【夫婦円満の秘密?】両親が知っていること
今年で30歳になるが、周りも結婚してそれなりの期間が経つ人が増えてきた。それに伴い、結婚生活の悩みや、夫や妻への愚痴を聞く機会も増えてきたように思う。当たり前のことだが、恋愛中の熱々なテンションだけでやっていけるほど結婚生活が甘くないことを、身近に実感するようになった。
同時に、自分の両親が比較的円満な夫婦生活を送っていることにも気づく。
すごく特別なわけでもないだろうが、夫婦関係が特に険悪になることもなく、またパワーバランスがどちらかに偏ることもない両親のような夫婦生活は、けして当たり前のものではないようだ。
「まあ、私たちはお互いが何者でもないときを知ってるかね」
とは、そんな母の言葉である。
父と母は、高校・大学の同級生だが、付き合ったのはお互いに社会人になってからである。なので、”ただの”クラスメイトだった期間や、別々に恋愛をしている”ただの”友達だった期間が比較的長い。
「何者でもない」とは、言い得て妙だと思う。
自分自身を振り返ってみても、会社の同期のように、最初に特別なものを感じた(期待し過ぎた?)人よりも、なんとなく続いている人間関係の方が大切だし、心地よい場合が多い。「何者でもない」とはそういう心地よさのことなのだろう。仮に特別なきっかけからスタートしたとしても、夫婦も家族も友達も、「何者でもない」関係に向かって行くのだと思う。
悪く考えれば、「何者かである」ということは、そうでなくなれば終わってしまう熱しやすく冷めやすい関係なのかもしれない。
先日もある女友達から数年ぶりに連絡があり、結婚の悩みを聞いた。
ぼくを選んだ理由は、「ただの知り合いがあんたしかおらんかった」とのことだった。とりあえず、彼女にとってぼくは何者でもないらしい。