ドラクエYS観てきましたのでレポというか感想みたいなモノ(中編)


 ……前後編に分けると言ったな……あれは嘘だ……
 長すぎて、さらに分割するコトになってしまった……


・まえにかくこと

(BGM#Love song探して)

 世間を賑わせている映画
 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(以下YS)を観てきたので、記憶にある限り、冒頭からストーリーを追いつつの感想というかレポートを書き殴りしたいと思いったやつの中編です。


 なお、本文は筆者である北乃ゆうひ個人の感想でありレポートです。
 すべての人がこの感想になるわけではありません。そして何よりこの感想を根拠とした余所への批判・批評はおやめください
 このレポートはあくまでも、おいら個人の主観でしかありません。
 また台詞の引用はうろ覚えです。そんなニュアンスだった程度に受け取ってください。


 あらすじ含めた全編ネタバレ フルスロットル 手加減なし
 まだ観ておらず、ネタバレは困るという方はお気をつけください

 また、ドラクエYSに限らず、各シリーズのネタバレや、ドラクエ以外の作品のネタバレなども出てくるかと思いますので、ご了承の上、お読みください

 なおこちらは中編です。
 前編をまだお読みでない場合は、先にそちらをお読みください。


・凱旋してからプロポーズ

(BGM#木洩れ日の中で)

 なんか妙にダメージをおった様子でサラボナへと戻ってくるリュカたち。
 そこまで火炎攻撃が直撃した様子はなかったけれど、煤けてる感じ。まぁ激闘であったことは間違いないので気にしない気にしない。

「やったわね! すごいわリュカ!」
「ビアンカがいたからだよ! 僕一人じゃムリだった。さすがビアンカ! 昔から僕の背中を任せられるのは君だけだよ!」

 帰路でのこのやりとり好きです。
 こういうところでグッとこさせて、作品世界に引き込んでおいて……いやまだその話をするのは早いな。終盤のお楽しみだ。

 さておき。
 町に人に「さすが天空の勇者」的なノリで讃えられて何とも言えない顔しているリュカに、
「逆に勇者じゃないのにブオーンを倒して手なづけたんでしょ?それってすごくない?」
 って言うビアンカわりと好き。

 自分の中のビアンカ像とはちょっとズレてはいるんだけど、ちゃんと可愛いし良い女なので、YSのビアンカも好きです。

 少し離れた場所で一息ついて、
「ルドマンさんからはなにをもらうって話なの? 何ゴールド?」
 なんて割と現実的な質問に、赤くなりながらフローラの話をするリュカ。

 素直に「すごいじゃない!」って素直に賞賛できるビアンカはマジ良い女。
「女の子は男の子に言ってもらいたいモンなんだから! すぐにプロポーズしにいきなさい!」

 なんて、尻を蹴飛ばす世話焼き姉さん。
 そのままルドマンの屋敷までついてきて影からリュカの様子を伺うところまで、なんか完璧な世話焼き姉さん感ある。

「無事にクエストから戻ってきてくれて良かった……」
「うん、まぁなんとか」

 ……ここのフローラとのやりとり、会話だけ聞く分にはスルーしそうになるけど、『クエスト』ってフレーズに強烈な違和感を覚えたのはおいらだけかしら。

 急に使われだしたんだよな。ここで。
 ここまでは、ルドマンからの依頼とか、冒険者へのお願いとかそういうフレーズだったのに。

 何で急にクエスト達成とか言い出すの。なんなの?
 みたいな猛烈な違和感があるわけですよ。

 それはもうさながら、竹藪の中の光る竹。
 もうなんていうか刈り取るしかないって違和感。その光る竹を切り取るとうんこ塗りたくられたヘンリーが出てくるわけなんですけれど。

 話を戻そう。
 このネタでいつまでも与太れそうだし。

 ともあれ、フローラの前でいつまでも煮えきられリュカに痺れを切らしたビアンカは物陰から飛び出し、リュカの首根っこ捕まえて物陰へ引きずりこんでお説教。
 ……こう漫画的には古典表現レベルのネタだけど、ここの感じ悪くないんだよな。
 使い古されたテンプレもちゃんと使えば面白いという一幕な気がする。

 今度こそちゃんとやれ!って物陰から蹴り出されるリュカに、フローラが今のは?
 って訊ねられて、「一緒にブオーン倒した仲間で、昔から背中を任せられるやつっていうか……」ってリュカがしどろもどろ答える時のフローラの顔とか、芸細かいとは思う。

 要所要所で仕事が丁寧よねYS。

 そのあとバッチシ、プロポーズを口にしたのを見届けたビアンカが物陰からこっそり姿を消して、暗転。

 そのまま夜になってビアンカが酒場でめっちゃ飲んでるところにリュカが戻ってきて、絡み酒。
 それを何とかスルーして、二階の宿へ。

 階段を上ってくリュカの背中に涙目で「ばか……」とか呟くヒロインムーブ。

「めっちゃくちゃ酒豪になってるじゃねーか」

 なんて呟きながらも、絡んできたビアンカのことが何だか気になるリュカ。

 尺の都合もあって、三角関係と葛藤も超神速なんだけど、この速度とこの尺で良くもまぁここまで描けると、個人的には感心してました。

 宿の部屋に入ろうとすると、謎の占いオババが隣の部屋から顔を出し、いきなり迫ってくる。

「おぬし……本当にそれでいいのか? その幸せは本心か?
 その目――どうやら迷っているようじゃぞ。おぬし本人も気づかないくらい心の奥でな」

 とか何とか言って、強引に怪しいピンク色の液体入りの小瓶を渡してくるオババ。
 それを飲めば、己の本心と向き合える――とか言われて押しつけられ、困惑するリュカ。

 ぶっちゃけ小瓶の見た目は、FGOの「愛の霊薬」。
 つまり口にしたら最後、占いオババとのめくるめく愛の劇場が幕を開ける! みたいなことを考えましたが、そんな展開はありませんでした。

 ……まぁあとのコトを考えるとオババルートも悪くはないのかもしれないけれど。

 とまれ、なんだか眠れないリュカは、「わかったよ! わかった! 飲めばいいんだろ! どうせ何の効果もないだろうしな!」とか、誰かに言い訳しながらそれを飲み、一瞬で夢の中へ――

 眠りについたリュカは自分の深層心理の世界へ入り込み……


・この辺りから違和感が増えてくる

(BGM#聖~ひじり~)

 心理の海へと沈む描写。
 初見時はなにも思わなかったこの心理世界を沈んでいく描写。
 全部見たあとだと、明確に伏線だったと気が付くんですよね……。

 どこかデジタルワールド(デジモン)を思わせる空間なんだもの。

 「フローラ」「フローラ」って延々聞こえるリュカの呟きの中を降りていくと、黒壁白枠白文字のいつものテキストスペースに「じこあんじ」の文字。

 一見すると、ドラクエらしさの表現のようで、完全に伏線という――ある意味でお手本のような綺麗な伏線を見せてくれました。
 回収された瞬間に暴れ出す人が多発したやつではありますが……。

 「じこあんじ」と描かれたテキストスペースを通り過ぎると、「フローラ」と呟くリュカの声は聞こえなくなり、徐々に周囲は暗くなっていく。

 底の方には「ほんとうのこころ」と書かれたテキストスペースがあり、それにふれると、小さく「ビアンカ」という声が。

 そこで目を覚ましたリュカは、思わず大声を上げ、一緒に寝ているゲレゲレとスラリンからめっちゃ迷惑そうな目を向けられて「何でもない! 何でもない! 何かあってたまるか!」みたいなテンパりを見せて……。

 ベッタベタやなぁ……と思いはするものの、公式映像となるとやっぱりビアンカじゃないとなぁ……みたいなところはあるよね。

 ビアフロ論争は好きなだけやれば良いと思う反面で、公式メディアミックスとなった場合、基本ベースはビアンカであって欲しいなと思うところがあります。

 これに関してはSFC版のフローラが、子供心にポッと出感を覚えたのが原因だと思うけど。

 まぁ最近のフローラは、幼少期に出会うようになったりと改変されてきて、その辺は解消されてきてるので、まぁ良いかな……。

でも子供は金髪がいいんだい!(余計な火種を投げるな


 ともあれ、自分の気持ちに強引に気づかされたリュカは、翌朝ルドマンに詫びに行き、天空の剣も返却すると言うものの……

「それは持って行け。あと神殿の麓の町にはマスタードラゴンが人間のフリをして生活してるらしい。君のコトは大嫌いだが世界が滅んでほしいワケではない」

 プンプンと怒りながらも、いろいろアドバイスしてくれるルドマン氏。
 やや傲慢な金持ち的解釈のされてるYSルドマンも、何のかんのと根っこはめっちゃ良い人なんだろうなぁ……と感じさせる一幕。

「家とフローラの名誉の為に、君は私の逆鱗に触れたというコトにしておくぞ。だからこそ、今すぐ町を出て行け」

 強い口調で言うけど、これって何気なくリュカ側の名誉も守ってくれてるんだよなぁ……。

 リュカは、フローラを傷つけない為の方便としてこれを使ったんだろうけど、同時にルドマンはリュカ……というかビアンカを守ってる。

 フローラにプロポーズした翌日に振ってビアンカへという動きは、なにも知らないとゲスの勘ぐりとダメな噂が広まってしまう。
 ましてやリュカは勘違いとはいえ、天空の勇者という噂を持ってる。

 勇者に悪い噂ばかりが増えると、金持ちや権力者たちが気づいている世界の不和をどうにかしようとする手段が失われかねない。

 もちろん、最初に言ってる通り世界の為ではあるんだろうけど、ただ単純に「プロポーズしたはずのフローラをフった」という部分が消え、「ルドマンを怒らせたから婚約が解消された」という方が、その後でくっつくビアンカに、不当な怒りが飛んでこないようになるんだよね。

 当然、完全にはゲスな勘ぐりが無くなるワケじゃないんだけど、何のフォローも無かった場合は「フローラをフった直後ビアンカを口説いた」みたいな噂がたちやすいので、それがたなくなるだけでかなりマシになる。

 ……なんていうコトをまじめに考察しているうちに、ビアンカへ告白するシーンへ。

「はぁ? ルドマンさんを怒らせて婚約解消!?」
「声が大きいよ、ビアンカ……っていうコトにしてもらったの」
「なにそれ?」
「本当に好きな人に気づいたんだ」
「は?」

 お昼時だと思われる酒場で、結構お客さんがいる中でこれである。
 周囲からヒソヒソ話が聞こえてきて、すでにだいぶ噂になってる様子。

 部屋へ戻る階段を上りながら、

「その人は、怒りっぽくて、口うるさくて、お節介で、だけどいつでも僕の背中を任せられる……そんな人なんだ」

 プリプリしながらリュカの後を追いかけて階段上ってる途中で、リュカが誰のことを言ってるか気づいて真っ赤になってくビアンカ可愛い。

 そうして告白するリュカに、

「言ったわね……言っちゃったわね……言っちゃったからには、取り消せないからね……」

 って涙をこぼしながら笑うビアンカがカワイイ。
 そしてプロポーズを受け入れたビアンカに、野次馬たちが一斉に拍手。そのまま酒場が祝福ムードになるのでした。

(BGM#結婚ワルツ)

 ……さっきまでの噂話からの手のひら返しすごくない?と思ったのは内緒。でも、この手のひら返し感も恐らくは伏線だったんだと思う。
 だから、わかりづれぇよ!!

 ついでに言うと、ここの告白シーン。
 リュカは勢いで自分のフルネームを名乗ってる。
 彼の名字は「グランバニア」。

 SFC映像とはいえ、グランバニア城でリュカが生まれるシーンがあった以上はYS世界にもシナリオ上で出番がないとはいえグランバニア王国はあるってコトなんだよね。
 ――にも関わらず、そこを気にかける酒場客がいないってのもちょいと不思議なシーンである。
 恐らくそれすらも伏線だったんじゃねぇかな感ある。

 もはや、違和感のすべては伏線で片づけてしまって良いのではないだろうか?
 『ふふふ……そう、それも伏線(わたし)だ』とかどこかのユーゼスさんがずっと肯定をし続けてそうな勢いで違和感はどれも伏線な気がするんだ。

 それはともかく。
 そんなこんなでワイワイ盛り上がる酒場の中で、店を出ていく見える占いオババに気づくリュカ。

 リュカがそれを追いかけると、オババは可愛くウィンクをして颯爽とリュカの前を去っていく。
 彼女は、路地裏の人気のない場所へと足を運ぶと、手にしていた杖の先端をコツンと自分にぶつけ、フローラの姿に。

 手にしていた杖の正体は変化の杖。ドラクエギミックの上手い使い方だと感心してしまった。

「これで良かったんです。リュカさんの心に、ビアンカさんがいたのは確かですから」

 って呟いて、再びカメラは酒場へ……

 思わずグッと来てしまった。
 単純にリュカがビアフロを選ぶよりも、フローラがビアンカを譲る形にした方が確かにファンのカドは立ちづらい。

 こういう配慮が行き届いているのに、どうしてここまでちりばめられた違和感という伏線をああいう形で回収しやがったのか……!
「フフフ……それも伏線(わたし)だ……!」
「うるせぇ! メタルジェノサイダー起動! ターゲット:伏線ならびに終盤の超展開! デッドエンドシュート!!!!!」

 ……こほん。取り乱しました。

 ともあれ、こうしてビアンカと結ばれたリュカは、サンタローズへと一度戻るコトにするのでした……。


 チゾット? グランバニア? そんなとこ行かないよ!
 王家の試練? 何それ美味しいの?

 そんなコトより、はやいとこポツンと一軒家に戻ろうぜ!!!!


 ちなみに、こうしてサンタローズへ到着したところで、まだ映画的には半分の1hほどしか経っていないのである。

 もう神速メラガイアーや神速ドルマドンじゃ勝てないレベルの、超神速ドラゴンクエストVなのです!


・ここからが真の後半戦

 サンタローズのポツンと一軒家にやってきて、サンチョに迎え入れられて、出産するまではあっという間のダイジェスト。

 ところで出産シーン……
 リュカは家の外だったし、サンチョは見あたらないし、ビアンカの側に助産師らしき人いなかったんだけど…… どういうことなの……?

 そんな細かいネタはさておいて、出産完了です。
 ビアンカ譲りの髪に、リュカ譲りの瞳を持つ可愛い男の子、二人の愛の結晶であるアルス君の誕生です!!

 リュカとビアンカは仲睦まじく幸せそうにアルスを可愛がり……え? なに? 今、良いシーンなんだけど? 壁に掛かった天空の剣? ああ、揺れてるね。アルスに反応してるのかな? まぁ原作知ってるとそりゃ反応するよって感じだけど……

 違う? なによ? 何なのよ?
 ……え? ポピレア? 誰それ?
 アニー? ソラ? タバサ? いないいない。知らない知らない。
 いないよ。そんな子たち。いないんだよ。いないって言ってるだろわかれよ!!

 YSにはッ、アルス君にはッ、双子の妹なんていないのッ! 一人っ子なんだよッッ!
 分かれよッ、このわからず屋ぁぁぁぁ――……ッッッッ!!!!

 そんな中で、嫁さんはボソリと呟いた。
「あんな超絶解釈違いヘンリー出すくらいなら、あのおかっぱ頭を金に染め、背を縮めて女にしちまえばいいのに……」

 ……うっす。


 ともあれ、平和な日常の中、ちょいちょい揺れるようになった天空の剣。
 旅に出ろと催促されてる気がする――と微妙に変な解釈をして、そろそろ旅にでるかなぁ……なんてリュカが考えてる時ですよ、外で遊んでたゲレゲレとスラリンが、警報代わりに使ってるっぽい紐を揺らして、家の中でカラカラ音が。

 慌てて戦闘準備を始めるリュカ、ビアンカ、サンチョ。

(BGM#戦火を越えて)

 ここでジャミとゴンズが大量のモンスターを連れて登場ですよ。
 しかしどうやってこの場所を知ったんだろうか……グーグルアースかな? それとも、うっかり「ぽつんと一軒家」にガチで紹介されちゃった?

 ともあれ、家の隠し通路から逃げ出す、リュカ一家。
 空から強襲するガーゴイルとか何かそういう連中の部隊。

 ソリに乗って家の隠し通路から延びる滑り台を駆け下り、元々は川だったと思われる谷底をボブスレー気分で駆け抜ける。

 追いかけてくるゲレゲレとスラリンと合流しつつ、リュカはソリから飛び降りて応戦。
 ビアンカもアルスをサンチョに任せ、ゲレゲレの背中へ乗って、リュカの援護に。

 谷底でゴンズと戦うリュカを、谷の上から援護するビアンカ。
 そこへ、ジャミがやってきてラリホーマ。ビアンカとゲレゲレは意識を失いその場に投げ出され――

 襲撃~迎撃のテンポと勢いと戦闘の迫力いいんだよね。
 YSでもかなり上位に入る場面だと思う。

 戦闘の最中、ゴンズの一撃を受け止めたら、雪の下は脆い場所で、地面が割れてしまいそのままクレバスへ落ちていくリュカ。

「何やってんだゴンズ!!」
「わりぃ、やっちまった……」

 ちょっと困り顔のゴンズが若干可愛いと思ってしまった。


・超高速シナリオでも尺は長く

(BGM#高貴なるレクイエム)

 クレバスから這い上がってくるリュカ。
 ジャミとゴンズの元へやってくるゲマは、ビアンカを見て何かに気づき連れ去ろうとする。

 そこへ駆けつけるリュカ。

「今更、現れたところで何ができるというのです?」

 この辺りのゲマ&ジャミ&ゴンズ戦は、ちょっと茶化しづらいくらいのシリアスだし、結構良かった。

 リュカはゲマに吹き飛ばされても立ち上がるも、ゲマの呪術を受けて、その場で石に――

 背中に背負った天空の剣ごと石になり、石になったリュカを撫でながら「素晴らしい表情です」とか変態っぽい手つきで顔を撫でるゲマ。

 ゲマリュカが捗る光景です。
 ……あるのか、それ? いや、あるか。ありそうだな。ないわけないな。
 PS2版以降はゲマのキャラがより濃くなってるし。

 こうしてモンスター襲撃は終了。
 ゲマたちと一緒に引き上げていく……。


 ゲマに連れられビアンカは結界の中で眠るマーサの元へと連れて来られる。
 そこでゲマはビアンカが天空人の末裔であると告げ、天空人同士は心で会話ができるとかなんとか教えられる。

 ゲマの目的はマーサから魔界の扉を開く呪文を聞き出すこと。
 ビアンカに聞き出せば、リュカの元へ帰してやると言うもの……

 マーサとビアンカの会話。
 オリジナルな展開ながら、かなり良いシーンだと思う。
 リュカの妻であると告げた時のマーサの嬉しそうな感じと、巻き込んでしまった申し訳なさとか。

 魔界の扉を開く呪文は口にする訳にもいかない。貴女にも教えられない。大変な思いをさせてしまうけど、ゲマの言うことは聞かないで。生き延びて。

 そして結界の中のマーサは再び目を瞑り――

「何を話した?」

 そう訊ねてくるゲマに、ビアンカはメラゾーマで返答。
 メラゾーマをメラ感覚でばんばか投げつけまくるビアンカすげー!

 こうしてゲマvsビアンカ戦が始まるもの、ビアンカは敵わず石に……。

 最後の最後まで勝ち気な顔を崩さなかったビアンカを見て、つまらない作品だと吐き捨てて、神殿の屋上らしき場所に放置。


 ここからは原作でもお馴染みの時間が流れていく光景。

 時々サンチョがやってきて積もった雪を払っていく光景は、原作とはまた違った切なさあるよね。
 シーンとしては数度だけだけど、足を運べなくなるまで、サンチョのことだから毎日やってた可能性ある……。
 サンチョの心境を考えるとシンドいよね……。

 そのうち、サンチョが来なくなって、その直後に周囲にモンスターが増えて……。

 そのうちリュカにカビも生えてきた頃に、場面が切り替わり――


 どこかの洞窟にある杖を手に入れる金髪の少年の姿が見えて……


 まだハッキリ名前が出てきてないこの場面で、近くの席の男の子は、「あれ、アルス? アルスだよね!」ってテンションあげてたので、こういう展開は年齢問わずテンションあがるモノらしい。


・復活のリュカ

(BGM#戦火を越えて)

 サイクロプスの集団に追われながら、リュカの元へ向かうアルス。
 サイクロプスたちをうまく撒き、リュカを見つけると同時に、喜びのストロスの杖シュート!!

 え? 投げて使うのそれ!?

 杖の先端がリュカにぶつかると、杖が光り輝き、リュカの石化が解除される!

 ストロスの杖って投げて使うの!?

 いやいやいやいや。まぁサイクロプスに追われてるしね。のんびりしてらんないよね?

「どこのどなたか存じませんが助けていただきありがとうございます」

 なんて言うリュカにちょっと困った顔するアルスの背後かサイクロプスが。

 パパスの剣を握り敵を倒すアルスの後ろ姿を見て――「もしかしてアルス?」なんて言うリュカ。

 それが嬉しくて
「ようやく気づいてくれましたね」
 って嬉しそうなアルス……って敬語ぉ!?

 なんでこんな丁寧な言葉遣いなのッ!?
 もうちょっと生意気ざかりな小僧口調で良くないッ!?

 グランバニアの王族設定がまったく表に出てないのに、なんでこんな貴族的な言葉遣いしてるの!?

 なんて驚いていると、嬉しくてスキだらけのアルスへサイクロプスの棍棒が振り下ろされて、パパスの剣が弾かれる。

 武器を探すアルスに、
「使えッ、アルス!」
 ってな感じで、背負ったままになってた天空の剣を投げ――

「あ、待った! ごめん、それダメ!」

 とかテンパるところが絶妙に情けない。
 ……こう、主人公の一般人感の強さも、YSのうんにゃらまんにゃらな気分になる原因かも。
 どことなくヨシヒコっぽい空気を感じちゃうから、いっそヨシヒコでやれよみたいな気持ちが沸く人も少なくないのかも。

 ただどこか一般人を思わせるこの情けない描写も「ふふふ……それも伏線だ……」みたいな奴なんだろうなって。

 とにもかくにも、天空の剣を受け取ったアルスはその剣を見事抜き放ち、一閃。
 ただ振っただけでギガスラみたいな閃光が迸って、ほとんどのサイクロプスを消し飛ばす。
 それにビビった生き残りは慌てて逃げていくところで、二人は一息。

 こうして再会した親子は、ゲレゲレ・スラリンとも合流して、ビアンカを探す旅に出ることに。

 近くの席の男の子は、「すげー! 天空の剣すげー! アルスすげー!」ってキラキラした声を上げてたよ。


・マスタードラゴン

 アルスを連れて、プサンの元を訪れるリュカ一行。
 プサンに挨拶をしてマスタードラゴン知らない?と訊ねると、プサンが「分かってて言ってるんだろ?」とシニカルに笑い……

「え?」

 そう自爆である。
 プサン、大自爆である。

 リュカが持っていた情報はこの町にマスタードラゴンが潜伏してるという情報だけ。

 ともあれ、協力して欲しいと頼むリュカに、プサンは困った顔で……

「ドラゴンオーブを無くしちゃったから、ドラゴンに戻れない」

 序盤、リュカを助けてくれた時の出来るおやじムーブが消え失せて、お茶目なドジっこじーさんムーブを始めるプサン。

 YSのプサンは、属性盛りすぎてないだろうか。
 この話の中で一番いろんな属性持っているの間違いなくこいつだぞ!

 そんな訳でドラゴンオーブどうしよう?って話になったところで、無くしたのはレヌール地方だと判明。
 心当たりのあるリュカは、オーブの欠片を取り出し……

「どうしたのだ、これ?」
「昔、ゲマに砕かれちゃって」
「むぅ……いや偽物じゃな、これ。何か心当たりは?」

 ってなところで、昔出会った謎の青年を思いだすリュカ。
 その顔に、イケるかも――と判断したプサンが、妖精に頼めば何とかなるかもと思いつく。

 一人で妖精の試練を乗り越えると、妖精の女王に願いを叶えてもらえるという話をきき、リュカは一人で妖精の元へ。

「防衛ロボットとか出てくるから気をつけろよ」
「ロボットと妖精って組み合わせおかしくない?」
「いや今回はそういう設定でな」
「は?」

 …………は?

 設定とか言ったぞ、このジジイ。
 メタネタがOKなのか?? メタネタOKって属性まで盛られてるのか?
 っていうか設定……!?

 ……見てた時は「おいおい」って思ったけど、これもまたね……

「ふふふ……それも伏線(わたし)だ……!」
「うるせぇぇぇぇぇぇ――……!!!」(伏線の顔面をパンチ


 そんなこんなで、旅の道程とかスキップしてどこか分からんけど、赤茶けた岩山の上にて……

 メタルハンター が 3匹 あらわれた!
 
 こっそり付いてきていたスラリンとともに戦いながら道を探し――

「あれ? 橋が落ちてるんだけど!?」

 おいかけてきていたメタルハンターが弓を引き絞って矢を放つ!

 放たれた矢に、スラリンが飛びついて食らいつき、そのスラリンの頭の先端をリュカが握って、橋の向こうへ。

 無茶やろそれ! スラリンのあたまの突起が千切れるだろ!!?
 というおいらの心の叫びを余所に、二人無事に反対岸へ到着である。着地ミスって二人して転がって岩に頭ぶつけたりしてるけれども。無事に着地である。

 そして二人が倒れていた場所が突然坂道になり、転げ落ちていった先で、妖精の女王登場。

 ちなみに妖精界。ガチ妖精ばっかり。いわゆる羽の生えた小人で何か光ってるやつ。ベラのような妖精の影も形もないのが残念。
 女王だけは原作通りの女王な感じだったんだけど。

 とりま妖精女王から合格をもらったリュカは偽のドラゴンオーブを渡され、過去へ。

 ここから先は原作通り&冒頭通りの展開。

「父さんを大切にしろ」ってセリフがなかった……と、嫁さん。

 それな……。


 ともあれ、ドラゴンオーブをゲットして、プサンのところへ戻ったところで……

・今日はここまで

 ……終わらなかったので、続きはまた明日以降に……

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