっていた。



…ただ同時に、そこでしか得られない経験・絆・思い出もあることも勿論理解していた。


そして会場を出る頃には、決心していた。



一旦、チケットを購入して逃げれないようにした。





そうして決まった2度目のヒューストン遠征。

アイドル界隈未経験で、右も左も分からなかった2年前と比べて、景色はどのように変わってるのか。

自分にとって、重大なターニングポイントになるには間違いないイベントだった。




…かつてないほどの困難が待っているとは知らずに。




1日遡って、8月4日。

遠征前日。TIFも終わり、ご飯を食べながら一息ついていた頃。

ある重大なことに気づく。

「ESTA申請まだやってないわ」

ESTAとは、電子渡航認証システム。
この審査に通ってなければ、米国に行けない大変重要な申請なのである。

ESTAの有効期限は2年で、前回のESTA申請から7月末で切れたばかり。
8月に入ってから新たに申請しないといけなかったのだが、すっかり忘れていた。

「まぁ、20分〜1時間で申請下りるらしいし、ゆっくりやるか」

↑大バカ

この油断が、取り返しもつかない事態を引き起こします(そりゃそう)



8月5日。

夕方発のロサンゼルス行きの飛行機。

朝の電車で呑気にESTAを申請する自分。

専用アプリで必要事項を入力し、支払い画面に。

誤った支払い方法を選んでしまい、「戻る」ボタンを押すと、なんと審査に必要な金額を支払いできなくなってしまったのである。

アプリ上でどれだけ支払い方法を探しても出てこない。
アプリを再度立ち上げて、必要事項を記入して申請しても「申請済み」と出てしまう。

これは緊急事態。

必死にもがいた検索履歴


後払い方法を必死に模索する中で、Yahoo!知恵袋で勧められていた
ブラウザでESTAを申請できるページに辿り着く。

改めて申請し、審査を降りるのを待つだけ……そのはずだった。


審査を申請してから1時間が経過。
そして、2時間が経過。


まだ審査が降りない。


刻一刻と過ぎる時間。
近づくリミット。


永遠のように感じる時間の流れ。




ついに、締切時間が過ぎても審査が降りることはなかったのである

(審査開始から3時間)






海外遠征初手、飛行機乗り過ごし。


これまでに味わったことのない、絶望。


成田空港のチェックインカウンター前のベンチで項垂れる、自分。


2回目のアメリカ遠征が生んだ、かつてないほどの油断。


後にカードで引き落とされた金額で分かったのだが、
精巧に作られた詐欺サイトに登録してしまっていたのであった……

(ESTAはやっぱりアプリ上でしか申請できません)




ESTA申請代理店に連絡して、なんとかESTA審査は通ったものの…




8月5日、時刻は15時。

幸い、ヒューストンでのライブまで5日ほどあったので、代替策は程々にあった。

自分に必要なのは、立て直すメンタル。


先にロサンゼルスに向かった仲間、ヒューストンで会おうと誓った仲間。
そして何より、ヒューストンで待ってくれてる(未来)であろう、しょこちゃん。

”行かない”選択肢は無かった。

21時20分ハワイ経由ロサンゼルス便(20万円)を成田空港で確保し、羽田に向かう。


俺は、アメリカに、絶対に行くんだ。


志新たに、これから始まる旅に再び胸を躍らせながら、飛行機に乗る。

そのはずだった。



え…

1時間前に突然欠航…?

今並んでる、この便だよね…?



搭乗手続き中、膝から崩れ落ちた。

ありえない。

どうして……



この時に俺の心は1回、完全に音を立てて折れてしまったのである。



この時、脳裏には完全に

「ヒューストンに、行かない」

という選択肢が頭をよぎっていた。



航空券を見ても、どれも40〜50万かかるものばかり。国際線、それはそう。





1日の中で、強い絶望に2度も襲われ。

心の中で、皆に謝ってた。

ヒューストンで最高の景色を見ると誓った仲間。笙古さん。

「わりい。おれ死んだ。」

本当にそう思ってた。




そんな中、とある赤髪の………樹愛羅推しから、1通のLINEが届く。






………





2度目のスーパールフィモード突入。

そうだよ、俺には仲間がいるじゃんか。

先にロサンゼルスに向かった仲間も

ヒューストン前に飲み会をした同志も

そして何を隠そう、ヒューストンの地で会う約束をした瀧脇笙古様も。



俺をアメリカで待ってくれている、仲間がいるんだ。



ここで夢を、諦めるわけにはいかない。




意を決して開いたGoogleフライトに、

神からのプレゼントが。





翌日8月6日発、サンフランシスコ経由ロサンゼルス到着で9万!?

さっきまで無かった魔法のような航空券。



神は、まだ僕を見捨ててなかったのである。



さぁ、今度こそ準備は整った。





2度死んだ男は、早くも2度立ち上がり
再び夢を乗せた飛行機と共に、アメリカの大地へ向かうのである……









10時間の飛行を経て、サンフランシスコ航空に到着。

飛行機の中は極寒で、一睡も出来ませんでした。

絶対に上着を持っていくべきでした。





辿り着いた空港、入国審査の長蛇の列を見てとあることに気づく。


「乗り換え、間に合うわけなくない?」


到着時間がお昼12時(元々は11時30分到着の予定だった)

次の国内乗り継ぎのロサンゼルス便は、13時15分発。

30分ほどしか猶予がないのに、明らかに1時間以上はかかる見込みの人数は並んでいる。

順番を抜かすわけにもいかない。

白旗_____



まだロサンゼルスにすら辿り着いてないのに、3回も飛行機に乗れてない。


いける?

全然、いけてなくない?

いやいくしかないのだ!!


俺の心の中のルフィの冒険心が、魂を揺さぶっている。
もうアメリカに到着したのだから、進むしかないのだ。


世は、大航空時代。


今、この飛行機に乗れ!!!

もっと飛べ!急いで乗りこめ!






36時間遅れで辿り着いたロサンゼルス。



成田で生き別れた、仲間が迎えてくれた。

ロサンゼルスで待っててくれてありがとう、樹愛羅推しの2人。

本当に心配をかけたし、また会えて本当に嬉しかった。





さて、これからの旅程は。




実は、今回ヒューストンに行く前に
ドジャース(ロサンゼルス)→カブス(シカゴ)の球場を巡る予定を立てていた自分。

ただ、諸々飛行機に乗り遅れてたおかげで

ロサンゼルスでの滞在時間は、6時間ほどしか時間が無くなっていたのである(脅威)


そんな中、先述の優しい仲間達が、車で空港↔︎ドジャースタジアムまで送り届けてくれた…

夢にまで見た大谷翔平の試合を、1時間ほど見ることが出来た。


(実は2年前のロサンゼルスでも、パスポートをレンタカーに忘れて飛行機に乗れず、エンゼルスの試合に行けませんでした……)



現地で見た、メジャーリーグの歓声は”本物”で。

ベースボールという国技を心の底から楽しむ本国の人達の熱気に感銘を受けた。

「SHOHEI OTANI」のコールは、どの選手よりも湧いていて。

日本人として、誇らしかった。

本当に観に行けて良かった。


そんな感動の裏で……



球場でのお買い物中にさらっとVISAカードを失う(本当になぜ?)

飛行機で霞んで忘れてましたが、これも大事件。

持ち合わせはJCBしか無く、ほとんど使えないので

地味に旅行難易度がグッと上がった。

(こんなにポンコツだっけ……)



どこかに泊まる暇もなく、深夜便で乗り継ぐ自分。




時は8月7日。



0時30分ロサンゼルス発

6時シカゴ着のフライト。


飛行機の中で眠って気づいたらシカゴ大作戦は
極寒の機内で失敗に終わったのでした(学習しろ)



まだ呑気に、日本でプロ野球チップスを開封するしょこちゃんの配信を
シカゴ行きの飛行機内で確認。



昨季までベイスターズでエースを務めていた
今永昇太選手が今季から移籍したChicago Cubs


まさか、移籍1年目に来る機会があるとは。

本当に、海外遠征に連れてきてくれたイコラブちゃんに感謝である。



憧れのリグレー・フィールドは
シカゴのAddisonという街に密接したボールパークで。

"baseball"という文化と共生した街の構造、地域住民の方々の暮らし方に憧れすら感じました(住みたい)


ロサンゼルスでは何も食べなかったので
ここで36時間ぶりの食事。

日本で食べる朝マックと何も変わらないはずだったのですが、

世界一美味しい朝食でした。

シカゴの街に来るまで長かった……

尚、この時点で36時間睡眠をほぼ取ってないのですが、
人間、意外となんとかなってました。

(シャワーは元々取っていたホテルに1時間半ほど滞在できたのでその間に🚿)


リグレーフィールド球場周辺を練り歩く僕ですが
今までの不手際・不運を帳消しにする出来事が起こります。



なんと、球場入り前の今永選手に遭遇し
スターマンにサインを書いていただけたのです!

こんなことがあるなんて!



現地のファンからも祝福され、なぜか2Sに応じる自分。


今永選手の登板試合は前日で、数々のトラブルのおかげで見逃してしまったが、ここまで苦労してシカゴまで来て良かったと思える幸せな出来事だった。



現地で見たカブス戦。

またドジャース戦とは違った空気で。

地元の方々のカブス愛を感じた歓声・演出でした。


特に勝利した際に流れる「Go!Cubs!Go!」の球団歌の合唱は圧巻で。


この日は8-2で快勝。

この日見た景色は、絶対忘れないだろうな…


現地でも品薄だった今永選手のカブスユニも手に入れることができ、

文句のつけようがないほど最高だったシカゴ旅でした!




この時、実は現地で出会ったMLB好きの日本人男性と2人で行動しまして。
本当にたくさんのことを教えていただきました。

メジャーリーグベースボールの成り立ち、試合の運用のされ方。
リグレーフィールドの見所、穴場、仕組み。
アメリカの西部・中部・東部の文化の違い。

日本からMLBを楽しむ方法。

来週、日本で一緒にベイスターズの試合を観に行きます!

この出会いにも、感謝です。



そんなシカゴも朝6時から夜の20時ほどしか滞在できず

いよいよヒューストンへ向かう飛行機に乗るために空港へ向かいます。

ここまで3回飛行機を逃し、カードを1枚紛失。

ほぼ48時間寝ていない状態で、体は満身創痍。



でも、ヒューストンに向かえば、仲間たちが待っているんだ。

やっと、ヒューストンに辿り着けるんだ。

ヒューストンに着けば、分厚いベッドで寝れるんだ。




そう思って空港でセルフチェックインした時に、事件は起こりました。




「あなたのフライトは、3つの選択肢があります。その3つの選択肢は、係員に尋ねてください」



という見たことない搭乗券が出てきたのです。

「まただよ……」




抑えられぬ不安を胸に、係員に尋ねます。



……何を言ってるかわかりません。

Google翻訳を活用して、コミュニケーションを試みます。



「あなたは赤い立方体に行く必要があります」


海外版GANTZですか?



埒が開かないコミュニケーション。

呆れた係員から、次のように告げられます。


「あなたの飛行機は、明日の朝の便に振り替えました。朝6時にここに来てください。」


訳のわからぬまま、4回目の乗り過ごしである____




本当にどういうこと?

しかもスーツケースは既に係員に持っていかれており…

その行方を聞いてみる。




なぜか、スーツケースだけフライトの準備万端。


突如、空港で飛行機に乗る権利とスーツケースを失う僕。


どうして………



さらに、チェックインカウンターでホテルを手配いただき、タクシーで20ドルほどかけて向かうも


エントランスが鍵で閉まっており…

泣きながらまた20ドルかけて空港に戻りました…

(のちに調べると21時45分ほどに予約し、22時10分ほどに到着しましたが、チェックインは22時までだったみたいです……言ってよ……)


シカゴ時間、23時。
日本時間は、13時。


既に丸2日寝てなかった僕ですが
日本時間で仕事をしながら空港で朝まで待ちました……


鍵で閉まってるホテルのドアノブに手をかけた時は本当に絶望しましたが

これまで何度も絶望を乗り越えている、僕。

自然と、心は強くなっていました。



朝の飛行機に乗れたら、ヒューストンには到着できる。

耐えろ、耐えるんだ俺……


空港で誰と何を会話してるんだよ



8月8日。



そうして搭乗した朝8時のヒューストン行きの飛行機。

念入りに搭乗手続きを行い、飛行機に乗り。

ついに憧れの地(2回目)へと足を踏み締めたのである。





2回目とは思えない、信じられない困難を乗り越え。


ついに2年ぶりのジョージ・R・ブラウン コンベンションセンターに到着。


ヒューストンで再会した仲間達からは

「もう、来れないかと思ってた」

と労いの言葉を受け、やっと始まった #イコラブヒューストン に心から安堵したのであった。




余談:

莉沙ちゃん誕生日で、事前調査で花火専門店があることを突き止めていた俺だったが、花火専門店に到着した途端

独立記念日とNew Year's Dayの2日間しか花火が合法じゃないことを知り

泣く泣く断念……(何の話?)




(ここで、滝のように眠る)





8月9日、ライブ前日。特典会当日。




翌日、特典会のパネルでは、5周年衣装に包まれた瀧脇笙古さんの姿が。






自分の顔を見るやいなや、「よくここまで来れたな」の表情。

自分のツイートはおすすめでメンバーにも見られており、心配の声があがってたそうだ。


サイン会は、メンバー10人と1人1人話しながらサインをしてもらう形式。


👌「大変だったみたいだけど!」

🥦「ゆうちゃんの話でウチら持ちきりだったよ」

👼「ツイッター見てたよ〜」

🐈「え、ゆうちゃん!?やばい!!(何が?)」

🦑「よく来れたね。良かったね。」

🌱「無事来れて良かったね。長生きしてね。」

🍨「今永くん、マジですごい。郡司くん応援してるよ!」

💮(リリイベの時の雑談)

💄「散々だったね」

🐼「うちらがゆうちゃんを幸せにするよ」



1人1人に労ってもらって、大変筆舌に尽くし難い時間。
これだけでも苦労してヒューストンに来た甲斐があったものである。







流石に、もう何も起きないだろう。俺は幸せだ。




8月10日。ライブ当日。

そう思ってたライブ前、事件は起こったのである。




入場は1時間遅れ、22時ほどに開場。

ライブ会場はメインステージとセンターステージがあり、それまで花道で繋がっている形式。

Superpassを持っているエリアは柵で囲われ、カメコをするつもりだった自分は花道側を狙っていたので、余裕があったが……



誰も見ていないところで、突然転倒。

両手に機材を持っており、機材を庇うように右膝を強く打ってしまう。


激痛が右膝の皿を襲う。


(打撲……?)



ライブが始まる20分前、魂のツイート。

今まで様々な困難があったが

ここで負けるわけにはいかないんだ……

みなぎる決意……



そうして始まった、イコラブちゃんのヒューストンライブ。



新曲『絶対アイドル辞めないで』で開幕。




英語版『ヒロインズ』で
現地の皆様含めて大盛り上がり。





妖精衣装のハーフツインは最高に似合っていて。





主催者が、さなつんと莉沙ちゃんの誕生日をサプライズでお祝い。




アメリカでも、しょこみんは尊い。





クールな曲も、王道アイドルソングも。





最後まで、しょこちゃんが愛を振り撒いてくれたライブでした。





言うまでもなく最高で。

色々なメンバーから反応を貰えて。

メンバー全員分、撮れ高があって。



過去最高の思い出になりました。




▲ヒューストンの写真、まとめております!




ライブ前の負傷も、アドレナリンですっかり忘れていたのですが。
終わって早々、医療関係者のオタクに足を診てもらいました。


「多分、折れてますね。」


「!?」


人生で一度も骨折したことがないのに、こんなところで!?



複雑な気持ちで、ライブ後の心境を綴る。

何かを失わないと、何も得られないのか……



足を引きずりながら、皆さんの集合写真も撮影させてもらいました。

きっとご心配をおかけしたことでしょう。

鎮痛剤をくれた方も、荷物を持ってくれた方も
本当にありがとうございました……!



そうして、ホテルに戻り、余韻に浸る我々。
現地時間は既に2時。



そして僕には、もう1つだけイベントが残っていました。


ヒューストン時間朝6時、日本時間20時。

2年前、同じヒューストンの地で「初めまして」をした
蟹沢萌子さんとのイコノイジョイ2023 オンラインサイン会があったのです。

「思い出の地に、戻ってきたよ」

とエモーショナルな景色を見せてあげようかと思っていたのだけれど。


足のことで、AnimeMatsuri触れられず!!!!

蟹沢さんの優しさに触れる、意図してなかった展開のサイン会になりました…。




最終日も色々ハプニングがあったのですが、ここでは割愛。





そんなこんなで。





笙古ちゃんからは
「2回目のヒューストンでしょ!?びっくりなんだけど!!」

と目を丸くされた結果に終わった海外遠征でしたが。

そこでしか手に入れられない思い出・仲間・絆が手に入ったかと思います。



改めて、アメリカまで連れて行ってくれたイコラブちゃん達に感謝です。

一生忘れられない経験を、ありがとう。






明日は7周年コンサートということで。

ヒューストンに負けないぐらいの思い出を作れるように。

(もちろんポジティブな方)



横浜の大地で、見届けさせていただきますね。

思い出のページをたくさん増やせますように。



7周年、おめでとう。





ヒューストンの星になりかけた、スターマンより。










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