ただそこにあるだけのもの

前にも似たような話をしたことがあると思うんですけど、わたしが住んでるのって福岡の中心からちょっと外れた住宅街なんですよね。歩いても歩いてもずっと人の家が続いているんですけど、ときどき夢でも見ているのかな、みたいな景色に行き当たります。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

あんまり近所の話をすると住所を特定されそうなんですが、1年に1回だけ開く教会とか、どこにも入口がない社とか、だだっ広い庭の真ん中に電波塔がある家とか、ビニールハウスの中に人間くらいの大きさのサボテンがある家とか、どう見てもギリシャかどこかの建築物にしか見えない家とか、そういうちょっと不思議なものが、道を歩いていたら当たり前に現れるのでびっくりする。今日は広場にぽつんとトーテムポールが立っているのを見かけました。なぜ。

地元は基本的に山に囲まれていたのでそんなことはなかったんですが、ここは人がたくさん暮らす街だから奇妙なものもたくさん見つかる。人間の営みの中のちょっとした歪みなんでしょうね。

夢で見ればきっと夢診断でもしてしまうんだけど、ここは現実なので何の兆しでも暗示でもない。ただそこにあるだけ。
そしてそれは誰かにとって日常の風景に過ぎず、わたしみたいな人間の生活のほうが余程歪んでいるのだろうなと思います。