原点回帰? トラッドなモデルもやってます。
さてさて最近も色々と忙しくさせてもらっています。
今日はですね、こちらの1本の紹介と
最近のAddictoneの動向をお知らせいたします。
ARENAというモダンなオリジナルモデルをリリースしてからは
ストラトやテレ、ジャズマスなどの元々作っていたトラッドなモデルは作る機会が減ってきてしまっていましたが
やはり10年ほどブランドをやっていて最初の8年ほどはトラッドなモデルを中心に作ってきてミュージシャンにも多く使用してもらっていましたので。
しかもAddictoneのビルダーである荒木氏はヴィンテージにも精通しており自他共に認めるフェンダーマニアでもあります。
Addictoneでは普段からミュージシャンの楽器のメンテナンスやセットアップを多く請け負っていますがその中でも近年いろんな方が楽器のチョイスする傾向が変わってきたなと感じてきて、
ここ半年くらい周りのプロミュージシャンにも協力してもらい
ビンテージ仕様のストラトをアップデート?
してみました。
こちらは実は以前にサンバーストで一度デモ機として一度完成させていたことのある個体なんです。
ボディは1Pのローステッドスワンプアッシュ
ネックは柾目メイプル1Pという材構成です。
指板Rは10”
フレットはJescarの#55090 (6105)でした。
今回のアップデート内容は
まずボディのリフィニッシュ。元々ラッカーだったので色を変えただけです。
今回はネック周りのアップデートがメインとなります。
ネックもリフィニッシュしたのですが、前はラッカーシーラー、
うっすら飴色塗装、トップコートをしていたのですが
今回は一旦木地まで全て塗装を剥いでから
ラッカーシーラーのみ(回数も最低限)
このネックの塗装に関しては実は色々試した中で
一番木の鳴りそのものが活かされている感じがしたので今回採用しました。
ただ塗装本来の機能として長い期間木を守るという点ではベストではないため商品的にはどうかな、、という点はあります。
多分弾いているとすぐにネックが黒く汚れてくると思います笑
最近ではミュージシャンからのオーダー品では
シーラーを少しだけ吹いて、
トップにほんの少し飴色にしたラッカーを数回だけ吹きっぱなしで軽いバフがけのみ、
またはネック裏だけサテンラッカーで数回吹くというやり方でやっています。
ネックの仕様も変更しました。
指板Rを10”→9.5”に変更
フレットを6105サイズ→6230(ビンテージサイズ)に変更
この辺は本当に色々な仕様を試してミュージシャンにも協力してもらって最終的に2パターンの新しい?ビンテージ仕様というのを
Addictoneのトラッドな仕様のストラトやテレに採用することにしました。
ここ5年、10年くらいはとにかく弾きやすい仕様というのが
望まれてきたと思います。
特にFenderのビンテージ仕様は弾きにくいしピッチ的にもちょっと問題があると考えられて
多くのカスタムメーカーは9.5”Rの指板に6105フレットなどのミディアムサイズを採用して
本家Fenderもcustom shopのラインナップでは一部の除いてほとんどこれに近い仕様に追従する形になってきていました。
『見た目はビンテージ、弾きやすさはモダン』というのが
のを売りにしている流れがあったかと思います。
最初はそれで良かったのですが
音楽シーンも変化して、ミュージシャンの望むものもどんどん日々変化していて
特に最近は以前よりもビンテージの楽器に注目が集まってきていたり
演奏も弾きやすさよりもサウンドの深みや味のようなものを重視するようになってきています。
そこで今回のアップデートでは
あえてビンテージサイズの小さいフレットを採用してみました。
9.5”位の指板Rだときちんとセットアップすればフレットが小さくても全然弾きにくいという感じはなく、(もちろん比べればフレットが大きい方が運指がより楽だったりはします)
よりネック材のウッド感がサウンドに出るようになりましした。
コンディションの良いビンテージ楽器弾いた時のようなフィーリングが少し感じられます。これは大きいサイズのフレットの時にはなかった感覚です。
10”Rの指板はやっぱり少しフラットで、音とはあまり関係ないのですが、弾いている時に感覚的にモダンなフィールがしてしまうので今回はもう少しRをつけて9.5インチに。
ビンテージと同じ7.25"Rだと流石に弾きやすさ的に小さいフレットだとちょっと難しいと感じるため9.5”という選択になりました。
今回のネックの仕様変更、塗装の変更でかなり大きな変化があり
ネックの振動感、木っぽい鳴り、弾いた時のフィールがかなりビンテージのそれに近づいたかなと。
まぁ細かいことは抜きにしても
単純に前よりもめちゃくちゃ良い楽器になった気がします。
ただやはりモダンではないので
前の仕様の方が楽に弾けるし、そうじゃないとダメな人もいると思います。
とにかく弾きやすいことが第一なミュージシャンもいて、
ライブでたくさんの曲を弾くのとにかく弾く時のストレスが少ないピッチの良い楽器じゃないと、、という人には以前の仕様の方がおすすめになります。
少しだけ弾きづらいギターを弾きこなして良い音を出すという感覚が好きな人にはモディファイ後の仕様がおすすめです。
上手い人には特に喜ばれる仕様になっています。
そしてもう一つの仕様は最近Addictoneで製作した
DURANモデル
こちらのギターで採用している
ネック仕様で指板Rは7.25”とビンテージと同じで
(塗装は先ほど紹介した方法と同じ)
これはネックを握った時のフィールがフラットめのRでは違和感を感じるというDURANにはビンテージと同じというのは必須でした。
ただレイヴォーンのようなサウンドや、テクニカルなプレイもするDURANにとってはフレットの高さも必要とのことで
6105サイズのフレットをチョイスしました。
これは単にプレイスタイルに合わせたものですが
弾き込んだ時のような木の鳴りみたいなものは塗装もかなり重要で、新品でも今まで使い込んだギターと同じようなフィールがないとなかなか弾く気になれなかった彼の要望に応えられたのも今回採用した塗装が決め手になったと思います。
今までAddictoneで製作していた
弾きやすいモダン仕様なストラトやテレももちろん作っていきますが、今後は今回紹介したビンテージ仕様も推して行こうと思います。
特にミュージシャンにはレコーディングでどんどん使っていってもらえるようにデモ機も用意していくのでお気軽にお声かけください。
ではまた!
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