転職、2022→2023
社会人2年目、23歳。新宿区に一人暮らし。早稲田大学卒業、職種はマーケティング。来週から六本木勤務、年収も副業含めて同世代と比較すると割と高い方。趣味は読書。学生時代は小説ばかり好んで読んでいたが、最近は専らビジネス書ばかり読んでいる。初学者向けに書かれたアカデミックな書籍も好む。休日は映画に行ったり、美術館の展示に行ったり、サッカーをしたり。
書き起こしてみると、何だこの、The『東京男子図鑑』みたいなプロフィールはと笑ってしまいたくなるほど、「東京」をやっている。承認欲求ドリブンというよりは純粋に好きだからやっているものがほとんど(のはず)ではあるのだが、改めて文字情報として羅列すると、埼玉の決して裕福ではない家庭に生まれ、決して優秀な子どもではなかった自分が「そういう生活」を送っていることへの違和感と、そんな自分への陶酔と、その陶酔への嫌悪感が同時に生じてくる。(高校同期とか、大学の友人とかは、似たような感覚を持っているんじゃないかと勝手に思っているが、こんな恥ずかしいことを考えているのは私だけかもしれない。)
そんなようなことを考えていると、高校時代の(自分史上最もひねくれていた)自分に「ダセえ」と一笑に付されてしまう気がして、この"東京の若手サラリーマン"みたいな感覚や価値観を一生懸命客観視して相対化して、内在化しないように必死だ。ついには「そうやって必死に相対化しようとしているその姿勢こそがそれっぽすぎてキメえよ」と言われてしまうんじゃないかと思って、考えるのを辞めた。潔く東京のサラリーマンをやろうと思う。
大学を卒業して社会人として働き始めて、1年が経過した。実際には、大学4年の9月からほぼフルタイムで働いていたので、この生活が始まってからはもう1年半になる。1社目を辞めて、5月下旬からは新しい会社で働き始めるのだが、まさかたったの1年半で転職するとは思ってもいなかった、というのは「大人」と話すときの嘘だ。実際、3年で辞めるとは思っていたし、入社前に一度内定辞退もしているので、思ったよりも早かったな、くらいに捉えている。採用と育成のコストがペイしなかったという観点で、経営陣の皆様には大変申し訳なく思っているし、手塩にかけて育てていただいたチームの先輩方には、本当に顔向けが出来ない。最終日は花束と送別の品を頂いてしまって、送別会までやっていただいて、超ごめん超超超ありがとう、と思っている。こういう風に送り出して頂けるとは思っていなかった。いつかまた一緒に仕事がしたいし、今度は対等な立場でビジネスができるように、ちゃんとでっかくなりたい。
1社目を辞めて、次の会社にフィールドを移すわけだが、転機でもあるし、1年目が終わった節目でもあるので、しっかり振り返って血肉にして次のステージに進んでいきたいと思っている。この一年間で感じたことや学んだことを総動員して価値創出に尽力していくことこそが、前職の皆様への恩返しにもなるだろうし(というか、そう捉えないと申し訳無さと感謝のブレンドで死ぬ)。仕事面はもちろんそうだが、私生活もガラッと変わり、全体的に変化の大きな1年だったので、仕事面をメインにしつつ、プライベートも全体的に振り返って、しっかり言語化したい。そうです、前置きで既に1,300字ほど使ってしまっていますが、このエントリは転職報告・振り返りnoteという体をなした、自己満オナニーnoteです。お付き合い頂ける方のみ、以下5,000字弱、お付き合いください。
まず、何をしていたか
この一年何をしていたか、具体的なところから振り返っていこうと思う。
仕事
「この一年」と言いつつ一応インターン時代も振り返っておくと、~2022-3はFSとして新規営業をやっていた。アポを取って、商談して、提案して、みたいな、一般的な法人営業をイメージして貰えればほとんど相違ないと思う。目標金額を持って、結構しっかり頑張っていた記憶がある。
4月からは、新設部署であるマーケティングDiv.に配属となり、toBマーケをやっていた。セミナーやホワイトペーパーを活用したコンテンツマーケ(主に集客がメインミッションだが、コンテンツ自体の企画をすることもたまに)、メールマーケでのリードナーチャリング、MA(HubSpot)の運用、オフラインDMの制作、展示会のオーナー、Web広告運用、ペイドメディアの選定・運用、アウトバウンドコールの業者選定、市場調査・レポート作成、マーケ施策の効果測定やレポーティング業務、その他マーケ周りの企画推進業務、などなど、などなど、、、、、。とりあえず具体を書き出そうと色々書いたら思ったより量があった。他にも細かいことは色々やってたけど、一旦これくらいにしておく。
一番最初に持ったリサーチ業務とレポートの制作は段取りも組めずに遅延しまくって本当に地獄だったし、毎週木曜日の定例での数値報告は詰められるから死ぬほど嫌いだったし、セミナーは効果出てるのに「要らなくないですか」とか言われて本当にキレそうだったし、レポートラインミスって出戻りしまくりプロジェクトを量産してめちゃくちゃ泣いたし、MAもSFAもCRMも全然分からなくてキモかったし、必死に情報まとめて企画した有料施策よりFAX DMのほうがCPAが断然良くて吐きそうだったし、web広告はFacebookもGoogleもUIがわかりづらすぎて本当にこれがイケてるテック企業が作ってるプロダクトなのかよ?と思わない日は無かったし、自分のミスで予算溶かしまくったときはカフェでMacを地面に叩きつけそうになったし、、、、、という感じで、新卒でスタートアップに入って、しかも新設部署で何も整っていない中で色々やると、まあ色々やるよね、という感じのことは一通りやった気がする。w(先輩方は非常に優しくて、非合理的な詰めは無かったし、一応書いておくけどパワハラまがいのことも一切無かった。当たり前だけど。)
とはいえ後半はマーケチームもかなりチームらしくなってきて、私自身も比較的ポジションを取れるようになってきて、部署の数値目標もQ達成が続いた。めちゃくちゃ失敗したけど学びはその10倍くらいあって、(個人的に教育に最も必要だと思っている)「絶望」と「レジリエンス」はかなり経験した。これから先、たとえ失敗しても、詰められても、なんとかなると思う。まあ、みんな優しかったし、私が無能だったので、ただただ私のケイパビリティが低すぎて話にならなかっただけ説も、ある。あります。とても。本当に無能だった、、、、w
私生活
上述の失敗談はほとんど入社して半年以内にやらかしている。つまり、入社して半年くらいは、私生活はあまり無かった、気がする。まず業務は終わらないし、終わったとしても業務に必要なインプットが終わらない。脳は死んでいるので、インプットの効率も悪い。本は読むけど、頭に入ってこないからイラつく。イラつくと、より効率が落ちる。友だちと遊ぶ時間はあったし、彼女ともそれなりに楽しくやっていたが、土日も仕事をしない日は無かったし、平日は21時に帰ったら「今日早いな」と思って不安になっていた。
ただ、そういう生活の中でも睡眠時間を削って観ていたドラマや映画、読んだ小説、聴いたラジオ、行った展示会は、本当に活力をもらえたし、今の自分が目指す方向性につながったものもたくさんあった。
学生時代の友だちは相変わらず遊んでくれて、自然体でいれる素敵な人間関係には恵まれていると思う。こんなに性格の悪い私と遊んでくれてありがとうございます、物好きだね、本当に。
フットサルに行ったり、サッカーに行ったり、運動もそれなりにしていた。最近、スパイクまで新調してしまった。たとえ頭脳労働だとしてもハードワークには頑丈な身体が必要だということを身を以て学んだし、仕事のためでなくても、普通に健康と幸福に運動は必要不可欠である。定期的にサッカーに行くようになってから精神的な安定が比べ物にならない。
まずい。私生活適当すぎて、これくらいしか書くことが無い。あとは、高校時代の友人がうちに転がり込んできてルームシェアをしていることと、ファッションスタディーズに興味を持って大学院に行こうとしていることくらいか。あとは1年半付き合った彼女と別れて、自分が結婚に向いていない人間だと改めて自覚した。ご愁傷様です、自分。
得たもの、後悔しているもの
多くのことを学んだ一年だったし、自分の価値観や物事の考え方、社会認識の解像度が大きくアップデートされた感覚がある。
まず、「仕事」への向き合い方が大きく変わった。学生時代からインターンをしていたのでただ学生をしているよりは仕事との距離感は近いほうだと思っていたが、捉え方が明らかに変わった。自分が行う業務上のすべてのアクションには人件費という名のコストが発生しており、そのすべてにおいてROIを意識するようになった。具体的には、介在価値である。自分がいることによって、どんな介在価値が発生するのか。または、しなければならないのか。どんなに簡単な単純作業であっても、定例アジェンダのみのMTGであっても、どこに介在価値を見出し、そしてそれはコストに見合ったリターンを生むものなのか。抽象的な精神論にも聞こえるかもしれないが、このスタンスやマインドは、スピード感のある価値創出が求められる株式会社という環境下に置いては、かなり重要なものだと思う。
具体的なスキルセットとしても、得たものは多い。ビジネススキル/コミュニケーションスキル/職種スキルの3観点に分けて一部を羅列する。(振り返り用のシートにたくさん書いたので、ここが気になる人(就活中の人とか)は話しましょう、いくらでも話します)
・ビジネススキル
・プロジェクトマネジメント
・ドキュメンテーション(ドキュメントやスライド等)
・表計算スキル(関数は一通り使える)
・ビジネス構造への理解力
・やりきる力というか、根性というか。。。笑
・コミュニケーションスキル
・プロジェクト推進におけるステークホルダーとのコミュニケーション
(コミュニケーション苦手すぎてここに書けるものが少ない。。。学びは多かったです、ほんとに。コミュ障を死ぬほど自覚しました)
・職種スキル
・マーケティングの全体的な概念理解
・マーケ施策の企画推進
・上の方で書いた具体業務のノウハウは一通り
マインド・スキルともに、だいぶ戦闘力は上がったのではないだろうか。文学部の「ビジネスってなあに、美味しいの?」状態は抜け出せたのではと思いつつ、全体的にまだまだ固まりきっていない感覚があるし、スキルセットのレベル感としては新卒・ジュニアの域を脱しないと思う。1年という短い期間で得られるのはこれくらいか、とも言える。
また、教育への考え方も、大きな変化があった。入社当初は、「探究学習こそ日本の教育に必要である」「主体性・能動性をどう育むかが重要なアジェンダである」「受動的なインプットベースの学習・偏差値教育よりも、主体的で対話的な深い学びが必要である」という、最近の教育の全体的な流れや傾向に沿ったようなことを考えていた。だからこそ探究というフィールドでPBLに近いコンテンツを売る会社に入社したし、学生時代もその畑の人としてやっていた。
しかし、最近は、少し異なる考え方をしている。つまり、「知識のないPBLなど無意味である」と考えている。これは、PBLや探究学習の意義を否定しているわけではないし、知識編重の学習のみを礼賛しているわけでもない。ただ、一定以上の知識のインプットがない中で課題解決型学習をやったとして、それで設定した課題など、解決するに足るものになりうるのだろうか?その過程で身につく課題解決の思考法など、社会に出てからなんの役に立つのだろうか?その状態で何かを思考したとしても、それは妄想ではなく「思考」なのだろうか?
価値のある課題解決を行うためには、一定以上の知識が必要である。学校で教わる「5教科」は、その「一定以上」を補うという観点で、かなり優秀な装置だと考えている。その理解度を問う偏差値や、それによって序列化された高校・大学という仕組みは、少なくともAO入試や総合型選抜入試の普及によって実現され得る「金で買える経験を得た人しか勝てない格差マシマシゲーム」よりは機能的にも倫理的にも優れているのではないだろうかと、そう思うのである。
じゃあ、何が理想なの?というのは、ちょっとわからない。この問いからは、一旦「この場では」逃げようと思う。そして、私は教育業界からは離れる。いずれ戻ってくる可能性はあるし、自分が子どもを持ったとしたら確実に向き合うべきテーマだと思うので、「教育の人が言っていることを理解できる大人」として、別のフィールドでがんばります。
一方で、後悔していることも少なからずある。細かい物を挙げ始めるとキリがないので、大きいものを3点だけ、簡単に書いておこうと思う。
・事業のグロースに寄与しきれなかった
私が入社して一年間、マーケの部署が新設され、確実に獲得リード数は増えた。しかし、会社全体の業績貢献という観点では、後悔が残る結果となった(具体的な記載は控えるが)。リード獲得後の受注率への貢献、MQL定義のより詳細なすり合わせや高頻度でのアップデート、それによる施策改善といった観点で、もっとできることがあったのではないかと思う。会社全体の数字を俯瞰しやすい立場だったからこそ、もっと主導出来たものがあったと思う。
・新人MVPを獲れなかった
個人的に、新人MVPを狙っていた。最後のQなんかは可能性はあると思っていたが、結果は「該当者なし」。なんともない顔をしていたがかなり悔しかったし、部署目標を共に達成した、準MVPを取った先輩と一緒に表彰されたかった。この悔しさは多分一生引きずると思う。めちゃくちゃ悔しい、今でも悔しい。
・諸先輩方に、何かを「返せた」感覚がない
一年間育てていただいて、一緒に走ってきた先輩方に、何かを返せた感覚が全然ない。このタイミングでの転職は自分の中では「絶対」だったし、この選択には100%納得しているのだが、ここだけはどうも割り切れない。同じ環境で非連続的な成長を遂げたり、大きな成果を残したり、そういったことは出来なかった。
総括、次の1年もがんばります。
総括としては、「リセット」の1年だったな、と捉えている。学生から社会人になるに当たり、自分の無力さも、社会人としての不完全さも、嫌というほど自覚した。存在認識が揺らぐ日々の中で、それでも価値を見出しながら走った。そういった経験は、これまでぬるま湯でぬくぬくと生きてきた私のぬるい価値観をリセットし、より高次元にアップデートさせるには十分な経験だった。
それは、資本主義の権化としての「ビジネスマン」として、というよりも、豊かさを追い求めて生きていく一人の人間として、という文脈のほうが正しい。ワークライフバランスという言葉があるが、ワークも、ライフも、どちらも自分にとって重要で譲れないものが明確になってきているし、それを実現しようとしつつある。(と言いつつ、量的な割合はワークワークワークワーク、、、、、たまにライフ。みたいな感じだが…w)
来週からは、よりマーケティングの専門性を高めていきたいという思いから、webマーケ領域のアナリストとして働く。この一年間で得たものを活かせる余地はたくさんあると思うので、得たものも後悔も全部含んで超えて、頑張っていきたい。