キューバ旅行記②ー2
ホセマルティ国際空港に到着し、入国審査やら両替やら一通りのことを終えた我々。空港の外は真っ暗闇で感じるのは排ガスの臭いだけ。我々はただ移動に疲れ茫然としていた。そして突然話しかけられた男性にとりあえずついて行くことにした。
しばらくついて行くと1台の車の前で男性がまたしゃべりだす。
「#$!‘●&%#$??」
さっぱり分からん。たぶん“まぁ車に乗りなよ。“的な感じである。
男性は好意的なニコニコ顔でこっちを見つめてくる。ますます怪しい。なれなれしい態度をとってくる奴は詐欺師同然だ。と思いつつも思考停止状態の2人は、なんとそこでも言われるがまま車に乗り込んだ。すると男性は
“ちょっと待っててねー。”
みたいな感じでどこかに消えてしまった。
「これってタクシーか??ほんまに大丈夫かなぁ?」
「まぁ物価安いし大丈夫ちゃう?」
みたいな訳の分からん会話をしていると、さっきの男性が老紳士を連れてきた。老紳士が詐欺師集団のボスなのか?だが表情はすごく穏やかに見える。男性と老紳士が車の横で会話を始める。我々をカモにした後、どうするのか話し合っているのだろうか?などと割と本気で考えていた。
男性が
“で、どこに行きたいの??”
みたいな感じで話しかけてきた。この怪しい詐欺師集団の車から脱出するにはラストチャンスである。一言「ノーグラシアス」と言い放ち再び空港に走りこめばいいだけである。しかし出てきた言葉は、
「ホテル ベタード」
ホテルの名前を言った。ただ本当にもう疲れていた。男性はにっこり笑い、先ほどの老紳士が助手席に座り、排ガス臭い空間にさらに新鮮な排ガスをまき散らすようにエンジンをかけた。
「値段はいくら??」
と一応聞いてみた。
「30CUCでどう??」
30CUCと言うのは当時日本円で3000円ぐらい。まあ良心的な値段だ。地球の歩き方にも空港から市街地までそれぐらいと書いてあった。私たちは少し安心した。
「じゃあそれでよろしく」
お互い母国語で話しているはずなのに、何故か会話が通じる。不思議だ。
車は動き出し、空港辺りで真っ暗だった道はさらに闇の中に吸い込まれていった。「やっぱりこの暗闇で捨てられんのか・・」と思っていたら、助手席の老紳士が突然話しかけてきた。老紳士は大学の先生をしており英語が少し話せた。私たちは日本から来た。新婚旅行だ。といったら喜んでいた。なんかそれで社内の雰囲気がすごく和んだ。どうやらこの車はちゃんとしたタクシーとして安心できるようだ。
2,30分車は走り、ポツポツと辺りに街頭が見えてきた。目を凝らしてみると、若者が歩いていた。いよいよハバナ中心地だ。タクシーは老紳士を先におろし、それから我々の目的地ホテルべタードに連れて行った。
ホテルでのチェックインも色々ドタバタあったけど何とか出来た。とにかく疲れた。時刻は2時か3時ぐらい?家出てからトータルで30時間ぐらい活動していたことになる。機内食やらなんやらで一日6食ぐらい食べた。
とりあえずキューバ初日が終了。外は夜中でも車や話声でうるさい。でもなんかいい人多そう気がしてしまう。2日目はバラデロに向かいます。