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#35新しい彼/運命の恋

松田君との初めてのデート。食事をしながら沢山話をした。前回はスーツ姿だったけれど、今回は私服姿。大学時代まで運動部に所属していた細マッチョな彼は本当にスタイルが良くて見とれてしまう。
楽しい時間はあっという間に流れ、遅くならないうちに駅の改札まで見送ってくれてその日は別れた。
二回目のデートはお台場までドライブデート。12月に入ったばかりのその日は、とても寒くて、けれどクリスマスのイルミネーションがとてもキレイだった。そして彼と初めて手を繋いだ。しかし彼はそれ以上の事は何もしてこなかった。何だか高校生の恋愛をしているみたいな感覚だった。くすぐったい。
三回目のデートで付き合ってほしいと言われ、私が笑顔で頷いたら、初めてのキスをされた。
もう二人ともいい大人なのに、何だかすごくピュアな感じがして照れてしまう。

週明け、職場で付き合う事になったと同僚達に報告すると、私よりはしゃいで喜んでくれた。
そして、一人の同僚が、クリスマスどうするの!?プレゼント何くれるのかなぁ〜とソワソワし始めた。確かにクリスマスまであと2週間ほどしかないけれど、まだ何も言われていないし、私は"一緒に過ごせればそれでいい"と言った。たまたまだけれど、クリスマス直前に新しい彼が出来たというだけで、プレゼントを買わせるのは気が引けるな、と思ったから。けれど同僚達はそんな私をお人好し!と笑った。
その数日後、松田君からクリスマスの予定を聞かれ、何も無いと言うと、彼の部屋で一緒に過ごさないか?と提案された。私は実家暮らしだし、一人暮らしの彼の家に行くほうが都合が良いので、そうさせてもらう事にした。
となるとプレゼントが必要になる。まだあまり知らない彼にどんなプレゼントを渡して良いのかわからず、仕事帰りに同僚に付き添ってもらって、ネクタイを買った。サラリーマンが持っていて絶対困らないものだからだ。

その年のクリスマスイブは月曜日で振替休日だった。なので私達は23日の夕方に駅で待ち合わせをして、ケーキや食べ物を買い、彼の家に向かった。

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