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お産婆さんに救われた産後の生活

1.お産婆さんとは・・・

分娩を助け,妊娠時から出産後まで世話をする女性。助産師の旧称。

2.お産婆さんに救われた

14年前、長男を里帰り出産しました。
産後、当たり前に始まった
赤ちゃんとの不安な日々。
あの時、自宅に来てくださった
助産師さん(お産婆さん)に
私は救われました。

心から感謝しています。

3.お産婆さんを頼んだと聞いて

予定日の2か月近く前に実家に帰り、準備をしていると
母から「お産婆さん頼んでおいたから。」と。

私は「お産婆さん?」

心の中は
は?
今時、お産婆さんってどういうこと?
自宅で出産するわけじゃない、
病院で出産するんだけど。

母は「赤ちゃんが生まれて退院して、ウチにいる間、
お産婆さんに来てもらって
お世話してもらったり、色々教えてもうんだよ。
だって、私は赤ちゃんのこと分からないもん。」

私の小さな頃のことを質問すると、
「分からない。私は産んだだけだから。
あとは全部おばあちゃんがやってくれたから。覚えてない。」

そう答えていた母への嫌悪感もあり、
産婆さんなんて別に必要ないじゃん。
と思っていた。

でも、私の地元では?
病院ではなく個人で助産師といて活動している人がいて。
親戚でも助産師さんに産後ケアをお願いした人がいた。

退院したら、助産師さんが家に来てくれて、
赤ちゃんのことや授乳のことなど
色々教えてくれるんだな。

ふーん、そうなんだ。
そんな軽い気持ちで、ただただそれを受け止めた。


4.いよいよ出産。

初めの出産だったので
経験すること全てが、これで大丈夫?と不安でいっぱいだった。

でも、みんな経験することだから。
と、自分を納得させていた気がする。

病院でもらった出産の流れの書いてある書類を見ても
ただただ、不安。
経験がないってこんなにも不安なんだ。
『陣痛。入院。陣痛の具合。分娩準備、出産。産後の予定。』


不安は常に感じながらも、流れに身を任せることしかできなかった。

お印から始まり、
本格的な陣痛が始まった時の
痛い腰をベストな力加減でさすってくれた助産師さんの温かな手。
対照的な 淡々とした先生の声。
陣痛と眠気とも戦った35時間かかった出産。
出産した瞬間、
神聖ってこれだ。
と漠然と感じた。

産後、初めてのトイレで貧血で倒れる。
「過呼吸じゃない?!しっかりして!」という看護師さんの声。
産後の痛みもありながら、
次の日から赤ちゃんと一緒の生活。おむつを替える。授乳をする。
夜中にベッドで赤ちゃんが泣き止まない。
授乳ってこれでいいの?
退院後の赤ちゃんの話を聴いたり、
慣れた看護師がやる沐浴の仕方を見たり。

あっという間に退院に日になる。

寝ながら微笑んでいるような赤ちゃん。
かわいいとゆっくり感じたのは病院で何回あっただろう。

5.お産婆さんに初めて会う

退院翌日、朝、助産師さんが来た。
彼女のものすごいパワーを感じたことを覚えている。

まずは赤ちゃんの事、出産の事を色々お話した。
「病院は赤ちゃんとすぐに一緒で、大変だったでしょ」と言葉に
急にこみあげてきて
涙が出そうになった。

産後の赤ちゃんのお世話は、
出産した人はみんな当たり前にやることだから
初めのことは何でも大変だし。
その大変さや辛さを口にしちゃいけないと
どこかで思っていた。
自分の感情はさておき、
全て受け入れようと頑張っていた。

今思うと、実家で生活していた頃の私そのものの考え方だった。

赤ちゃんの体調チェックと母乳マッサージ、
赤ちゃんの沐浴。など細かなことたくさん教えてもらった。
分からないこと。不安なこと。
すぐに聞ける。教えてもらえる。
現実的に分からないものが分かる。
ものすごい安心感で毎日過ごすことができた。

「昨日の夜どうだった?
昼間お客さんが来ていて騒がしかったから、
夜その興奮が泣くことで出るんじゃないかと思ったの。」
確かに、なかなか寝てくれなかった。
そして、赤ちゃんに関わらず
仕事や本のこと、
学生時代のことなど。
色々お話した。

赤ちゃんと実家での生活、
助産師さんとリラックスして話せることで
精神的に救われた。

たしか私の場合は、
産後2週間ほどは毎日1~2時間くらい来てもらっていたと思う。

6.産後の自宅に来てくれる助産師さんがいたら…

もし、この助産師さんに会えなければ
授乳も沐浴も、不安ばかりで
正しさを求める私の母に相談もできず、
むしろ私は母に責められたかもしれない。

赤ちゃんの隣で親とケンカをして泣いたり
もう帰ると夫に連絡を取り、そのまま自宅に帰っていたかもしれない。
それもそれで経験だから、悪いわけではないかもしれないが。

自分を責めることは多く、
赤ちゃんとの生活の不安はおそらく増していただろう。

お金はかかるが、自宅に助産師さんが来てくれる
風習のあった地元で
あの時、出会えた助産師さん、
紹介してくれた母にも
心から感謝している。

産後、子育て…大変だよって
人から聞いたことでも
経験しないと分からないことだらけ。

ママさんが子育てしやすい
産後ケアがより充実したものになりますように。

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