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事態は因数分解して考える

何か自分に不都合なことや好ましくないことが起こっている時
事態を因数分解して考えることは有用だ。

一緒に旅に出ていた友達が
出先から2日間、リモートで勤務しなければならなくなった。
朝起きた時彼女は「わー」とうめいて
「働きたくない・・・」と呟いた。
私は気にしていなかったが
その前日から仕事に対する不満を口にしていた彼女は
私に不快な思いをさせることを恐れたようで
「愚痴ってばっかりでごめん。本当は働くのが嫌というより寝続けられないことが嫌だった」
と弁解した。

彼女にとっては私に向けた言葉だったかもしれないが
その違いに気づくことは彼女自身にとって
とても大きなことだと思った。
仕事が嫌なことと
思ったように睡眠時間が取れないことは
似ているようでいて全然違う。
仕事が嫌な原因はいくつも考えられるし
その中には自分でなんとかできることもあれば
自分一人では難しいこともあるだろうが
睡眠の問題は一人で工夫できることも多い。
うまく寝付けなかったことが問題なら
例えばその前日に運動が少なかったとか
部屋の温度が合っていなかったとかかもしれないし
寝覚めが悪かったなら
(彼女は奇妙な夢をたくさん見たと言っていた)
何かしら心理的な問題があるのかもしれないと考えるきっかけになる。

状況も原因もまとめて一括りにせずに
一個ずつ細かく見ていけば
「これはすぐ改善できる」「これは今はまだ無理」
とできることとできないことを分けて考えられるようになる。
それを手伝ってくれるのがカウンセリングだったりコーチングだったりする。
カウンセリングやコーチングには、そこから先
問題への対処法を実際に考えて実行に移していくまでの機能もあるが
いずれにせよ答えは悩みを抱える人の中にあって
それを引っ張り出して整理をしてくれる、というのが大きな役割だと思う。
私はこの場で、彼らが果たす役割の一部を担えたらいいなと思っている。

少し話が逸れてしまったが
問題が起こった時何が原因かを掘り下げていくことは
自分がどんな性質を持っていて
どんな時にどう反応するのかを探っていくことと同じで
結局はそれは自分を深く知っていくことなのだ。
終わることが一生尽きない旅かもしれないけれど
「自分は全部を知るわけではない。でもその取り組みの最中だ」と
自覚を持っていることで
少し自信を持ったり他人を慮れたりする。

問題が果てしなく大きく見えたり
モヤモヤの一端がどこにあるのか分からなかったとしても
大抵は少しずついろんな問題が重なって起きていることが多い。
自分が違和感や不満を感じた瞬間にまずは気づけるようになること
そこからすこーしずつ少しずつ考えていくこと
間違ってもひとっ飛びに何かを解決しようと思わないこと
(その余裕がないなら、当面は心身を休めるのが良いと思う)
その中で解決できることとできないことをより分けながら
日々を進めていくのが良いと思う。


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