漫画【SALAD DAYS】についての感想（ネタバレあり）
初めに
こちらの漫画に関しては私がまだまだ若い頃に友達の家で出会った漫画です。
何気なしに読んだらハマってしまい一気に全巻読破しました。
ふと思い出し、kindleで大人買い・・・改めて読み直した感想になります。
概要
猪熊しのぶの『SALAD DAYS』は、1997年から2001年にかけて「週刊少年サンデー」で連載された青春恋愛オムニバス作品です。全18巻で、主に高校生を中心とした多様な恋愛模様が描かれています。タイトルの『SALAD DAYS』は、若くて未熟な青春時代を指し、それが象徴するように、登場人物たちが恋愛を通じて成長する姿が一貫して描かれています。
この作品は一つの恋愛物語に固執せず、エピソードごとに異なる主人公たちの恋愛模様が展開される形式をとっています。甘酸っぱい初恋や失恋、片思い、三角関係、すれ違いなど、多様な恋愛のパターンが描かれており、読み手の青春時代を思い起こさせる感情を引き出す作品です。
要約
『SALAD DAYS』は、恋愛に関する様々なストーリーをオムニバス形式で描いており、それぞれのエピソードで異なるキャラクターが登場します。以下は、いくつかの代表的なエピソードの要約です。
「彼女と彼」 主人公の杉崎正樹は、同じクラスの内向的な女の子・秋月あゆみと偶然出会い、交流を深めていきます。あゆみは絵を描くのが好きで、彼女の繊細な一面に惹かれる正樹。しかし、二人は不器用なため、なかなか素直に思いを伝えることができず、すれ違いながらも徐々に距離を縮めていきます。
「風のように」 クールで無口な野球部のエース・新村は、チアリーダー部の明るく元気な園田に密かに思いを寄せています。新村は無表情で、自分の気持ちをうまく伝えられずにいましたが、園田はその内に秘めた優しさに気づき、次第に二人の距離が近づいていきます。スポーツを通じての青春と恋愛が巧みに織り交ぜられたエピソードです。
「卒業」 高校卒業を控えた一人の男の子が、かつて片思いしていたクラスメイトと再会します。学生時代に告白する勇気がなかった彼は、卒業を機に思いを伝えようと決心します。このエピソードでは、思いが伝わらなかった過去と、再会した現在の心情が描かれ、ノスタルジックな感情が漂います。
各エピソードは、恋愛の異なる局面や感情を扱っており、読者はそれぞれの登場人物たちが経験する感情の機微に共感しながら読み進めることができます。
ネタバレ
『SALAD DAYS』は、全体的に幸せな結末が多いですが、切ない別れや未練が残るエピソードも含まれています。多くのストーリーが、登場人物たちが成長し、恋愛の複雑さや感情の起伏に対処していく過程を描いています。
例えば、「彼女と彼」のエピソードでは、正樹とあゆみが最終的に気持ちを通じ合わせ、恋人同士になりますが、他のエピソードでは、すれ違いによって結ばれないまま終わることもあります。特に、卒業をテーマにしたエピソードでは、告白に失敗した過去に後悔し、再会後に再び告白を試みるも、その時点で相手には別の恋人がいるという切ない展開が描かれています。
物語全体を通して、甘くも苦い青春の恋愛が繰り広げられ、それぞれのエピソードが持つ「瞬間の美しさ」と「未熟さ」が作品のテーマとして深く刻まれています。
感想
『SALAD DAYS』は、青春恋愛漫画として、その純粋で繊細な感情の描写が非常に魅力的です。オムニバス形式で様々な恋愛模様が描かれるため、読者は多様なキャラクターたちに共感し、共に喜びや悲しみを感じることができます。
特に感銘を受けるのは、恋愛が必ずしも甘いだけでなく、時には苦しく、切ないものであるという現実的な側面も丁寧に描かれている点です。片思いやすれ違い、失恋といった感情は、実際の青春時代を思い起こさせ、登場人物たちの不器用な姿に自分を重ねる読者も多いのではないでしょうか。
また、絵柄や雰囲気も柔らかく、読みやすいタッチで描かれているため、感情がより伝わりやすく、各エピソードに深く感情移入できます。恋愛の一つ一つが短いエピソードに凝縮されているため、テンポも良く、次々と異なる恋愛物語に引き込まれます。
総じて『SALAD DAYS』は、青春時代の恋愛を描いた作品の中でも特に心に残る一作であり、恋愛における様々な側面を多角的に描写している点で評価が高い作品です。登場人物たちの成長とともに、読者自身も過去の恋愛や青春を振り返り、感情の波に飲まれることでしょう。
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