日記2024年12月②
12月5日
髪を切った。髪を洗ってくれた人が私の顔面に落ちた髪の断片を丁寧に拭いてくれようとして「おめめを閉じていただけますか?」と言うので赤ちゃんになった気分だった。
妻と赤子と3人で上の子の迎えに行った。お友達のお母さん方に赤子を見せた。担任の先生も出てきてくれてお話をした。幼稚園では赤ちゃんがいることを自慢げに話したりもするらしいが、先生に甘えることも増えたらしい。まあ当然ですよね、という話をした。担任の先生はうちの子の話し方の真似がうまかった。いい先生と出会えてよかった。子供たちも寄ってきて赤子を見ていた。同じく最近下の子が生まれたお家の子は赤子のかわいがり方がよくわかっている感じだった。
『カモガワGブックスVol.5 奇想とは何か?』の藤井佯「幽玄の惑星」を読んだ。感想はこちら。
すごく綺麗なお話でした。
私ももっと小説の勉強をしたいと思った。
千葉都市モノレールのプラレールが発売されることになった。私は咄嗟に喜んで、買おうかと思ったのだが、上の子はもうしばらくプラレールを触っていない。嫌いではないはずだが、もう過去のものになっている。新しいプラレールにときめくことはなさそうである。手を繋いで、東京駅のプラレールショップに行き、熱心に展示を見ていたのが、ついこのあいだのことのようであるのと同時に、まぎれもなくずっと前に通り過ぎてしまった過去だということが確実にわかって、胸が締めつけられる。
12月6日
今日も仕事を早めに上がった。妻が赤子を連れて散歩に出ていたので合流した。赤子は家だとずっと泣いているけれど、外に出た瞬間からスヤスヤ寝てしばらく起きない。家で煮詰まると外に出るしかないのである。
ユニクロでズボンを買った。またお腹周りが太ったかもしれない。上の子が最近食べられるものが増えて、食べるものはしっかり出そうとしていると、必ず残りが発生し、残すのももったいなくてそれを食べてしまう。赤子の世話で疲れているから自炊も減って食べ過ぎてしまうことも増えた。そもそもはうつ病の治療で太ったが、病後は疲れることへの恐怖感があり、運動でへとへとになったら次の日の仕事に障るのではないかと思って運動に向かいにくくなった。こうやって色々な要因で太ってしまう。
太ると服を買う気持ちが抑えられてしまう。欲しいとは思うのだが、やはり似合いにくい。高い服になると自分のワーストな状態で買いたくないと思う。贅沢な服はもう何年も買っていない。まあお金もないのだが。
子供のお迎えをしてラーメンを食べて帰った。ここでも食べ過ぎてしまった。
妻は一日中外にいたから疲れていた。
12月7日
昨日より寒くなった。下の子の初宮参りに行った。神社で祈祷をしてもらい、近所の写真館で写真を撮った。私の両親と姉、妻の両親も来た。赤子は外に出るとずっと寝ているので、祈祷中も寝ていて、写真館でも寝ていたのでおもちゃや鈴で叩き起こして撮った。
上の子の七五三のときにお願いした写真館で、とても親切で手際がいいので感謝している。節目節目で撮りたいと思っている。
お宮参りの掛け着も七五三の着物も私が子供の頃使ったものである。(行事ごとについて記録すると自動的に「性別」が確定されることに親になってから気づいた。)母方の祖父母がお茶をやっていて呉服屋と付き合いがあったから、私たち孫にもいくつか着物が残っている。こういう機会には母方の家の影響が自分の歴史として意識される。私が生まれる前から私の人生は用意されている。用意されているから安心して育つことができ、用意されているからそこから外れることで私自身を発見することができる。そんなことを30代の後半になってもまだ考えている。変わったことといえば自分も親になったことで、子供にはこうなってほしいという期待が否応なくあってそれが子供と私自身を縛ることを痛感する。
上の子は写真を撮るときにもお利口にしていてえらかった。いい写真が撮れたと思う。帰りに母親が上の子に、クリスマスに何が欲しいか聞いた。親には欲しいものをたくさん言うけれど、祖母に聞かれると困ってしまったみたいで、「おりがみ…?」とか「ボール…?」とか言っていた。子供ながらに気をつかうものらしい。あとで一緒に考えることにした。
神社にいって写真を撮っただけであるが、とても疲れた。
上の子が頑張っていたので、何か買ってあげることにした。ゲームでもいいよと言ったらとてもよろこんで、『マリオ&ルイージRPG』を買った。パッケージに頬ずりをしていた。家で早速始めていた。
12月8日
休みの日。今日も少し涼しい。早朝から朝にかけて何度も赤子に起こされたので遅くまで寝ていて、子供に起こされた。「できないからやって」と言いながら叩き起こされて、起床即マリオ&ルイージRPGをやらされた。人生で初めてRPGをやるにはちょうどいい難易度で、4歳には難しいけれど一晩でだいぶ進歩した。私が子供の頃はRPGはある程度大人向けのものしかなくて、私が最初にやったのはFF5だったけれど、小学一年生には難しくて途中で(序盤だが)断念した記憶がある。今は入門編的なものを大手が出してくれるのだなあと感慨深い。質の高い音楽、グラフィック、文章などの各メディアが総合的に組み合わさった作品に触れるのは今はゲームが一番いいのかもしれない。映画もいいけれどやはりゲームほど子供の注意を引けず、30分で飽きてしまう。だから悪いということはないけれど。ゲームでいいものがあると拡がりがある。
昼過ぎに私と赤子と2人で出かけた。家にいると泣き続けてしまうからである。外に出たら途端に寝た。
昨日上の子にご褒美を買ったときに妻と、私たち親も何かご褒美を買ったほうがいいのではないかという話になり、何か欲しいものあるかなあと考えたのだが、「体がバキバキだからマッサージに行きたい」とかしまいには「時間がほしい」とかいう話になり、物として欲しいものがないことが発覚した。もう少し物で満足できると生活が彩られるような気がする。
内省的な日記が捗っているのは赤子が寝ていて私一人でコーヒーを飲むことができているからである。赤子が起きているときにはまとまった頭の使い方ができない。赤子は過去を参照しない。親も現在ばかりを参照するようになる。
12月9日
幼稚園の行事のための保護者の話し合いに参加した。クラスで父親が参加していたのは私だけで、全学年を見渡してもお父さんはもう一人いるだけだった。子供が楽しめる文化祭のようなものを保護者参加でやるので、その話し合いである。うちのクラスは14名手伝いに立候補していて、この日集まったのは私を入れて9名だった。お母さんばかりで緊張したが、お母さんたちも全員が全員と仲がいいわけではなく、ゆるく仲のいいところでグループになりつつみんなで話す感じだった。私ももともとお話をする間柄のお母さんが3人いてよかった。唯一のおじさんであるが、お母さん8人中3人と話せるおじさんであるのはかなりえらいと思う。自分で自分を褒めたい。
クラス企画の話し合いは結構盛り上がり、むしろ収集がつかない感じになった。次までに大まかに内容を書き出しておこうと思った。
夕方、赤子と2人で少し外出した。カフェでゆっくりした。帰りに駅で赤子が泣いたのでホームでミルクをあげた。いろんな人に見られた。
12月10日
仕事が忙しく、休憩が10分しかとれなかった。
上の子はマリオ&ルイージRPGをやっていて、下の子は抱っこから下ろすと泣いていた。親の顔を目で追うことや、笑う口をすることが増えた。ほっぺたが育ってきて、体を縦にするとほっぺたが下がって垂れ顔になる。
12月11日
夜明け前にミルクをあげて寝たら寝坊してしまった。目覚ましはかけていたのだが、目覚ましを止めてそのまま夢を見なおして夢の中で着替えなどの準備を始めたので安心して寝ていた。
書くことがもっとたくさんあったような気がするのだが、どんどん忘れてしまう。