弟が笑いを生む仕組み【生徒会選挙にて】
前回、弟の中学生時代の生徒会選挙について書いた。
よくいる全校集会で笑いをとったことによって受かった面が大きいのだが、
弟によればそのような場で笑いを取ることは比較的簡単とのことだ。
それは本人の能力というより、その場の構造的な問題が大きいようである。
そもそも、生徒会選挙に学校の爆笑王は出馬しない。
先生も誰にでも出馬を許可するわけではないので、
授業中に無茶をして大爆笑を起こすような問題児や、
笑いを取ることしか目的のない芸人気質の生徒は、
ほとんどの場合競争相手にはならないのである。
そうなると、弟の言葉を借りれば、
「あの場(全校集会など)で冗談を言っていいとすら思っていない」
ような優等生がほとんどになる。
そのような状況になれば、少し冗談を言うだけで、
「この状況で何言ってんの」程度の笑いは簡単に発生するわけだ。
だから、弟も「おもしろかった」という感想は多いものの、
とっている笑いは爆笑ではなく小笑いほとんどだった。
(残念なことに、生徒会選挙で爆笑をかっさらうのは、
真面目にやっているのに様子がおかしくなる泡沫候補の生徒である)
また、このような構造をわかっておけば、
真面目な行動で小笑いを起こす可能性を見積もれるので、
「ウケを狙ってスベる」という最悪の自体を回避しやすい。
このように考えると、結局のところ、
・生徒会を任せされる真面目さがあり
・ある程度冗談も言える余裕と能力があり
・そもそも、そんな面倒なことを引き受けようと思う
そんな条件の揃った生徒は、各学年にそんなにいない。
だから生徒会選挙は、弟のように「出たら勝ち」のできレースになりがちなのだと思う。