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角野隼斗 全国ツアー 2023 “Reimagine” 大阪

▼プログラム

 J.S.バッハ:インベンション 第1番 ハ長調 BWV 772
 ラモー:新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)雌鶏、未開人
 グルダ:プレリュードとフーガ 変ホ短調
 角野隼斗:追憶
 J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ BWV 147
 J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV 826
  Ⅰ. Sinfonia
  Ⅱ. Allemande
  Ⅲ. Courante
  Ⅳ. Sarabande
  Ⅴ. Rondeau
  Ⅵ. Capriccio
________

 角野隼斗:胎動
 角野隼斗:Human Universe
 カプースチン:8つの演奏会用エチュード 作品40
  Ⅰ. プレリュード
  Ⅱ. 夢
  Ⅲ. トッカティーナ
 J.S.バッハ:インベンション 第13番 イ短調
 カプースチン:8つの演奏会用エチュード 作品40 
  Ⅳ. 思い出
  Ⅴ. 冗談
 J.S.バッハ:インベンション 第4番 ニ短調
 カプースチン:8つの演奏会用エチュード 作品40
  Ⅵ. パストラール
 J.S.バッハ:インベンション 第14番 変ロ長調
 カプースチン:8つの演奏会用エチュード 作品40
  Ⅶ. 間奏曲
  Ⅷ. フィナーレ
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 アンコール
  大猫のワルツ
  羊は安らかに草を食み
  きらきら星変奏曲

はじめに

ずっと楽しみにしていた全国ツアー。
チケットを買った公演の当日を迎えるのが、どれ程待ち遠しかったことでしょう……!

公演後、数日経っても頭の中で鳴り響くピアノの音。

終演直後に湧き出る感情を、ツイッター上でたくさん呟いたのですが、せっかくの機会なので、noteにまとめておくことにしました。
自分の思い出記録ですが、良ければお読み下さい。
※途中、記憶違いがいくつかあるかと思いますが、その点についてはご容赦下さいませ。

前半

バッハのインベンション1番の厳かな演奏からスタート。

そこからのラモー。
(朧げな記憶ですが)演奏前に左手で拍を取りながらの演奏スタートをされていたように思います。

グルーヴが凄い!

始まって間もないのに身体を揺らしたくなる衝動に駆られました。(頑張って抑えてたけど、心の中ではノリまくり)

ラモーってこんなにノれる曲だったっけ?

今回のコンサート、事前にプログラムが公開されていたこともあり、サブスクでざっくりと全体を通しで聴いて、予習していたのですが、あまりにも受ける感覚が違ったので、ビックリ。

驚いている間に、演奏はグルダのプレリュードとフーガに移ります。

これは盛り上がらずにはいられない!
指パッチンしまくりな角野さん。

心の中で、もう一人の自分が踊りながら、一緒に指パッチンしてました!
楽しい! カッコ良すぎ!!

この曲は最後の終わり方が書いていないので、自由に演奏出来るそうなのですが、この日はクールに決めておられた印象でした。

もしかすると、公演ごとに演奏を変えていたりするのでしょうか? 気になります。
複数公演聴きに行かれる方がいらっしゃったら、是非その辺りを訊いてみたいです……!

ここから先は、がらっと雰囲気が変化しました。

追憶から主よ、人の望みの喜びよの流れは、角野さんの心の中にそっと踏み込ませてもらうような、内に内に誘われていく、不思議な感覚に。

そうして、静かな雰囲気の中、パルティータ2番へ。

演奏で時折、ピアノの音のいくつかがパイプオルガンの音色そのものに聴こえて、鳥肌が。

しっとりと潤いがあり、心地良い清冽な音が、堪りませんでした。

教会の中の空気感が、そのままホールに現出している感じなのです。

不思議体験……!

自分にとっての身近な例だと、早朝の神社で感じるようなひんやり感とも共通する肌感覚でした。

後半

胎動の演奏からスタート。
ピアノの音色が今度はクリスタルを思わせるような、硬質な質感のキラキラしたものに。

七色の音色をお持ちの方だな、と感じずにはいられません。
その輪郭、質感も曲によって様々に変化します。
いや、本当に凄い……!

そして、Human Universe。

ブルーノートで演奏されて以来のお披露目。音源化もされておらず、プログラム発表時にタイトルを見かけてから、ずっと気になっていた角野さんのオリジナル曲。今回は改訂版とのこと。

最初、宇宙空間に放り出されて、静かに星々の煌めきを眺めていたかと思ったら、ダイナミックな惑星の営み、溢れるエネルギーの奔流に圧倒されました。

でもそこから、最後にはちゃんと優しく客席に導かれて、戻って来れました。

例えるなら、幽体離脱して、宇宙まで飛び出し、そこでしばらくアトラクション体験をしてから、戻って来たみたいな感じだったでしょうか。

聴いたばかりですが、もう一回聴きたくなっています。
いつか音源化を希望します……!

続いては、カプースチンの8つの演奏会用エチュードと、バッハのインベンションのミックスプログラム。

いや、もう楽しくて最高でした!

特にバッハがこんなにノリノリでカッコいいなんて、予想外です。
アレンジが神懸かっています。
カプースチンはグルーヴが良すぎ。

クラシックコンサートにお堅いイメージをお持ちの方、生で体験したら固定概念吹き飛ぶのは間違いなし!

このミックスプログラム、そのままアルバムにして発売して欲しいなと、聴き終わった今、めちゃくちゃ思っています。
何だったら、コンサートまるごとブルーレイにして欲しいです。

プログラム全部を終えた直後、割れんばかりの拍手が!
会場の熱気は凄まじかったです!
カーテンコールを挟んで、角野さんはアンコールを、三曲演奏されました。(サービス良すぎ!)

大猫のワルツ、羊は安らかに草を食み、きらきら星変奏曲。
三つ目のきらきら星のみ、撮影可で、三十秒のみSNSシェアOKと言う、観客へのお土産付きの太っ腹。

この日ならではの即興が素敵だと思った所を、シェアします。↓

ちなみに演奏前のトークで、
「写真OKって言うと、終わった時、みんなこうしてる(スマホを持っている)から拍手が少ない。
終わったと思ったら、拍手をお願いします!」

と言われて、客席から笑いを取っておられました(笑)。

もちろん、終わるや否や、全力で拍手しましたよ〜!

今までの公演で、ひっそりと寂しく思っておられたのだとしたら、可愛いお人だなと思いました(笑)。
それを正直に打ち明けちゃうお人柄が、また素敵です。

高揚感もあってか、アンコールは弾むような演奏の大猫からスタート。
そこから羊は〜でしっとりと聴かせて、きらきら星で会場をわっと盛り上げました。

見渡せば、スタオベの人ばかり!

拍手の合間に手を振る観客も多く、角野さんも満面の笑みで、両手で何度も振り返してくれました。
温かいホールの空気が気持ち良い……!

この日は改めて、角野さんの音色が好きだなと感じました。
私個人の感覚ですが、根底に明るさと温かさ、ポジティブなエネルギーが流れている感じがして、すごく心地良いんですよね。

また即興では、剽軽な少年の顔と、大人の色気が違和感なく同居していて、惹き込まれます。

そこにディズニーみたいな夢見る雰囲気が乗っかった、キラキラした音の粒が、ふわっと粉砂糖を振りかけたみたいに散らされていて、聴いていると、魔法にかかったような感覚になるんです。

別の世界に連れて行かれるなんてのはしょっちゅうで、彼のコンサートは不思議な体験がいっぱい。

魔法使いみたいだなと感じる、本当に素敵な音楽家さんです。

生の演奏をまだ聴いたことがない方、是非一度足を運ばれることをおすすめします!

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