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東京という街

東京にくるたび、この街で暮らしていたらどんな人生になっただろうと考えます。
上京したいという願望は20歳を超えるまで一切なくて、正直山口から一歩も外に出なくてもいいかなと思っていました。

こんにちは。村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

東京で暮らしてみたいと思うようになったのは、同人活動はじめたころとちょうど同じタイミングだったような気がします。
まわりに東京・神奈川在住のクリエイターが増え、東京近郊にいればできることも多かっただろうと思ったからです。

大学を卒業するまでは、文章を書くことがこんなにも人生の中でウェイトを占めると思っていなくて、だからせいぜい福岡に出るので充分だと考えていました。

それは今もそんなに大きく変わっていないし、このまま順当にいけば福岡に骨を埋めることになるんだけど、東京で暮らしていたらどんな生活を送っていたんだろう。
いま福岡タワーを愛しているように東京タワーを愛していたかもしれないし、竹下通りで変な服ばかり買う人間になっていたかもしれない。
わたしは日々どんなことを考えて、何を書いていたんだろうなと、この街にくるたびに思います。

それはでも、ムーミンシリーズのニョロニョロが地平線を目指してさまよい続けるような、あてのない憧れなのかもしれません。
高校生のころサイモン&ガーファンクルの「アメリカ」という曲が好きでしたが、彼らが探すアメリカみたいに概念めいたものを指して、わたしは「東京に行きたい」と言っているのかも。

東京にいない人間だけが見られる「東京」という夢を、多分わたしはずっと抱き続けるのだろうと思います。

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村谷由香里
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