2015年_グランディーバ

2014年に公演すると聞いてチケットを取ろうと思っていたら延期になった。もともと観てみたい公演であったのもあって、2014年の本公演の前に放送された特番を観ていたのを覚えている。若手の俳優の男の子が、バレエの経験もないのに参加するということに思ったのは「そんな無茶な……。」観たこともない彼はなんのクセもない美形の男の子で、やけに切羽詰まっていたことだけ覚えていた。ずれ込んだおかげでチケットを取ることをしなかった私はほんとバカだ。

再度公演があると聞いて、今度は1ミクロンも迷わずにチケットをとった。家から近いというだけで、本公演前のプレ公演。

観に行って正解だった。彼にしてみたらきっと「かろうじて見せられるバレエ」だったと思う。一言もその美声を発することはないのに、表現力で乗り切っていた。リフトもこなした。席がほぼ最前列の端だったせいもあって、他のキャストに隠れている瞬間に笑顔が消えるところも、体中に力をみなぎらせる瞬間も垣間見れた。

「魅せられた」というのが一番そこにしっくりくる表現だと思う。

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