ドラクエYS観てきましたのでレポというか感想みたいなモノ(前編)
・まえにかくこと
(BGM#Love song探して)
世間を賑わせている映画
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(以下YS)を観てきたので、記憶にある限り、冒頭からストーリーを追いつつの感想というかレポートを書き殴りしたいと思います。
なお、本文は筆者である北乃ゆうひ個人の感想でありレポートです。
すべての人がこの感想になるわけではありません。そして何よりこの感想を根拠とした余所への批判・批評はおやめください。
このレポートはあくまでも、おいら個人の主観でしかありません。
また台詞の引用はうろ覚えです。そんなニュアンスだった程度に受け取ってください。
あらすじ含めた全編ネタバレ フルスロットル 手加減なし
まだ観ておらず、ネタバレは困るという方はお気をつけください
また、ドラクエYSに限らず、各シリーズのネタバレや、ドラクエ以外の作品のネタバレなども出てくるかと思いますので、ご了承の上お読みください。
・まずはネタバレ0のシンプルな感想
(BGM#インテルメッツォ)
さて。世間の評価的にはクソ映画認定されているYSですが、個人的な感想としては、面白かったです。
同時に、クソでもありました。
どうしてこういう感想になるかというのは、後々書いていきますが、まぁ面白かったとは思います。
超高速ドラクエ5という言い方は間違いなく、2hでよくもまぁドラクエ5の内容をまとめられたなと感心します。
押さえるところは押さえてありますし、話のメリハリやシーンごとの展開も悪くはなかったかと思います。
反面で一般向けにしたせいか、ドラクエらしいテキスト回しはやや薄い部分はありましたが。
10点満点中で評価するなら6点くらいは付けていいと思います。
個人的にクソだと思った部分を踏まえても4点くらいあげてもいいんじゃないでしょうか。
少なくとも、1点未満っていうような極端なダメさは無いと思います。ただ、問題として――最後の最後の転調部分……ここを許せない人は、他がどれだけよくても、2点以上の点数を付けられないかもしれませんが……。
ともあれ、厳しく見ても、底辺映画扱いというのはちょっと違うと思います。個人的には他人の感想を見て、それを根拠に叩く人が多すぎるかなと思う部分も多々ありますね。
……まぁ終盤転調部分のネタバレを踏んでしまうと、自分の足で観に行く気が失せちゃう人が多いのも理解はできます。
そんなこんなで、観に行く気はないけど観た気になりたい……というニーズに応えられるかどうかはわかりませんが、シナリオのあらすじに沿ってあれこれトークでもしていきたいと思います。
ダラダラと長いだけの長文ですが、お暇でしたらお付き合いくださいませ。
・冒険の書を開きましょう
(BGM#街は生きている)
ここからが、感想――というかレポートです。
某日。
映画を観たいと思い立ったおいらは、何を観ようか考えたあげくにYSを選択。
「えー……ジオウか天気の子にしないの?」
という嫁さんの言葉に、心がグラつくものの、やっぱり世間の評価が余りにも悪評に傾きすぎてるYSを自分の目で確かめたいという想いもあって、これに決定。
いやまぁグラつきまくったよ?
バランス崩れかけてるジェンガの妙に堅くて取りづらいブロックを強引に取って何とか倒れずに済んだ時くらいにはね、グラついた。
でもまぁほら。崩れなかったから。仕方ないよね。YSにしたのも。
いっそ崩れてくれても良かったかもしれないけどまぁ観るコトになったよね。
そんなジェンガブロック攻撃をしてきた嫁さんに、おいらは一応独りで観るから無理しないでいいよと言ったんだけど、彼女も彼女で一人でお茶してるくらいなら一緒に観る――というコトで、二人で映画館へ。
ちなみに、おいらも嫁さんもドラクエシリーズは一通りプレイしてます。
何周もしてる作品もあるし、新機種でリメイクされる度に買ったりもしてる程度には、ドラクエ好きだと思います。
ドラクエに限らずゲーム全般が好きなので、いわゆるオタク夫婦って奴です。
ふんわりとした評価などはTwitter等で見かけている為、個人的には心構えはありました。
嫁さんもまぁ多少はあったかと思います。
いつもの映画館でチケットを購入し、時間になったのホールへ。
中に入ると、意外にも親子連れが多い印象。
小学生くらいの子かな?
時間まではスマホいじって暇つぶし。
YS観るって呟いたら、やたらとFav&RTがついたのはなんでだ?
そして、みんなからグッドラックとか感想よろしくとかリプをもらう。
……そんなワケで、見終わった後でポメラ開いてこれを書いてるワケなんですけどね。
Twitterでネタバレ考慮しながらアレコレ呟くくらいなら、ここにガッツリ書いてやるぜ、的な?
そわそわしてるちびっ子たちが親御さんとお話ししてる声をBGMに、おいらと嫁さんはスマホで時間を潰すのでした。
・暗転……そしてはじまり
(BGM#地平の彼方へ)
始まりは、FC風ドット文字。
黒背景・白枠にひらがなのアレですね。
この部分にDQ5は初出SFCだろというツッコミが良く入ってるのを見ましたが、個人的にはその辺りのツッコミは折り込み済みの演出に見えました。
だって、この後に、少年時代のダイジェストが入るんだもの。
懐かしのSFC映像で、主人公の生誕→パパスとの旅を一気に。
ところでSFC版でサンタローズ南の港で船を降りるときにフローラとやりとりするシーンってあったっけ? なかったよね?
ってコトは、ここのドット絵ロリフローラ書き下ろし??
なんて感じでSFC画面と映画3D映像をリンクさせながらのダイジェスト。
ビアンカとレヌール城いって、ドラゴンオーブをゲット。
……って、ドラゴンオーブ??って首を傾げているうちに、ベビーパンサーに名前を付けようってコトでゲレゲレになります。
ゲレゲレの毛のふさふさ具合は愛らしくて、正直撫でたい。
なんか完全に雪国ムーブしてるサンタローズ……の、町外れのぽつんと一軒家に、パパスとサンチョと主人公リュカとゲレゲレが過ごしてるシーンから、本編。
ところでキャラデザなんですけどね。
まぁ鳥山ちっくさが無いのはやっぱり気になるし、
動きもドラクエ9~11のムービーシーンで見る動きと比べるとコミカルさというか、ジブリっぽさというか、そういうのを多量に含んでる感じで、なんか違う感もありますけど、個人的にはすぐに慣れました。
ようはアレです。
鳥山絵とだいぶ違うタッチの人のコミカライズとか、アンソロコミック内の絵とストーリーのうまい人の感じだと思えば。
閑話休題。本題にもどろう!
さてこの主人公のハウス……どのくらいぽつんと一軒家してるかっていうと、グーグルアースで確認すると、村はずれの雪深い場所に寂れた小屋が……あれは一体?
ってノリで番組30分作れるくらいには、雪深い場所にぽつんと一軒家してるんだよね。
どーしてこんなところに家を建てたのでしょう?
みたいなインタビューをパパスやサンチョにしたら、いきなり割り込むようにどこからともなくプサンが現れて、
「まぁサンタローズの町の作画コストの削減かな? 後半壊れるし、崩壊した町の作画も大変だしね」
とか、言ってくれるハズです。
……なんでプサン?と疑問に思うかもしれませんが、なんかYSのプサンはメタネタ許されてる系キャラっぽいからです。その辺りは、中盤以降で。
まぁそんなぽつんと一軒家はさておいて。
そんな自宅の庭(?)でリュカがゲレゲレと一緒に雪で戯れてると、道に迷ったという謎の青年に声を掛けられて、
「きみ、なんか素敵なオーブを持ってるね」
なんて言われるシーン。
原作知ってると、「お、キタキタ!」ってなるよね。
パパスにリュカが呼ばれた時に、口元しか移らない謎の青年の微妙な間とか、わりとこだわってた感じはするかな。
そして、この辺りから妙にスライムが画面の端なんかにチラチラと映りだす。
正式加入前にあちこちに出現する感じは、ウォーリーを探せ。
もはやあいつはスラリンじゃなくてウォーリーなんじゃないかってくらいチマチマと画面のどこかにいる。
赤と白のしましま帽子はどこの国に忘れてきたのかしら?
なんて感じで可愛いスライムを目で追っているうちにあっという間にラインハットに到着。
生意気かわいいヘンリー王子との遭遇。
こっそり城を抜け出すヘンリーと、それを追いかける護衛のトムを追って外へとやってきたリュカ。
出会いと挨拶のあとで、「お前を蝋人形にしてやろうか!」
……違った。失礼。
「お前を子分にしてやろう」という名台詞?を口にして、リュカが困っていたところに空飛ぶモンスター強襲。
トムは吹き飛ばされ、ヘンリーは誘拐されてしまう!
それを見たリュカは慌ててパパスを呼びに走り……画面暗転――
――からの暗転明けると、どこかの洞窟でパパスvsジャミ&ゴンズ戦、勃発中。
……待て。何が起きた?
救出劇はどうした? いや、いるぞ? ヘンリーはすでにリュカと一緒にいる……! ゲレゲレ含めて倒れている……!
パパスが、倒れたリュカとヘンリーとゲレゲレをかばっている!
救出は……すでに終わっていた!
時間が飛んだぞ! これはスタンド攻撃だ! ボスがどこかでキングクリムゾンの能力を使ったぞォォォォォ――……ッッッ!
……失礼取り乱しました。あと、ここのボスはゲマでした。謹んでお詫びを申し上げます。
めっちゃふざけてますけど、ここのバトルシーンは結構好きです。パパスかっこいい!
ゲマが登場すると不思議パワーで倒れてるリュカたちが浮かび上がって向こうの手の中に。
(BGM#高貴なるレクイエム)
ジャミとゴンズにボコボコにされながらも「目を覚ませ、リュカ!」と呼びかけ続けるシーンは、映像化したコトでシンドみ増し増し。
そしてリュカは目をさました時にはパパスが倒れていて、リュカが呼びかけるとゆっくりと身体を起こし何かを言い掛けるパパスに向かって、ゲマはメラゾーマを唱えて――
名シーンがきますよ……さぁみなさんご一緒に!
『ぬわ――――っっ!!』
黒こげになって息も絶え絶えに「お前の……母は……」と口にして、力尽きるシーンは、やっぱシンドみありますよね。
それはそれとして、絶叫OK上映とかあったら、このシーンは絶対みんなで叫ぶよね?
・そんなこんなで ご存じ、奴隷落ち。
(BGM#洞窟に魔物の影が)
リュカとヘンリーは細身で顔もいいから、持て余したほかの奴隷にケツ狙われないのかな?とか思ったりもしましたが、考えてみればそういうネタは原作当初からどう考えても妄想されてただろうから、今更ですね。
さてさて尺の都合上、ヘンリーの嫁候補さんの存在はオミットされてますが、まぁそこは仕方ないです。
リュカの旅にだけ焦点あてるなら、寄り道ですしね。
そんなワケでそこそこ親切な別の奴隷が「死んだら樽に詰められて外へ捨てられるから、死ねば出れるぞ」なんて親切に教えてくれたので、リュカとヘンリーは脱出するわけです。
顔や全身にうんこ塗りたくって。うんこ塗りたくって。
大事なコトだから二回言ってみた。
まぁうんこはともかくね。塗りたくってはいたけど。
死体のフリするけど限界があるから、念には念を入れて肥溜めっぽいとこからすくい取ったうんこ塗りたくってたけど。
うんこの話していると、先に進まないからうんこ塗りたくった話はちょっと脇へ置きますね。
……誰だッ! 今スカトロって言っただろ!? まさにクソシーンだって! え? おいらの聞き間違い? それは大変申し訳ない。
あと、クソシーンではあるけど、クソまみれになるシーンであって、クソなシーンじゃないからね。ここ。
真のクソなシーンは後半に出てくるのでお楽しみに。
後半が真のクソなら、ここは偽のクソみたいな感じ。勇気の石碑とかないから、行き来は不可能なんだけど。
こほん。では気を取り直しまして――
そうしてうんこ塗りたくったおかげで、微妙に怪しい死体二つも、とっとと捨てようってなって、まぁ死体捨て業務に従事してるのがオークたちだったんで、まぁ鼻が良かったんでしょう。
うんこ塗りたくられた死体が二つ入った樽をすっげー顔しながら、蹴り飛ばします。
うんこ塗りたくった話ばっかりしてて情報が全然足りてない気がするんですけど、とにかくそのリュカにうんこ塗りたくられたヘンリー王子なんですけどね。
うんこ塗りたくられる前から、ちょっとおいらとは解釈違いがひどいんですよね。
うんこ塗りたくられた後も、解釈違いは続くんですけど。
いやまぁ奴隷編開始時点から解釈違い感強かったんで、うんこ塗られようがうんこ塗られまいが関係なく、ちょっと解釈違いなんだけれども。
でね。うんこ塗りたくられたヘンリーなんだけども、こいつね。
なんでか、奴隷編になっても自分のことを「余」とか「我」とかなのね。
……長いこと奴隷やっているのに、王子様ムーブが消えてないの。
自分の中のイメージは、うんこ塗りたくられていてもうんこ塗りたくられていなくても、主人公にと悪態つきあうというか軽口付き合うというか、そんな感じの面倒見の良い不良ムーブちっくというか、口の悪いイケメンというか、そういう方向になっていってるイメージあるわけでね。
なんでこのうんこ塗りたくられたヘンリーは、少年期を奴隷として過ごしてるのに高貴なる者ムーブが消え失せてないのか……。
いやまぁうんこ塗りたくられても消えない王気があったのだろうか……とも思うだけど、微妙。
このうんこ塗りたくられたヘンリーの王子ムーブがどうにも、違和感を拭えなかったんですよねー。
顔のうんこは海に落ちた時に拭えてたんだけど。
・脱出に成功したあとは?
(BGM#木洩れ日の中で)
さて、ここからは、がっつりと映画のオリジナル展開になります。
ところで、イメージBGMが急に6になったのは何故かって?
実はYS……使用されているBGMが5以外のものも結構使われてます。
それはさておくとして――
タルで流れ着いた町それはオラクルベリー――ではなく、神殿のある山の麓に町があるんです。
原作のオラクルベリーと違って、滝から落ちて少し海を漂って到着です。
正しくは滝から落ちて山の途中で……まぁ別に対したシーンじゃないんでいいです。
ドラクエらしい雰囲気とは別に、どことなくジブリっぽさを感じたシーンではあったかな。
……というかYSではちょいちょいあったんですよね。
ドラクエというかジブリじゃね? みたいなシーン。ここ含めて。
たぶんドラクエの文法に乗らない一般向け描写が結果としてジブリっぽくなってたのかもしれない。
まぁともかくですよ。
塗りたくったうんこが海の中で流れ落ちたリュカとヘンリーは、酒場のマスターに助けてもらいます。
二人を助けてくれたおじいさんは、その町に潜入し、酒場のマスターをやりながら密かに町や神殿の様子を伺っていると言う人で、プサンと名乗ります。
そう。プサンです。
原作と違って、無駄に云年も壊れたループトロッコでぐるぐる回ってる情けない男ではなく、ちょっとお茶目で親切な酒場のおじいさんマスターとして登場です。
もちろん、終盤に正体が判明しますが原作プレイ済みなら隠す必要がなく、間違いなくマスタードラゴンです。
今更だけど延々とトロッコがループし続けてる原作のあのシーン……何で長期に止まらずいたんでしょうね? いくらなんでも途中で慣性消えそうだよね……っていう今更な話はさておきまっしょい。
プサンは二人にご飯をごちそうするついでに、封印されたミルドラースの復活こそがゲマの目的だと語り、そして天空の剣が、魔界の入り口を封じる力がある話なんかを聞かせてくれます。
実は、YS冒頭の語りの時点で、ほかの天空セットの存在はオミットされてて剣だけになってるんですけど、まぁ些細な話です。はい。
そしてプサンのお店にやってくる商人の力を借りて、リュカとヘンリーは神殿の麓の町を脱出。
脱出からは無事にラインハットに到着するまでは省略されて、あっという間にお別れシーン。
ここで王子らしいツンデレムーブというか素直じゃないひねくれムーブかましてくれる、脱出の時うんこ塗りたくられてたヘンリー。
素直にお礼がいえない王族ムーブはまだまだ続く。
解釈違いが著しくて若干しんどいシーンではあるものの、
「お前に何かあったら言ってほしい。余は絶対に駆けつけてみせる」
という発言は、やっぱり友人ムーブとしてはグッとくるよね。
いやまぁ王子様ムーブで言われてる感じの解釈違いはシンドいんだけど。
元うんこ塗りたくられてた王子と、元自分にうんこ塗りたくったリュカの二人が友情のハグしてるシーンは、原作を意識の外に置いて見るなら悪いシーンではなかったのですよ?
こうして、うんこ塗りたくりあった二人は別れ、リュカはサンタローズを目指すのでした。
ついでにうんこ塗りたくるネタともそろそろ別れようと思います。
・信じられるかい?
ここまでプロローグだったんだぜ
(BGM#地平の彼方へ)
サンタローズの、もはや立て付けしっかりしてるだけの廃屋もどきのようなぽつんと一軒家に戻ってきたリュカは、ちょっとしたドジからパパスの隠し部屋を見つけ、日記を発見。
ついでにそこへサンチョも戻ってきて、生きてたリュカを観てうれし泣き。
パパスの日記や、サンチョの「坊ちゃんの目を見ればわかる」みたいな発言から、自分が勇者なのではという期待をかけられ……
まぁ最初はちょっと拗ねた感じで不貞寝して。
でも翌日には――
「勇者にしか鞘から抜けない天空の剣ってどこにあるの?」
「サラボナのルブランって人が見つけたという連絡をもらってます」
「実在するのかよ!!」
ってなノリで、剣を探す旅をせざるえないと感じ……
「わかったよ! 旅に出ればいいんだろ!」
とばかりに、サンチョから受け取ったパパスの剣を背負って旅立つのでした……
ところでこのシーン。
原作のサンチョだと旅立ちを見守るよりも、勇者であるコトを焚き付けるよりも、「命を賭けてぼっちゃんを守りますぞ~!!」みたいなコトしそうだと思うので、そういう意味だとサンチョも微妙に解釈違い。
まぁ解釈違いダメージとしてはヘンリーがトップなので、軽傷軽傷。
(BGM#序曲)
そうしてここでお馴染みのファンファーレからの音楽スタート。
ここからのシーンは、先日の千と千尋の神隠しのあとで流れた映像になるんですけれども……
メタルスライムに囲まれてがんばって殴るも、最終的に上からキングスライム落ちてきて潰されるシーンとか結構好きです。
このシーンでは、近くの席に座っていたお子さまも笑ってました。
ところで、パパスと旅をしていた頃からそうなんですけど、YSのモンスターって、黒いモヤのようになって消えるんですよね。
今までのメディアミックス作品だと、ふつうに死体になってることが多いんですけど。
しかもこの黒いモヤ演出……
シリーズの9、10、11をプレイしたことがある人は「おや?」ってなるかもしれませんけど、そっくりなんですよね。イベントモンスターを倒した時の演出に。
――で、事前にちょっとだけネタバレ踏んでいたので、これも伏線の一環なのかなーと思ったりもしたりして。
もしこれが、終盤の展開の為の伏線の一つなのだとしたら、おいら的には言えるコトが一つしかなくてですね……
「わかりづれぇよ!! わかりづらすぎる!!」
……な、わけなんですけど。
そんでまぁ、序幕の流れる中で、スラリンと出会ってゲレゲレと再会して、序幕が終わる頃にはサラボナ到着です。
神速ドラクエVの名は伊達じゃない!
神速メラガイヤーや神速ドルマドンと、どっちの速度が速いのか気になるところである……。
・おやサラボナの様子が
(BGM#街は生きている)
サンタローズもそうなんですけど、サラボナも原作の町並みと似ても似つかない感じを気にしちゃう人は結構シンドいかもですけど、個人的には映像化するにあたって、こう解釈された町だと納得してます。
なんかわりと町のあちこちがダメージ受けまくってるのは、ブオーンせいってコトらしいです。
主人公的にはブオーン倒すのなってムリムリムリムリカタツムリってな感じで、とっととルドマンに面会して帰ろうってなモンなんですが……それでいいのか、主人公……みたいなところはあるんだけれども。
当然、こんなタイミングで冒険者が屋敷を訪ねれば勘違いされるのも当たり前なんだけど、そこへフローラ登場。
リュカの生存にめっちゃ喜んでくれてて、リュカもなんかテレテレで初々しいラブコメ始める二人。
ブオーン倒せば嫁に出すとか言ってるルドマンである。
……若干、ルドマンも原作より傲慢さが見え隠れする感じは解釈違い感あるけど、ヘンリーほどじゃあないのでよし。
ラブコメついでに……フローラとリュカってば
ブオーン退治に言ってほしくない→僕のことイヤだった?→むしろ怪我しないでほしい→え?→嫌いじゃないから怪我してほしくないんです
みたいなやつ。もー! 二人して赤くなりながらベタなコトしやがって! みたいなコトやった後、浮かれたリュカがルドマンに挨拶して、ついでに天空の剣を受け取ろうとしたら、ブオーンに盗まれてるのが判明して、やむを得ずにブオーンのねぐらへ突入するコトになる。
戦闘描写一切無く、真っ黒焦げになったリュカとゲレゲレとスラリンが町へ戻ってくると、三人を治療してくれる人が。
ところでこの治療シーン。
薬草――攻略本とかで描かれる、草に包まれたものがそのまま、リュカの口の中に放り込まれて傷が癒えるんですよね。
何となく受け入れちゃうとふつうに見えるけど、終盤の展開を知った上で思い返すと、とんでも治癒なんだよねぇ……。
身体が光って一瞬で傷どころか焦げた服も治ってく感じとか……。
ともあれ、その薬草を口の中に放り込んだのは金髪の女性。
そう――みなさんお待たせしまちたとばかりのビアンカである。
・ようやくのビアンカ登場
想定よりも勝ち気で強気で、やっぱり微妙に解釈違い感あるけど、これはこれで悪くない。
ヘンリーほどズレてるわけでもないし、嫌いじゃない感じなので、問題はない。
「私のこと覚えてないの?」
って感じで幼なじみムーブ全開である。
言動や行動も含めて、強気で口うるさい幼なじみのテンプレ味がめちゃ強い。
リュカはしばらく訝しんでるのに、ゲレゲレが真っ先に気がついて、すぐにビアンカの足にすりよってくところ好き。
そうだよね。ゲレゲレはビアンカ好きじゃないとダメだよね。
よいよよいよー! ゲレゲレかわいいー!
それはそれとして、ビアンカがリュカに対して名乗った時、聞き耳立ててた周囲の人の反応がちょっと面白かった。
「ビアンカ……?」
「聞いた事あるぞ。すごい魔導師だって」
「ベギラゴンとか使えるらしい」
ビアンカが魔導師っていうのも気になるんだけど、それ以上に……
「ベギラゴンとか使えるらしい」ですよ。気になるのは。
すごいのか、それは。
世界的にすごいのだろう。
でもベギラゴンである。
名前と演出は派手なんだけど、威力もイマイチだし範囲もグループだったりで使い勝手問題で、イオナズンやメラゾーマにシリーズ通して押され気味で、いまいち影の薄い気がするベギラゴンである。
シリーズによっては、ギラ系そのものがオミットされちゃう不遇の呪文系統の上級呪文であるベギラゴンだ。
使えると自慢できたり、尊敬されたりする呪文のようだ。
……考えてみると、ギラ系上級呪文なんだから、すごいのは間違いないんだろうけど。
なんか、すごい些細なシーンなんだけど、ベギラゴン使えるコトを讃えるモブのセリフがすげー印象に残ってる系男子ことおいらである。
これ以上調子にのってギラ弄りしてると、ギラ系大好きファンからギラ系をバカにするなと、ギラグレイドが飛んで来そうなので、この辺にしておきます。
ともあれ、ビアンカがパーティに加わったことで、彼女はリュカの尻を蹴り上げて、再びブオーンのねぐらへ。
ビアンカもリュカが勇者という噂を聞いてるし、リュカの目をのぞき込んでその目をしてるなら信じられるとか言い出す。
そうして始まるVSブオーン。
リュカが泣き言を叫びながら、ブオーンの気を引き、ビアンカ・ゲレゲレ・スラリンが、ねぐらの中にある天空の剣を探すことに。
ちょっと情けないリュカだけど、それでもバギマをうまく使って、逃げ回る。
……そうバギマだ。
風属性の呪文であるバギ系の中級呪文バギマだ。
ここでの活躍が、YSにおけるバギマ伝説のはじまりだ。
初級のバギ、上級のバギクロス、超級のバギムーチョをおさえ、YSでもっとも活躍する最強呪文と名高い呪文が、このバギマなのである。
つーか、バギとバギムーチョに出番などない。残念なことに。
まぁ、系統が一文字も出番がなかったイオ系を思えば、バギマが大活躍知ってるだけ、バギ系は恵まれているのだろう。
ドルマ系?
5をベースにしてるYSに出番があるわけないだろう。存在そのものすらないはずだ。残念ながら。
……あ、ごめん。ここまで書いてて気づいた。
素でヒャド系の存在を忘れて……あれ? そういえば……ホイミ系の出番もまったくなかったような……???
……閑話休題。ブオーン戦に戻ろう。
たとえ氷と爆風がおいらを襲おうと、気にせず先に進むのである。
握りしめられたところをバギマで脱出。
続けて、ブオーンの顔面にバギマをぶつけてダメージ。
怯んだところで、剣を見つけたビアンカと合流して、リュカはその剣に手を掛け――
(BGM#序幕)
流れ出したファンファーレ。
高まるビアンカとゲレゲレの期待。
さらに近くの席の男の子も、固唾をのんで見守る。
迫り来るブオーン。
カッコを付けて、その剣に抜き放とうとして……………
しかし、リュカには抜けなかった!
(BGM#ずっこけモンスター)
……まぁ知ってた。
うん。原作を知ってるなら、リュカが抜けないのは想定済みである。
でも、抜けなくてみんなが愕然とする中、情けないメロディーでフェードアウトしてく序幕の演出は好き。
(BGM#不死身の敵に挑む)
ゲレゲレに乗ったリュカとビアンカが慌てて外に飛び出して、ブオーンと追いかけっこ開始。
ブオーンの吐き出す炎にベギラゴンをぶつけて相殺するビアンカがカッコいい。
「リュカ! あなた天空の勇者じゃなかったの!?」
「みんなが勝手に期待して盛り上がってたんだろう!?」
それな! あとビアンカもリュカの目を見て何か言ってたよね??
まぁリュカも調子乗ってたけど、周りが囃し立ててたのは確かだ。
そして結構、迫力ある映像での追いかけっこの途中、リュカはブオーンの顔にバギマぶつけたときの光景を思い出し、一つ作戦を閃く。
ブオーンの隙を付き、伝説の呪文であるバギマをその羽にぶつけて穴を開け墜落させる。
さすがは伝説の呪文バギマ。ブオーンの羽に直撃させるだけで、墜落させることができる最強の呪文だ。
墜落したブオーンの額の瞳に剣を突きつけ、「死ぬか、従うか」と迫ると、ブオーンは「おで、まだ死にたくない」とリュカの軍門に下るのだった。
少なくとも、ブオーン討伐までは不穏な空気も特になく、超神速ドラクエ5って感じなんですよねー……
だから余計タチが悪いと言うか……
なにはともあれ――
とりあえず前編はここまで 後半に続きます
後半はそのうちアップ予定。もうしばらくお待ち下さい。