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◆日本ニンジャむかしばなし◆「花咲じじい」

 むかしむかし、ある辺境の村に、モータルの夫婦が住んでいました。
 正直な夫と顔だちが整った美しい妻で、仲もよく村では評判の夫婦でした。
 その隣には青年が住んでいました。隣の夫婦とは昔からの付き合いがあって、とても仲良くやっていました。
 ある時、村にニンジャが訪れて村人たちにジツを行使して支配してしまいました。
 夫婦の間には子どもがいなかったので、美しく生娘な妻をニンジャはとてもかわいがっていました。
 ある日、ニンジャは山に村人を連れてきてこう言いました。
「ここを掘って我が居城を建てよ」
「わかりました」
 やがて村人たちが屋敷を建て終わると、
「うむ、城ではないがまぁよかろう。では元の城から宝を持って参れ」
 村人たちはニンジャが元いた城から財宝を新しい屋敷へ運び込み、その一部を青年夫婦の妻に下賜しました。
 この話を聞いた、となりの夫婦の夫が、
「この村はあのニンジャに支配されている。貴方の身が危険だ。その金でさっさと逃げた方がいい。」
 隣の青年は、意志が強く、ニンジャの支配を受けていませんでした。
 そして、ニンジャに対して意見をしたところ、支配された村人たちからゴミをたくさん家に放り込まれるようになりました。
「このまま村をいいようにさせてなる物か!」
 怒った青年は、村を完全に支配して油断していたニンジャが眠っていた所を襲撃し、鍬を心臓に叩き付けました。
 すると、鍬を刺したところからみるみるうちに木が生えてきました。青年は強い驚きと恐怖を感じ逃げていきました。
 次の日、村人たちが毎日の税を納めに屋敷へ行ってみると、ひと晩のうちに大木になっていたその木が屋敷の天井を貫いて生えています。
 村人たちが戸惑っていたところ、頭の中にニンジャの声が響いてきます。
 (((その木を使って我が身を模した像を建てよ。その後そこに毎日モチを供えよ。)))
 村人たちは言われた通りその木でニンジャ像を作って、おもちを供えました。
 すると不思議な事に、ニンジャ像がしだいに輝きはじめました。
 それを聞いた、隣の青年は、
「このままではニンジャが復活してしまうかもしれない。村人を正気に戻さなくては」
 と、供えられたモチを回収して村人たちを説得していると、それを見た村人たちが石を投げるようになりました。
「いまいましいニンジャめ!」
 怒った青年は、ニンジャ像をオノでたたきわり、火をつけると何処からかニンジャの断末魔が聞こえてきました、その後そこに白い灰が残りました。
 ニンジャが完全に滅んだことで、村人たちは正気に戻り、何が起こったかを青年から聞き、灰の処理について話し合いました。
 その時、灰が風に飛ばされて、村人の一人ににフワリとかかりました。
 すると、どうでしょう。
 灰のかかった村人は、絶境をあげてのたうち回りながら絶命しました。
 村人たちは、恐ろしくなって。
「ニンジャの呪いだ、集めて埋めろ」
 と、いいながら、なんとかして灰をざるに集め、埋める場所を探しました。

ちょうどそこへ、部下のニンジャが殺されたことを知ったニンジャの代官が向かって来ました。
「ほう、これは何事じゃ」
 ニンジャ代官はたいそう訝しんで、青年に詰め寄りました。
 それを見ていた隣の青年が、
「おい、あの灰を俺に寄越せ!」
 無理矢理に灰を取り上げると、ニンジャ代官に言いました。
「ニンジャめ、この村は俺たちの物だ。これでも食らえ!イヤーッ!」
 隣の青年は、ニンジャ代官に向かって、灰をいっせいにまきました。
 すると灰がニンジャ代官にかかって、悲鳴をあげました。「グワーッ!」
 詰め寄られていた青年はその隙をついて村人に叫びます
 「狩れ、一気に!反撃をさせるな圧倒…」「イヤーッ!」「アバーッ!」
 しかしニンジャ代官はすぐに体制を立て直し青年に向けて手を翳すと、青年の身体が破裂し、その周囲は花が満開になったかの様に血で染まりました。
 「なんとも浅知恵の働く屑共よ…」
 ニンジャ代官は怒って村を滅ぼそうかと考えました。村人たちは恐怖に震えながら隣の青年の方を恨めしそうに睨みます。
 しかし、そこに青年の妻が走ってきて、血の花に染まった中心で膝を付いて泣き叫びます。それを見たニンジャ代官は
 「ほう、これは何とも美しい娘よ。そうだ、ではこの村にいる娘を全員連れて行こう。さすればこの村は見逃してやろう」
 村人たちは震えながら、妻や娘たちをニンジャ代官に献上します。
 「これで全員か。フン、他には大した玉もいないではないか。」
 ニンジャ代官はそう言って青年の妻以外の娘を一列に並べると、ボトルネックカットチョップで首をはねました。
 そして、隣の青年を指さします
 「そこの屑への処分をまだ告げていなかったな。喜べ、我が最も楽しめるよう仕掛けを整えた後、付近の村の人間を呼んで大々的に処刑してやる。それまでこやつは牢に入れておく」
 そう言って隣の青年を囲むように村人たちに出口のない牢を建てさせ、ニンジャ代官は村を去りました。
 そして後に準備が整ったといってニンジャ代官が周囲の村人を引き連れて再度訪れ、隣の青年は処刑されました。

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