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牧場に行ったらMTB乗りになった話

真冬にしては暖かい1月上旬のある日、僕達家族は家から車で1時間ちょっとの場所にある牧場にいた。
エサやり、乗馬、アーチェリーなど1回数百円のアクティビティをいくつかこなし、ピザにソフトクリームも食べた。いい感じに散財したしそろそろ帰ろうと思っていたところ、敷地のすみの方で「モトクロス自転車」のコーナーがあるのを見つけた。

そこは1周100mくらいの小さな周回コースで、途中に2つのコブが配置されていた。舗装されていないオフロードをマウンテンバイクで走ってみよう!というやつだ。普段から自転車で走り回っている長男(6)は当然やりたがったし、僕も楽しそうだなと思ったので2人分の料金を払い、ペダリングする度に軋み音のするMTB(マウンテンバイク)もどきでコースに出た。
普段ロードバイクで走る舗装路との違いを楽しみながらコースを回っていると、長男がコブの途中で転んでいた。乗り慣れない自転車、普段走らないオフロードの路面に相当苦戦しているようだ。
そうこうしているうちに制限時間の15分が近付いて来たので自転車を返却しコースを後にすると、長男は「もっとやりたかった!」と言って泣いた。思うように走れなかったのが相当悔しかったらしい。さすがにもう一度お金を払ってやらせる気にはなれなかったので半ば無理やり車に乗せ、帰路に着いた。

僕は車の中で考えていた。
本気で悔しがっていた長男の気持ちに親として応えたい。思う存分走らせてあげたい。でもまだ1人では危ないし一緒について走らないと。でも僕はオフロードを走れる自転車を持っていない。ああ、どうしよう…



その後のことはよく覚えていない。

次の休日、子供達を妻に任せショップに相談に行ったような…

新たなバイクを迎え入れるために部屋を整理したような…

再度ショップに赴き、「支払いはカードで」と言ったような……



今、確かなのは目の前にMTBがあるという事実。そういえばグラベルロードが欲しかった気がするけど、まあいいか。
この後、僕がやるべきことはこの新しい相棒と全力でオフロードを走り回ることだけだ。

ちょっと危なそうだし、子どもは家でお留守番かな!

タイヤゴツい。
ハンドル広い。
カラーはダークグリーン。そして初SRAM。
なんとか部屋に収まった。

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