【読書感想】宇宙はそんなに遠くない
宇宙は遠いものだと思っていた。人並みよりおそらくちょっと興味があるけど、宇宙飛行士やロケット追いかけるほどの情熱はない。なんでみんなそんなにも宇宙に魅力を感じ、宇宙飛行に夢をみるのだろうかと。
そんな私でも、クルードラゴンに乗り込む宇宙飛行士の姿には衝撃を受けた。
「これはSF映画か?」
スタイリッシュな宇宙服にスターウォーズのような宇宙船の内装。かっこいい。そして、世界中の注目を浴びて、宇宙に飛び立つ選ばれしこの人たちはどんなことを考え、どんな思いで宇宙へ行くのだろうか。
そんな気持ちで手に取った、宇宙飛行士の野口さんと歌手の矢野さんの対談「宇宙に行くことは地球を知ること」の野口さんの言葉が、自分の体験と重なるところがあり、宇宙と宇宙飛行士への心の距離が少し縮まった。
その体験によって、地球に帰ってからの実生活でこんなふうに役立ったとか、人格が変わったとか徳のステージが急に上がったということはありません(笑)。また、そうでなくてもいいと思います。
私は大学院の時に南極に行った。人から言われるのは、すごい体験だよね、とか、人生観とか変わったかとか。
確かになかなか行けるところではないし、貴重な体験だったと思う。でも、行った後で何か大きく変わったかと言われると、そうでもない。それが少し、もったいないことのように思っていた。また、感受性とかないんじゃないかとか。
でも、野口さんの言葉で、それでもいいんだ、と思えた。劇的に変わらなくても、自分の中で得たこと、気づいたことは、大それたことじゃないけどあるのだから。
当たり前かもしれないけど、私が南極経験から得たことに近い言葉があった。
それぞれの弱みを理解し、苦手なことは他の誰かに頼ることも必要なのです。
私は一番下っ端で、女性一人で、負けず嫌いなこともあり、必要以上に頑張っていた。力仕事も率先してやったり。でも、ある時言われたこと。「できることをやればいい。苦手なことは他のひとがやってくれる。チームなんだから。」
自分のできることを一生懸命頑張ればいい。そして、できないことは周りに頼っていい。
宇宙でも、南極だけでなく、日常の生活でも言えることで、大事なことは変わらないのだと思った。
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