失なわれた藍の色
【原作】東由多加
【演出・上演台本】長戸勝彦
日程:2017年10月14日(土)~22日(日)
劇場:CBGKシブゲキ!!
無邪気で元気で毎日を楽しそうに過ごしている少年、ジュン。くるくると表情を変えながら笑う様にほのぼのとするも、彼が抱えていた闇の深さは、彼自身がステージ前方に出てきていないときに感じる。
男が刑事だと知ったときにひっそり怯えた顔をして挙動不審になったり。
要助の独白を、つらそうに聞いていたり。
苦しそうな鉄兵の後ろで、同じように苦しそうに顔を歪めていたり。
要助の過去を聞いて、自分も話そう、と口を開いてからの独白が鬼気迫りすぎて、彼が脚本通りに「犬を殺して」家出したとはとても思えない。ジュンはいったいなにから自由になりたかったのだろうか。(私はジュンの語る「犬」とは父親のことではないか、と思ったんですけどね……「子犬」がジュン自身なのかなって)
この街に一人で流れ着いて、そうして共に笑い合える仲間を、道を踏み外すことすら共にあろうとまで思える鉄兵と要助に出会えたことは、本当に幸せなのだろうか。もしかしたらジュンは、何をしても絶対に信じてくれる人が欲しかったのかもしれないな……と思ったりもしたのでした。
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上遠野君見始めてそんなに時間が経過したわけではないけれど、初めての本格的なミュージカルだった。今までの舞台の様々色々な物が今回に生きたんだな、と強く感じることができた。
しかし、彼は白鳥みたいな男だな……(しれーっと優雅に泳いでるようでいて、実は)
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