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精一杯でかっこ悪い自分|もがくことで前に踏み出せる

失恋した時、離婚した時、仕事を失った時……何かつらいことが起きた時、あなたはいったいどうやって乗り越えるだろうか?特に男性は、「男らしさ」を気にして、静かに受け入れる人も多いのではないか。女性でも「もう見苦しいからやめておきな」「前を向きな」など止められる人もいるだろう。そして、周囲も「ああはなりたくない」と冷笑する人も多いかもしれない。


それだけ愛してたという証

誰か(何か)を失った時、泣き叫んだり、すがったり……それは「見苦しい」し「無駄な努力」かもしれない。SNSにポエムを投稿しちゃうなんて普段ならやらない恥ずかしいことをする人もいるだろう。だけど、私はそういう人たちを止めもしないし、バカにする気になれない。逆に「ああはなりたくないね」と冷笑する気になんてなれない。「それだけその人(モノ)」を大切にしてきたんだと思う。

あの時は言えなかったけどという元彼からの告白

私自身も経験だと、高校生の頃に付き合ってた元カレから、10年後に告白されたことがある。振ったのは彼の方。私は諦めるまで、それこそ必死でもがいた。中島みゆきの歌ばりに「道に倒れて彼の名を」呼んだこともあった。
だけど、そこまで必死にやった私に後悔も未練も残らなかった

それから10年間、元カレはとても冷静な顔で、実家に通ってきた(親ぐるみで付き合いがあった)。だけど、何も言わない彼の気持ちは私には伝わらなかった。

10年後に「ずっと好きだったけど、ゆうはもう振り向いてくれなそうだし、結婚するね」という連絡がきた。私は別れた頃に、騒がずに冷静だった彼のことを思い出し「言わなきゃ何も伝わらない」と思った。彼に悔いは残っても、私に悔いはなかった。

精一杯でカッコ悪い自分

どんなときも、私は悔いが残らないように、精一杯にかっこ悪い自分でいる。だから、あまり物事を長く引きずることもない。「あそこまでしてダメならダメだろう」と諦めがつくからだ。

大人になるにつれ、プライドが先立ち、みな冷静に振る舞おうとする。

だけど、いいじゃない。かっこ悪い自分になったって。

いつだってそんな経験は私を強くし、前に踏み出す勇気をくれた。
笑う人は笑えばいい。その冷笑で私は傷つくほどやわじゃない。

精一杯にかっこ悪いあなたを私は「よくやった!」と言いたい。


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田口ゆう
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