日記2025年1月③

1月10日
朝から鼻が詰まって痰が出て、風邪の治り始めという感じだが体がだるくてしんどい。妻が車で子供を送るついでに私を職場に送ってくれた。ロータリーでおりて歩き始めたら後続の車の中から名前を呼ばれて、見たら大学時代の部活の先輩だった。朝から満面の笑顔だった。風邪引きには刺激が強い。
仕事で懸案事項があって、人に引き継いだりしつつ、自分がもっとうまくやっていたら、などと考えて気が重く、来年度職場が変わってからもうまくできないのではないかと余計な心配に拡がっていく。ちょうどカリフォルニアの火災の拡大を想起したが、そういうふうに自己と外界を直結させるのもどうかというか、自己をそのような大きなことで語る狡さというのもある。
帰ったら妻はソファで赤子を抱いて寝ていた。上の子は『SING』のDVDを見ていた。途中で再生が止まったりガタついたりして子供が「とまるんだけど」とか不満そうにするのでしぶしぶディスクを取り出してみたらベタベタに指の跡がついていたから、「ウワッ」と言って「ここを汚しちゃいかんのよ！」と言った。子供は気まずそうな顔をしていた。メガネ拭きで綺麗にしたら動作した。『SING』はおちぶれた劇場主の呼びかけで、生活に追われる主婦がポップアイコンに変身して歌い踊ったり、引っ込み思案な女の子が強烈なR&Bの歌唱をみせたりするのがクライマックスなわけだが、こう多様な背景の人物が自分の殻を破ったり願望を実現してステージに立って世間の評価をひっくり返す、そして歌でノリノリになる、という作りは私の中では『天使にラブソングを』が原型になっている。一番見た映画かもしれない。マギー・スミスもずっと『天使にラブソングを』のシスターとして見ている。『天使にラブソングを2』といえばローリン・ヒルだが、ちょっと前にApple Musicで歴代のナンバーワンアルバムみたいなのにローリン・ヒルが選ばれていたのはなんだったんだろう。私は音楽に疎いから総合的な視点で歴代のナンバーワンを決めることができないのどけれど、個人的に一番聴いたアルバムは宇多田ヒカルの『First Love』だろうと思う。小学生のときにイヤホンを突っ込んで寒い部屋でまるまって死ぬほど聴いた。
みんな疲れていたので夜は出前にしたが、油っぽくてお腹が気持ち悪くなってしまった。少しがんばってたとえば卵を焼いたり野菜を茹でたりしたほうがよかったのだと思う。
上の子はマリオ&ルイージRPGをやっていた。できないところを妻にやらせた上でああだこうだと命令したり文句を言ったりして怒られていた。
泣く赤子にミルクを作るとき、何ミリリットル用意するかを無駄に考えてしまうときがあって、今なら何も考えず160作っておけば足りるのだが、余ってしまうことも多いのでたまに「今回は120でいいのでは？」と賭けに出たくなることがある。そして120で勝負したら今日はあっけなく赤子に完食されて、やっぱり160作っておけばよかったと後悔した。しかしこういう日は少なめ勝負癖が抜けないので、ちょっと間を開けて追加を飲ませるときにも余裕をもって120作ればいいものを「さっきも飲んだから80でいいのでは？」と賭けに出てしまい、またあっけなく完食されてもっと作っておけばよかったと後悔した。
体調が悪いせいか、何かして成果を得たいのに何もできず、自信を失ってしまい、徐々に自分が何をしたいのかもわからなくなってしまうのだが、こういうときに少し丁寧に日記を書くと救われるところがある。
明日はまた妻が忍たま乱太郎の映画に行くかもしれない。

1月11日
明け方赤子が泣いたのでミルクをあげたがなかなか寝ず、断続的に泣くのでその都度何をしたら泣き止むか次々と試すことになる。ミルクのあとならまずげっぷを出す。げっぷを出しても泣くならまたミルクを飲ませてみるが飲まない。それなら抱っこするしかないかと抱っこでしばらく揺らすが寝ず、おかしいなと思っているとうんちが一気に出る。これでようやくスッキリして静かになるがまだ寝なくて、再度ミルクを飲ませると少量飲んでやっと寝る。そうして寝た赤子を布団に寝かせるとだいたい2時間くらい経っていた。
朝イチで妻が忍たま乱太郎の映画を見に行った。もう内容は全部頭に入っているけれど、見るとその良さに呼吸が止まるような瞬間があって、その瞬間のために観に行くらしい。
午前中は眠かった。
昼過ぎに上の子の髪を切りにショッピングモールへ行った。赤子がいるので車で行くつもりだったが、上の子が車だと気持ち悪くなると言うので電車で行った。着いてわかったのだが、今日は近隣でイベントがあり道路の渋滞が見込まれる日だったらしく、電車で正解だった。ダウンジャケットを着ていくと屋内で暑くなり、脱ぐと邪魔になるので、私はトレーナーに厚手のカーディガンという軽装で行った。これも正解であった。
子供の髪を切ってもらった。長さをどうしますかと親に訊かれるので全体的に短くしてくださいと答えたら、上の子が小さい声で「かっこよくして、かっこよくして」と囁くのでかっこよくしてくださいと付け加えた。耳を出してもいいですかと訊かれたので出してくださいと答え、前髪は眉上でいいですかと訊かれたのでいいですと答えた。妻はこのやりとりが苦手で、以前やりとりが発生しないように最初に「全体を3センチ短くしてください」と言ったら「え、前髪もですか？」と聞き返されて余計に変なやりとりになったらしい。たしかに最初は漠然とした叩き台を提出するほうがお互い楽だろうと思う。
ペットのコーナーに保護猫との触れ合い部屋があり、妻と上の子が入った。譲渡前の猫を人に慣らす目的らしく、よく慣れた子から全然出てこない子までいろいろいた。7歳くらいの子はよく慣れていたが、大きいと貰い手が現れにくいらしい。私は実家で何匹も保護猫を飼っていたのでふくふくと大きく育った猫がかわいい。妻は猫も犬も爬虫類もかわいさとしては変わらないと言っていたが、猫を飼ってるとやっぱり猫の特別なかわいさがある。
上の子にマリオの柄の服を買った。上の子自身も喜んでどんどん買っていた。ついでに赤子の帽子も買った。
早めの夕食にした。フライドポテトがメニューにあるという理由でしゃぶしゃぶになった。まあまあおいしかった。以前ならしゃぶしゃぶを食べたいのは私だけなのかなと思ってあまり積極的には選ばなかったかもしれないが、妻もいい牛肉が好きだと最近やっと知ったので選ぶハードルが下がった。
ゲームセンターのコーナーでルイージマンションのゲームがあったので妻と上の子がやった。
帰りの駅のホームで子供がなわとびの真似を見せてくれた。こんなに早くできるよと言うのだけどすぐ引っかかりそうだった。
疲れてヘロヘロになってしまい、帰って少しダウンした。ベビーカーを畳んでしまうときに腕と肩の筋肉を攣ってしまって妻に伸ばしてもらった。体がガタガタである。そろそろ痩せるための運動を始めなければならないと思っているのだがそもそも運動できる体ではないかもしれない。
風呂に入りながら次に書く小説のことを考えていた。今回はしっかり準備して書こうと思う。
寝る前にストレッチをした。長らくストレッチもしていなかったからこれだけで苦しかった。まずはストレッチを続けてみようと思った。
赤子に帽子をかぶせてみたらおじいさんみたいになった。
妻が私にも忍たま乱太郎の映画を見せたいらしく、いつ見に行くのかと迫るので、月曜日に観に行くことにした。ほぼ全部妻から聞いて見たようなものなのだが、行ってくる。
明日は動物園に行く。
久々に上の子の夜驚があった。