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子供の頃のバカだけど大事な思い出

私は毎年夏休みに数日里帰りしている。日数はその年ごとで違うけれど、必ず1日は2人の幼馴染に会う日を作っている。
今回はコロナウイルスの影響があるので会うのは難しいかなぁと思いつつ、今年も例年のように連絡を入れると2人とも「気をつけようね」と言いながらOKの返事をくれた。

お店で会うのは気が進まなかったので私の実家に集まることになった。
1年振りに会っても私達はそんなに変わらず「1つおばさんになったくらい?」なんて話しているけれど、お互いの子供達同士は1年も会わないと半分忘れてしまって初めまして状態だ。緊張している。
そんな様子を笑いながら見ていたら、1人の友人が「この間変な事思い出してさー。小学生の頃、学校帰りに田んぼの用水の水、ハンカチに含ませて吸いながら飲んだよねー!」と、言い出した。

私達の家は通っていた小学校の校区で一番遠い地区にあった。子供の足で行きは40分、帰りは1時間弱かかっていた。学校が遠いと、近かった人には分からないであう悩みが色々があるのだ。
まず1つがこれ。下校中喉が乾くという事。
「あー!やってた、やってた!変なこと思い出させないでよー」
「苔が緑色でキレイに見えたんだよねー」

これを皮切りに色んな思い出が蘇ってきた。
悩みその2、トイレに行きたくなる。
私はトイレだけなら酒屋やスナック、パブに小学生の頃からお邪魔していた。道中に公園もないので我慢できない時はお借りしていたのだ。

悩みその3、暇。
私達は帰り道、宅急便の車、バキュームカー、黒地のナンバープレートなど、見るといいことあるよと聞けばなんでも数えた。その日だけでなく前日の数に今日見た数を足して永遠と数え続けていた。当時暇だと感じた記憶はないけれど、おそらくやる事がなかったのだ。

あとは、いたずらだ。もちろん悪い事だと思わずにやっていたのだけれど。エンドウ豆のような植物を見つけて育ててみたくなり、種をよその家の花壇に勝手にまき、毎日袋に水を持ち帰っては水やりをした。他にもピンポンダッシュとか。

「自分の子供がやってたら青ざめるよね」
「ほんと激怒だよ。バカだよねー」
と笑い合った。

来年はうちの子供も小学生に上がる。しっかりこんな事はしたらいけないと教えてあげなければ!それはもちろんなのだけれど、そんな変な思い出が子供達にもできるといいなと密かに思ったりもした。
それと、同時に思い出した
「だって喉乾いたし水がきれいに見えたんだもん」
「途中でトイレ行きたくなるんだよねー」
「育ててみたくなったんだよ、丁度いいとこあったし」
という純粋な気持ち、忘れたくないなーと思う。私だってそうだったじゃんって。ついつい口うるさくなってしまう自分の為に覚えておきたい。あー、でも笑える程度のものにしといてー!

実家の母はそばで会話を聞いていたらしく「あなた達、ずいぶん怖い事してたのね、知らなかった」と絶句していた。




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