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誕生日に負の連鎖を断ち切る
本日私はラストティーンである19歳の誕生日を迎えた。
別に何かが大きく変わるという訳ではない。
まあ唯一言うなら、"1人で過ごす初めての誕生日"といったところだろうか。
今まで18年間、誕生日には母親の手作りケーキ、醤油味の唐揚げ、そしてケチャップででっかく記された年齢を乗せたオムライスを作って家族みんなで祝ってくれた。
ずっと当たり前だった。
毎回年齢を記したオムライスを持って撮る写真は、歳を重ねるごとにウザく感じていた。
しかも、オムライスに年齢を書いたくせに、ケーキの上にもチョコペンで年齢を記していた。
そして、また写真を撮る。
「もういいよ、写真は。はよ食べたい」
照れてそのようなことを歳を重ねれば重ねるほど言っていたが、本当は少し嬉しかった。
もう19歳。いや、まだ19歳。
地元を出て、1人になり、初めて家族を恋しく感じる。
自炊が趣味なのだが、1人でオムライスを作り、ケチャップで大きく「19」と書き写真を撮った。
私の今までの人生にタイトルをつけるとするならば、
「人間関係」の一言に尽きると思う。
良くも悪くも、私の人生は人間関係に大きく左右されてきた。
幼稚園、小学校、中学校の全てで若干のいじめにあった。ただ、母親が通わせてくれた書道教室のおかげで「字を書く」という生きがいを見出すことができ、今の私がある。その教室の先生とも毎月作品のやり取りをしているほどの関係値を築いた。
色んな女の子に悪口を言われた。
色んな男の子に容姿をいじられた。
ただ、私を信じて今も仲良くしてくれている友人がいる。
当時から容姿のことを一切いじらず、なんなら可愛いと言って交際してくれる彼氏もいる。
確かに人より、とは一概には言うことは出来ないが、かなり人間関係に置いては良くも悪くもかなり濃い経験をしてきた。
そんな今は、かなりの平和主義者として少人数の大学生活において揉め事が起きないよう心身を削る日々だ。もう既に疲れてはいる。ただ、仲間内の輪が乱れるよりも自分が辛くなった方がいい。
恐らくこの先も、私は「人間関係」という名の束縛を自分に課しながら過ごしていくのだろうと思う。
人に嫌われたくない、いい人でいたい、優しく常に笑顔の人でいたい。
ただ、誕生日ぐらいは素直でいたい。
いつも照れくさくてちょっとスカしてしまうお祝いの言葉を、きちんと受け止めよう。
数少ない友達が朝から連絡をくれることを当たり前ではないと感じながら、ベッドから体を起こした。
ただ、「私の誕生日なんて誰も知らない。私が誕生日を迎えたからってなんだ。黙っておけ」という悪魔の自分が顔を出す。
人間関係のいざこざを拗らせ、人の気持ちを素直に受け取れなくなってしまった女の末路である。
悲しい。
自分で自分に幻滅した。
負の連鎖だ。
この連鎖を断ち切りたい。
これを19歳、ラストティーンの抱負にしようと思う。
彼氏に「抱負は?」と聞かれて少し恥ずかしくなり、「食べたいご飯をレシピを見ずに作れるようになりたい」とか言ったが、あくまで建前の抱負である。
20歳を迎える前に、私は今までのネガティブな自分を変えていきたい。
ただ、ネガティブであることは決して悪ではないと思っている。
いかにして自分のネガティブな部分をコントロールし、ポジティブでいられるかだろう。
人間が性格を変えるということは、恐らくエベレスト登頂よりも難しいと思う。
ただ、"変える"という努力をしている間は人間としての味が出るのではないだろうか。
まだまだ、自分のことや周りのことでうじうじ悩んでも許される年齢。
社会人になればおそらく忙しい日々に殺されて、悩んでいる暇などなくなってしまうだろう。
いつかこのような経験も役に立つ。
爽快な気分で迎える20歳を迎えられるよう、私は本日より動き始める。