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sumikaのこと

友達のバンドのセカンドフルアルバムの発売日です。わたしはAmazonで注文しているので15日までお預けなのですが、今からとっても楽しみです。

こんにちは。村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

ツイッターでもたびたび話題に上げるのですが、sumikaのギタリストの黒田隼之介氏(じゅんちゃん)とは2010年に出会ってから今年で9年の付き合いになります。
といっても、わたしがじゅんちゃんの名前をはじめて知ったのは2013年で、最初の3年くらいは「インターネットでわたしの小説を見つけてくれた謎の男の子」という印象でした。

本名も何にも知りませんでしたが、わたしがネット上に小説を上げるたびに欠かさず感想コメントをくれたことをよく覚えています。

当時わたしは大学生〜作家を目指しはじめたばかりの無名のアマチュア作家でしかありませんでした。自分の書くものに何の自信もなく、公募に投稿してもことごとく一次落ちするわたしの作品を、彼はいつも「読みたい」と言ってくれて、そして必ず長文の感想メールを返してくれました。
じゅんちゃんはわたしよりわたしの作品を大切に思ってくれていた数少ない友人のひとりです。何の希望も見えない中でも、わたしが筆を折らずにいられたのは、彼の存在がとても大きかった。

わたしが彼の名前を知ったのは2013年です。
それまでもなんとなく、ギターを弾いている人なんだろうな~というイメージはあったのですが、彼がどんなバンドでどんな曲を弾いているのか知りませんでした。
ある日、彼から「新しいバンドの曲なんです。良かったら聴いてください」というメールが届きました。そのとき添付されていたのが、sumikaの「新世界オリハルコン」だったのです。

はじめてじゅんちゃんのギターをきちんと聴いたときの衝撃は今も忘れられません。わたしは知らないうちに、とんでもないミュージシャンとやりとりをしていたのだと知ってひっくり返りました。

そして媒体は違えど、創作と表現の世界で生きていこうとする姿にとても励まされました。「いつか何か一緒に作りましょう」という言葉が嬉しかった。こんな素敵な音楽を作る人に認めてもらえるのなら、わたしの小説も捨てたものじゃないのかもしれないと思ったのです。

5年が経ち、sumikaは随分遠い存在になりました。遠くに見える背中に目を凝らしながら、わたしは彼に追いつける日がくるのだろうかと途方に暮れることも少なくありませんでした。彼のギターと肩を並べるには、新人賞くらい取らなきゃ絶対にダメだと思っていた。諦めたくないと思いました。彼は8年間ひとつも変わらず、わたしの作品を肯定してくれたから。

そして去年、ようやく受賞という最初の目標を達成しました。
受賞の連絡をもらったとき、不意に思い出したのはsumikaの「彗星」という曲でした。ああ、やっぱり続けてきて良かった。あの曲を聴いて泣いた2014年のわたしに、書かなければならないと思ったわたしに、この未来を見せてあげたいと思いました。

とは言っても、まだ彼らは遥か遠くにいます。いつか、2013年の約束が果たされる日まで、わたしは書き続けるのだと思います。
「続けること」に、意味があるならば。

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村谷由香里
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